2026.07.03 監督トピックス
契約解除の締め切りは残り2分、メールで通告…プレミアリーグ史上最凶(?)の解任劇の一部始終。
「当然のことながら、私は失望し、悲しんでいます。これまでに、ともに築き上げてきたものを心から信じていました。ここ数ヵ月の間に成し遂げたすべてに誇りを抱きながら、この場を去ります。私たちは、忘れられないシーズンを過ごしました。プレミアリーグ残留を確保し、ヨーロッパリーグの準決勝に進出し、永遠に心に残る瞬間を生み出しました」
ノッティンガム・フォレストを立て直したヴィトール・ペレイラにとって、解任を告げるメールは青天の霹靂だったのではないかと思われます。ヌーノ・エスピーリト・サント、アンジェ・ポステコグルー、ショーン・ダイクの後を継いだシーズン4人めの指揮官は、降格候補となっていたクラブを残留に導き、新たなシーズンの準備を始めようとしていました。
2月に交わした契約は2026-27シーズンの終わりまでで、チームをTOP10に引き上げたら延長も見込めます。就任以来の公式戦20試合は8勝6分6敗で、プレミアリーグは4勝5分3敗。ヨーロッパリーグはフェネルバフチェ、ミッティラン、ポルトを撃破し、ベスト4に進出しました。最後はアストン・ヴィラにトータル4-1で敗れたものの、サポーターも納得の結末といえるでしょう。
功労者を襲った悲劇…いや、プレミアリーグ史上最凶の解任劇のトリガーとなったのは、契約書に記載されていた一文です。「どちらの当事者も、いつでも契約を解除できる」という条項は、6月末まで有効だったと報じられています。クラブからメールが届いたのは、6月30日23時58分。追加タイムの失点で敗れたかのような最悪の幕切れでした。
クラブを救った指揮官には新たな契約書が用意されており、ポルトガルで開催されるプレシーズンツアーや、ウディネーゼ、バルセロナと戦うイタリアでのトーナメントが決定寸前だったそうです。新たなGKコーチを招聘したかった監督は、ロンドンで行われたチーム編成に関する会議に出席し、必要なスタッフについてプレゼンしたともいわれています。
エヴァンゲロス・マリナキスオーナーと、ギリシャでともに働いたことがあるヴィトール・ペレイラといえども、急速かつ残酷な心変わりは予測不能だったようです。解任の理由は、おそらく1点。クリスタル・パレスでFAカップ、コミュニティシールド、カンファレンスリーグを制したオリヴァー・グラスナーと契約できる千載一遇のチャンスを逃したくなかったのでしょう。
短いメールによる解任の通告から23時間後、「テレグラフ」のジェイソン・バート記者が「オリヴァー・グラスナーがノッティンガム・フォレストの監督に就任する」と配信しました。クリスタル・パレスのヴィジョンや強化プランに疑問を呈し、スティーブ・パリッシュ会長と何度も衝突した新監督は、前任者と違う理由で早期に袂を分かつ可能性があります。
クリスタル・パレスとノッティンガム・フォレストは、緊張感が高い関係です。FAカップ制覇によって、2025-26シーズンのヨーロッパリーグの出場権を獲得したサウスロンドンのクラブは、UEFAの「マルチクラブオーナーシップ(複数クラブ所有)」に関する規定に抵触したため、カンファレンスリーグにまわされてしまいました。
この処分によって、カンファレンスリーグからヨーロッパリーグに繰り上げとなったのがフォレストです。これだけならフォレストがラッキーに見えますが、いざ蓋を開けてみると、クリスタル・パレスは欧州制覇で自分たちは4強止まり。フットボールに限らず、勝ち負けの世界は、やってみないと何がどうなるかはわかりません。
フォレストは昨年の夏に、ジャン=フィリップ・マテタを獲得しようとしていました。オリヴァー・グラスナーの招聘によって、フランス代表のストライカー獲得プランがリアルになる可能性があると報じられています。最後に笑うのは、誰か。次の興味は、最悪の扱いを甘受したヴィトール・ペレイラの就職先です。
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