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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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現地メディアの報道は「保留中」…奇人ビエルサがエヴァートンのオファーを受けない理由。

ヒースロー空港で目撃されたのは26日。ブラジルからのフライトの目的は、ランパードの後釜を探しているエヴァートンとの交渉です。67歳になったマルセロ・ビエルサは、メキシコ代表監督就任の話が破談になったばかり。FMF(メキシコサッカー連盟)とは合意に至っていたのですが、クラブのオーナーで構成される委員会で否決されたと伝えられています。

「スカイスポーツ」は、エヴァートンの次期監督について「ビエルサとバーンリーの前監督ショーン・ダイクの一騎打ち」と報道。クラブのファーストチョイスは、2022年2月にリーズに解任されたアルゼンチン人のほうです。記事に掲載されていたプレミアリーグのスタッツ比較を見れば、大半がビエルサを推すでしょう。

勝率は35.9%対27.9%、1試合あたりのポイントは1.28対1.11、パス本数は471対345、ポゼッションは56.4%対41.0%。すべての指標で、リーズの前指揮官が上回っています。プレミアリーグ残留をめざすなら、堅実な守備網を構築するショーン・ダイクは魅力的ですが、「降格回避の消防士は要らない」というファルハド・モシリオーナーは気乗りしないようです。

交渉について報じた「BBC」のフィル・マクナルティ記者は、「エヴァートンのスカッドを見たビエルサは疑念を抱き、保留した」「ただし、可能性について話し合いをもったという事実は、両者ともに関心があることを示している」と伝えています。この話は、まとまらないでしょう。鬼才が突き付ける就任の条件を、エヴァートンはクリアできないはずです。

1990年以降、2つの代表チームと10のクラブで指揮を執ったビエルサは、シーズン途中のオファーを受けない監督です。過去の契約成立は、5月が2回、6月が1回、7月が8回。例外は、1998年10月に引き受けた母国アルゼンチンの代表監督だけです。オフシーズンに始動して、徹底的に戦術をインストールするスタイルは、降格回避というミッションとは相容れないでしょう。

2つめの問題は、コストです。リーズ・ユナイテッドは、ビエルサとスタッフに対して年間1100万ポンド(約17億8000万円)という高額のフィーを支払っていたといわれています。財政が厳しいエヴァートンは、この条件を呑めないのではないでしょうか。

これらに加えて、トレーニング施設やクラブのサポート体制にも細かいオーダーがあるはずです。ビエルサに依頼するなら、基本はオフシーズン。期中に口説くなら、12月に時間をかけて条件を詰め、1月いっぱいで補強するぐらいの時間が必要でしょう。ただでさえ「火中の栗を拾う」といわれているマージーサイドは、彼のポリシーに見合わないのではないかと思われます。

一方、2022年4月にバーンリーから解任通告を受けたショーン・ダイクは、エヴァートンを立て直すという仕事に前向きで、交渉は最終段階と報じられています。週明けには、彼の名前が見出しになるのではないでしょうか。奇人・変人といわれるビエルサが、ナニカがぶっ刺さって承諾という可能性もゼロではありませんが…。どうなるか、見てみましょう。


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