2023.03.18 監督トピックス
2023年は12戦未勝利、しかし…!パトリック・ヴィエラの解任は妥当か、時期尚早か?
なぜ、このタイミングだったのか。クリスタル・パレスがパトリック・ヴィエラ監督の解任を発表しました。スコット・パーカー、トゥヘル、ブルーノ・ラージ、ハーゼンヒュットル、ランパード、ジョシュ・マーシュ、ネイサン・ジョーンズに続く、今季プレミアリーグで8人めの「sack」です。
「ここ数ヵ月、われわれは不安定なポジションにいた。プレミアリーグに残留するための最良のチャンスを得るためには、変化が必要だった」。スティーヴ・パリッシュ会長の言葉を聞くと、納得感と疑念が同時に湧いてきます。最後の勝利は、12月31日のボーンマス戦。2023年になってからの公式戦12戦は5分7敗と未勝利で、経営のトップが将来を憂うのは理解できます。
スタッツを見れば、何が足りなかったかは一目瞭然です。トータル21ゴールはリーグ16位。チャンスクリエイト202回も16位で、ファイナルサードへのパス1873本とクロス成功384本は17位です。22戦6発でリーディングスコアラーのザハは、ワールドカップが終わってからはノーゴール。直近の3試合はすべて0-1で敗れており、オンターゲットが1本もありませんでした。
これらの数字を見た多くのプレミアリーグファンは、ザハ依存症の監督の解任はやむなしと受け取るでしょう。エゼ、オリーセ、ジョルダン・アイェウ、オドソンヌ・エドゥアールといったタレントを活かせなかったヴィエラに、これ以上期待しないのは妥当な判断だ、と。
しかし、年明けの対戦相手を見ると、これは大変…とため息が漏れます。マンチェスター・ユナイテッドとブライトンが2試合ずつで、マンチェスター・シティ、リヴァプール、トッテナム、チェルシー、ニューカッスル。プレミアリーグの11試合のうち、9試合はTOP4を争うクラブですが、1月4日にスパーズに0-4で敗れた後は3失点以上ゼロと善戦していたのです。
残る2試合は、ブレントフォードに1-1、アストン・ヴィラにアウェイで1-0。前者は11月からプレミアリーグ12戦7勝5分1敗と確変中で、後者もウナイ・エメリ就任以降は7勝2分4敗です。ヴィエラのチームが勝てなかった12試合のうち、不振のクラブはFAカップのセインツのみ。リーグ戦はすべてビッグクラブと絶好調クラブで、11戦4ゴールを単純に評価するのは酷でしょう。
そんななかでも、マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールに引き分け、マンチェスター・シティ戦は78分まで0-0の惜敗でした。悔やまれるのは、2月11日のブレントフォード戦です。敵地ジーテックで途中出場のエゼが決め、95分まで勝っていたのですが…。最後のヤネルトのヘッドは、ヴィエラの運命を変えた1発といえるのではないでしょうか。
厳しい相手ばかりでしたが、何とかひとつ勝っていれば、世界は変わったのかもしれません。インターナショナルブレイク明けの10試合の相手を見ると、TOP10のクラブはスパーズとフラムのみ。サウスロンドンの現状は、「やっかいな相手との連戦を惜敗、惜敗で終えて、いざ逆襲というタイミングだった」ともいえます。
「スカイスポーツ」の取材を受けたクリスタル・パレスOBのクリントン・モリソンさんによると、多くの選手がヴィエラ監督を好きで、ザハとは厚い信頼関係があったとのこと。パリッシュ会長も「ムードは悪くなかった。一体感があり、誰もがポジティブだった」と認めています。
パニックに陥ったかのような、アーセナル戦の直前の解任劇。新監督を選ぶのはこれからで、エミレーツではU21のヘッドコーチであるパディ・マッカーシーが指揮を執り、アシスタントのダレン・パウエルとGKコーチのディーン・キーリーがサポートするそうです。後釜も決まっていないのに、なぜこのタイミングだったのでしょうか。
「解任するべきではなかった」というクリントン・モリソンさんの言葉に、うなずく人もいるでしょう。パリッシュ会長は、「マンネリから抜け出せないと感じたら、何かを変えなければならない」ともいっています。そんな理由で…! 中小クラブを預かる指揮官のクビは、いつも極めて薄い皮でつながっているのでしょう。
「ここ数ヵ月、われわれは不安定なポジションにいた。プレミアリーグに残留するための最良のチャンスを得るためには、変化が必要だった」。スティーヴ・パリッシュ会長の言葉を聞くと、納得感と疑念が同時に湧いてきます。最後の勝利は、12月31日のボーンマス戦。2023年になってからの公式戦12戦は5分7敗と未勝利で、経営のトップが将来を憂うのは理解できます。
スタッツを見れば、何が足りなかったかは一目瞭然です。トータル21ゴールはリーグ16位。チャンスクリエイト202回も16位で、ファイナルサードへのパス1873本とクロス成功384本は17位です。22戦6発でリーディングスコアラーのザハは、ワールドカップが終わってからはノーゴール。直近の3試合はすべて0-1で敗れており、オンターゲットが1本もありませんでした。
これらの数字を見た多くのプレミアリーグファンは、ザハ依存症の監督の解任はやむなしと受け取るでしょう。エゼ、オリーセ、ジョルダン・アイェウ、オドソンヌ・エドゥアールといったタレントを活かせなかったヴィエラに、これ以上期待しないのは妥当な判断だ、と。
しかし、年明けの対戦相手を見ると、これは大変…とため息が漏れます。マンチェスター・ユナイテッドとブライトンが2試合ずつで、マンチェスター・シティ、リヴァプール、トッテナム、チェルシー、ニューカッスル。プレミアリーグの11試合のうち、9試合はTOP4を争うクラブですが、1月4日にスパーズに0-4で敗れた後は3失点以上ゼロと善戦していたのです。
残る2試合は、ブレントフォードに1-1、アストン・ヴィラにアウェイで1-0。前者は11月からプレミアリーグ12戦7勝5分1敗と確変中で、後者もウナイ・エメリ就任以降は7勝2分4敗です。ヴィエラのチームが勝てなかった12試合のうち、不振のクラブはFAカップのセインツのみ。リーグ戦はすべてビッグクラブと絶好調クラブで、11戦4ゴールを単純に評価するのは酷でしょう。
そんななかでも、マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールに引き分け、マンチェスター・シティ戦は78分まで0-0の惜敗でした。悔やまれるのは、2月11日のブレントフォード戦です。敵地ジーテックで途中出場のエゼが決め、95分まで勝っていたのですが…。最後のヤネルトのヘッドは、ヴィエラの運命を変えた1発といえるのではないでしょうか。
厳しい相手ばかりでしたが、何とかひとつ勝っていれば、世界は変わったのかもしれません。インターナショナルブレイク明けの10試合の相手を見ると、TOP10のクラブはスパーズとフラムのみ。サウスロンドンの現状は、「やっかいな相手との連戦を惜敗、惜敗で終えて、いざ逆襲というタイミングだった」ともいえます。
「スカイスポーツ」の取材を受けたクリスタル・パレスOBのクリントン・モリソンさんによると、多くの選手がヴィエラ監督を好きで、ザハとは厚い信頼関係があったとのこと。パリッシュ会長も「ムードは悪くなかった。一体感があり、誰もがポジティブだった」と認めています。
パニックに陥ったかのような、アーセナル戦の直前の解任劇。新監督を選ぶのはこれからで、エミレーツではU21のヘッドコーチであるパディ・マッカーシーが指揮を執り、アシスタントのダレン・パウエルとGKコーチのディーン・キーリーがサポートするそうです。後釜も決まっていないのに、なぜこのタイミングだったのでしょうか。
「解任するべきではなかった」というクリントン・モリソンさんの言葉に、うなずく人もいるでしょう。パリッシュ会長は、「マンネリから抜け出せないと感じたら、何かを変えなければならない」ともいっています。そんな理由で…! 中小クラブを預かる指揮官のクビは、いつも極めて薄い皮でつながっているのでしょう。
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