実績も風格も看板もなかった若き指揮官、リアム・ロセニオールがついに解任!
「クラブとしては、この決定を軽々しく下したわけではありません。しかしながら、今シーズンはまだ多くの試合が残っているにも関わらず、最近の戦績とパフォーマンスは必要な水準を下回っています」。チェルシーの公式サイトが配信したステートメントを読むと、解任の理由は明快です。サウスコーストで勝っていれば、最悪の結末は回避できたのかもしれません。
プレミアリーグとFAカップで、最大8試合を残しているなかで決断に至ったのは、欧州のステージを失うわけにはいかなかったからでしょう。「カラム・マクファーレンが暫定ヘッドコーチとしてシーズン終了までチームを率いて、スタッフのサポートを受けながら、ヨーロッパリーグの出場権獲得とFAカップでの躍進をめざします」。経営ボードは、既にCLを諦めています。
2025-26シーズンの停滞の責任を負うべきは、共同オーナーのベフダド・エグバリとボードメンバーです。最大の過ちは、クラブワールドカップとカンファレンスリーグを制したエンツォ・マレスカ監督との関係を修復不可能にしたことでしょう。メディカルスタッフのチーム編成への介入に不満を溜めた指揮官を全力で引き留めなかったことが、その後の不振を生んでしまいました。
「アスレティック」のリアム・トゥ―ミー記者は、「彼は最初から失敗する運命にあった」といっています。41歳の若き指揮官は、ダービー・カウンティで暫定監督、ハル・シティで18ヵ月、ストラスブールで18ヵ月のキャリアしかなく、「ブルーコの人事異動」という特殊な状況でなければビッグクラブの候補には挙がらない人材でした。
ビッグイヤーを獲得したジョゼ・モウリーニョのような輝かしい実績がなく、クラブのレジェンドと称えられたフランク・ランパードのようなカリスマもなく、マレスカのような「ペップのアシスタント」という看板もありませんでした。モダンな戦術という唯一の武器は、目の肥えたサポーターとさまざまな監督と接してきた選手たちを納得させる要素にはならなかったようです。
それでも就任からしばらくは、順調でした。初陣のチャールトン戦を1-5の圧勝で終えると、プレミアリーグで4連勝。チャンピオンズリーグでもパフォスとナポリを撃破し、ノックアウトラウンドのストレートインを果たしました。忌まわしいパリ戦までの15試合は、10勝2分3敗。アーセナルとの3度のダービーマッチ以外に、敗戦はありませんでした。
パルク・デ・プランスのあの事件は、今となっては指揮官と選手たちの命運を変えるターニングポイントに見えます。2-2の75分、ヨルゲンセンがバルコラにパスをカットされ、ヴィティーニャのループシュートでパリが再びリード。テンションが下がったチェルシーは5-2の大敗を喫してしまい、ロベルト・サンチェスを外した指揮官に対する疑念が生じてしまいました。
スタンフォード・ブリッジでも0-3で完敗。試合後のインタビューで移籍の可能性を匂わす発言をしたエンソ・フェルナンデスは、その後の「マドリードに住んでみたい」というひとことが出場停止処分につながってしまいました。悔しさがこぼれ落ちたような彼のコメントも、若手シフトの補強に疑義を呈したククレジャの言葉も、パリとの2戦が接戦なら出てこなかったはずです。
最後の8試合は1勝7敗。エースと10番への依存度が高かったチームに、彼ら不在でゴールに迫るオプションはありませんでした。実績も風格も看板もなかった指揮官を支えてくれるのは、勝利だけだったのでしょう。勝てば選手は戦術を信じるようになり、勝てばスタンドは強力に後押しする…「勝てなくなって信頼を失い解任」は、想像しうる結末のひとつでした。
トーマス・トゥヘル、グレアム・ポッター、マウリシオ・ポチェッティーノ、エンツォ・マレスカ、リアム・ロセニオール。4シーズンで5人の監督との契約を解除したチェルシーは、一流といわれる指揮官を招聘できるのでしょうか。ロマン・アブラモヴィッチには野心があり、投資を惜しみませんでした。またもCLを失ったブルーコは…?
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