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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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現地ライターがレポート!「好調ニューカッスルのTOP4フィニッシュが厳しい理由」

プレミアリーグ15試合8勝6分1敗。アーセナルとマンチェスター・シティに次ぐ3位は、上々のポジションでしょう。エディ・ハウ率いるニューカッスルは、ビッグ6との直接対決も2勝2分1敗と互角に渡り合っています。

サウジアラビアの政府系ファンドPIF(パブリック・インヴェスト・ファンド)が、クラブを買収したのは2021年10月。エディ・ハウ監督が就任したのは11月。2021-22シーズンのプレミアリーグ前半戦は19位と降格ゾーンに沈んでいたチームは、冬の補強で格段にレベルアップしました。

最大の成功は、リヨンから獲得したブルーノ・ギマランイス。プレミアリーグ17試合5ゴール1アシストのセントラルMFの加入によって、中盤のパスワークが向上し、同時に獲ったダン・バーンとトリッピアーが最終ラインを落ち着かせてくれました。後半戦は12勝2分5敗。5つの敗戦のうち4つは、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、マン・シティといった強豪クラブです。

さならる高みをめざしたニューカッスルは、夏のマーケットで3人の即戦力を獲得しました。降格したバーンリーから獲ったGKニック・ポープ、リールのDFスヴェン・ボトマン、レアル・ソシエダからアレクサンデル・イサク。鳴り物入りのストライカーを獲得し、得点力UPを目論んだクラブの快進撃は、リーグ最少の11失点という堅守と2人のアタッカーによってもたらされました。

9月に3戦2発で期待感を高めたイサクは、負傷リタイア。彼と入れ替わるように調子を上げてきたのは、ミゲル・アルミロンとカラム・ウィルソンです。右サイドに定着したアルミロンは、10月以降の8試合で7ゴール1アシストと大ブレイク。カラム・ウィルソンも6戦4発2アシストで、7勝1分という素晴らしい戦績に貢献しています。

さて、ニューカッスルは、チャンピオンズリーグの出場権を獲得できるのでしょうか。北部のクラブに精通するフットボールライターのルーク・エドワーズさんは、「テレグラフ」に寄せた記事で、「2回のトランスファーマーケットを終えた今、フェーズ3はこれまでで最も厳しい状況に直面する」と主張しています。

彼が挙げる懸念材料は3つです。「ヨーロッパへの期待によるプレッシャー」「ライバルクラブのニューカッスル対策」「トランスファーマーケットのジレンマ」。最終盤の10試合のうち、4つがビッグ6という日程は、修羅場の経験が少ないチームにとって高いハードルでしょう。序盤の対決でやられたクラブは、ハイプレス対策とカウンターへの対応を考えているはずです。

マーケットのジレンマを端的にいうと「補強予算がない」のひとことです。今年の1月から費やした2億ポンドは予算オーバー。2022年は新たなスポンサーを獲得できておらず、売上はマイク・アシュリー時代と変わりません。バランスシートを管理するダレン・イールズSEOは慎重モードで、ファイナンシャル・フェアプレーを気にしていると伝えられています。

15節までで、10試合以上に出場している選手が11人。スタメン固定だったエディ・ハウ監督は、層が薄いままでリーグと国内カップを戦わなければなりません。ポジティブな要素があるとすれば、イサクとサン=マクシマンの復帰でしょう。3試合しか出番がなかった点取り屋と、先発4試合に留まった稀代のドリブラーが本領を発揮すれば、上位に留まる可能性が高まります。

再開初戦はレスター。リーズの後、アーセナル。5位マンチェスター・ユナイテッドの足音が気になるチームは、下位に連勝して首位との決戦に臨みたいところです。後方に引いてスペースを消されると苦しくなるニューカッスルは、攻略のアイデアを増やせるでしょうか。イサクの復帰は、早くても1月中旬です。


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