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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ハリー・ケイン騒動を忘れさせる偽9番。新機軸で勝ち切ったペップにあらためて拍手!

プレミアリーグ2021-22シーズンは、リヴァプールとの壮絶なマッチレースを制したマンチェスター・シティの連覇で幕を閉じました。私のなかでは、ペップ・グアルディオラは検討無用の最優秀監督です。オフシーズンにセルヒオ・アグエロが去り、後継者に据えたかったハリー・ケインの獲得に失敗。優勝できなくても仕方がないと、誰もが納得する強力な言い訳ができたシーズンでした。

並の監督なら、得点力を落としてジ・エンド。一流の監督でも、ガブリエウ・ジェズスとスターリングをトップに据えて何とか乗り切ろうとするでしょう。ところが、変態ペップの発想は常人の域を超えていました。フォーデン、デブライネ、ベルナルド・シウヴァ、グリーリッシュ、スターリングによる当番制の偽9番。序盤戦のジェズスの定位置は、右ウイングでした。

チーム最多の14試合を最前線で過ごしたフォーデンは9ゴール。1億ポンドを費やして獲得したグリーリッシュは、プレミアリーグ26試合3ゴール3アシストという微妙な数字に終わりました。これらは、フツーなら敗者のスタッツでしょう。4-3-3のセンターが2ケタに届かず、大枚をはたいて連れてきたプレーメイカーが3アシストでは、優勝どころかTOP4すら怪しくなるのが通例です。

ところが、ペップのマン・シティは別世界でした。プレミアリーグ史上、3番めに多い99ゴール。得失点差73は、2017-18シーズンに自ら叩き出した79に次ぐ数字です。サラー、マネ、ジョッタ、ルイス・ディアス、フィルミーノを擁するチームより、5発も多いとは…!

デブライネがキャリアハイの15ゴール、スターリングが13、マフレズ11、フォーデンが9で、ジェズス、ギュンドアン、ベルナルド・シウヴァが8ゴール。CBの前にいてほしい、動きすぎるなと指揮官に厳命されているロドリの7発はイリュージョン、あるいはホラーです。

ギュンドアンとロドリが5分で3発を決めた最終節は、今季のマン・シティを象徴するような展開でした。ストライカーを獲り逃すという大ピンチで始まったシーズンは、どこからでも決められるチームの完成をもってフィニッシュとなりました。

憎たらしいを通り越してあきれるのは、シーズンの最終盤にちゃっかりジェズスをセンターに戻し、ゴールを決めさせているところです。「トップもやれるから、移籍するとかいわないでね!」というメッセージにも見えますが、実際は「偽9番に飽きたから、やってみた」のではないでしょうか!? 2020年に長期政権の可能性を問われたとき、「ノー」「飽きてしまう」と答えた指揮官は、新しいことをやらないと死んでしまう病に侵されているようにも見えます。

プレミアリーグ500ゴールまで207試合は史上最速、勝率74.1%は2位のコンテを8%以上引き離すぶっちぎりのTOP…いや、記録の話を始めると、おそろしく長い記事になってしまうので、「Pep Guardiola’s Premier League dominance in numbers」と題した「BBC」の最新レポートを読んでいただくこととしましょう。稀代の名将に、あらためて拍手を送りたいと思います。プレミアリーグ連覇、おめでとうございます!


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“ハリー・ケイン騒動を忘れさせる偽9番。新機軸で勝ち切ったペップにあらためて拍手!” への2件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    渦巻のように前線がポジションを替えながらBOXの中に侵入して格段に精度の高いクロスが入る、ゴールを決めるのはその時にゴール前にいたプレーヤー‼️だから特定の選手に得点が集中しないのがペップのフットボールですね。アグエロもその戦術を理解してプレーしたし、加えてペナルティエリアのどこからでもゴールを決めるスキルがありました。ハーランドがペップの戦術に順応できるのか、或いはペップが更に進化した、ハーランドを活かした戦術を披露してくれるのか?そうなれば3連覇&CL戴冠も見えてきます。

  2. syaha より:

    ベップとクロップは異次元の名将ですね。この二人を超える監督は今後現れるのか、仮に現れるとしても何百年かかるのだろうかか?と思わされるほどです。

    そして日本からこの二人に並ぶ名将が現れるのも何百年先なのか、そもそも現れるのか?と憂鬱になります笑

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