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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

持てる戦力を最大限に活用…チェルシーを立て直したトゥヘルのチームづくりと采配に拍手!

「クルト・ズマを放出してジュール・クンデを獲ろうとしたチェルシーが、売却は成立したのに獲得は失敗した」と聞いたとき、自慢の堅守にヒビが入るのではないかと思いました。しかし、7節を終えたチェルシーは3点しか決められておらず、マンチェスター・シティとともに最少失点をキープしています。

プレミアリーグ4戦2ゴールと売り出し中のトレヴォ・チャロバーが成長するから問題なしと見切っていたのでしょうか。リース・ジェームズとアスピリクエタを右のCBに組み込むオプションを機能させているトーマス・トゥヘルは、手持ちの戦力を最大限に活用して首位を快走しています。

フランク・ランパードの解任の後を受け、プレミアリーグに参入したトゥヘルの立て直し策はセンセーショナルでした。デビュー戦となったウルヴス戦で、3バックにシフトした指揮官の最初のサプライズは、バーンリーに2-0で完勝した2戦めのスタメンです。ジルー、カイ・ハヴェルツ、ツィエクだった前線を、タミー・アブラハム、メイソン・マウント、ヴェルナーに総入れ替え。左サイドには、ランパードに冷遇されていたマルコス・アロンソの姿がありました。

たった2試合で、新監督が全員にチャンスを与えようとしており、フェアな競争によってレギュラーが決まることが伝わったのではないでしょうか。ランパードの前半戦で、大半の時間をベンチで過ごしたリュディガーはレギュラーに定着。ベンチにも入れない時間が続き、移籍を考えていたであろうクリステンセンも主力として活躍するようになりました。

ランパード時代の最後にレギュラーの座を奪われ、自信喪失気味だったヴェルナーは、高い位置で奪おうとするトゥヘル戦術にコミットしながら復調の兆しを見せ、プレミアリーグにフィットするのに時間がかかったカイ・ハヴェルツは、チャンピオンズリーグの決勝で唯一のゴールを決めています。

堅守を構築する一方で得点力が上がらず、最終節で敗れながらも何とか4位でフィニッシュしたチェルシーは、ロメウ・ルカクという強力な解決策をゲットしました。新シーズンのスタッツを見ると、やはりトゥヘルです。7節までに先発起用した選手は、TOP10で最多の22人。メンタルに問題を抱えていたチルウェルと、プレミアリーグに戸惑っているサウール・ニゲスを無理に使わない一方で、ロフタス=チークとロス・バークリーにチャンスを与える自在の起用を繰り広げています。

サウサンプトン戦の83分。1-1という緊張感の高い場面で、今季プレミアリーグ初登場のロス・バークリーの姿を見た瞬間、「ここで!?」と叫んでしまいました。ベンチにはツィエクとカイ・ハヴェルツがいます。多くの監督は、メイソン・マウントを下がりめにしてアタッカーを投入するでしょう。指揮官の指示を受けたロス・バークリーは、2分も経たないうちにボックス右のアスピリクエタにきれいなサイドチェンジを通し、ヴェルナーの決勝ゴールを生み出しました。

7試合のうち、4試合で3ゴール。得点力不足を解消しつつあるトゥヘルのチームは、最後まで優勝争いに絡むのではないでしょうか。カイ・ハヴェルツとツィエクが本領を発揮できず、コロナウイルスと負傷のダブルパンチを喰らったプリシッチが6試合を欠場しても、これだけゴールを重ねているのですから。


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