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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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新シーズンが見えてきた!マンチェスター・ユナイテッド、バルセロナに3-1快勝

プレミアリーグ開幕まで2週間のマンチェスター・ユナイテッドと、リーガが始まるまで1ヵ月あるバルセロナ。仕上がりの差はスケジュールの違いによるものだったのではないかと思われます。アメリカはサンタクララのリーヴァイス・スタジアムで開催された、インターナショナルチャンピオンズカップ。プレミアリーグの開幕節でトッテナムというやっかいな相手と戦うマンチェスター・ユナイテッドは、この試合と30日のパリ・サンジェルマン戦で、スターティングイレブンを固めなければなりません。GKデ・ヘア、CBはフィル・ジョーンズとダレイ・ブリント。両サイドにダルミアンとルーク・ショーが入り、セントラルMFはキャリックとシュナイデルラン。マタ、アシュリー・ヤング、デパイが2列めに並び、最前線はウェイン・ルーニーという顔ぶれです。

これまでのプレシーズンマッチで、すべて開始直後に危ういシーンを作られているマンチェスター・ユナイテッドは、バルサ相手でも変わらずやってしまいました。3分、自陣ペナルティエリアのすぐ外で、アシュリーヤングがドリブルをさらわれるという心臓が凍るシーンからの直接FK。スアレスのキックにデ・ヘアはまるで動けず、ポストに当たる鈍い音がピッチに響きます。5分にもセルジュ・ロベルトが完全に裏に抜け出し、デ・ヘアと1対1。ワールドクラスのGKがコースを読み切ってキャッチしなければ、マン・ユナイテッドはさっそくビハインドを背負うところでした。

しかし先制はマンチェスター・ユナイテッド、8分のCKでした。アシュリー・ヤングのキックにアドリアーノがヘッドをかぶり、背後にいたルーニーが頭でコントロールしてGKシュテーゲンを破りました。1点を奪った後のマンチェスター・ユナイテッドは、ボールをつなごうという意識が強すぎ、自陣の危険なエリアでマイボールをロストするシーンが目立ちます。プレミアリーグにいた頃より周囲を使うプレイにさらに磨きがかかったスアレスは、フィル・ジョーンズとブリントのCBコンビにとっては脅威です。

新加入選手では、右SBのダルミアンに積極性が出てきたのに対して、シュナイデルランの余裕のなさが目立ちます。自陣でボールを失ったり、やってほしくないエリアでファールを取られたりするプレイがあり、セインツでは王様だったMFは周囲との連携に苦しんでいるようです。それでも20分を過ぎてからのポゼッションはマン・ユナイテッド。25分、アシュリー・ヤングが左から持ち込み、ルーニーに通したスルーパスは見事でした。28分にもマタのサイドチェンジに反応したヤングが得意の右足インフロントで狙うチャンスがあり、ディ・マリアが戻ってきたとしても、左サイドの主はこの人でしょう。43分、バルサのチャンス。スアレスが振り向きざまに狙った左足のコントロールショットが左ポストの外を叩きます。まだまだ本調子ではなさそうですが、2013-14シーズンのプレミアリーグ得点王は、メッシとネイマールのいないバルサのなかでは抜きん出ています。前半は1-0。デパイは完全に消えています。

50分、ようやくメンフィス・デパイが才能の片鱗を見せてくれました。中央からのパスをオフサイドポジションにいたルーニーがスルーすると、デパイは縦に走り込み、マークを外して左足シュート。コースはシュテーゲンの正面でしたが、彼が求められているのはこういうプレイです。58分にラキティッチのFKがバーすれすれを襲うと、その直後にはヴェルマーレンがマテューに交代です。プレミアリーグファンとしては、昨季1年をまるまる棒に振ったヴェルマーレンが元気な姿を見せてくれているのは、うれしい限りです。60分、スアレスが裏に抜けて右隅に決めたシーンがオフサイドを取られると、62分にファン・ハール監督は全員交代を指示しました。

GKジョンストン、DFバレンシア、スモーリング、マクネア、ブラケット。MFエレーラ、アンドレアス・ペレイラ、ジェームズ・ウィルソン、フェライニ、リンガード。ワントップにはヤヌザイです。マンチェスター・ユナイテッドの2点めは、この直後に入りました。ジュームズ・ウィルソンの落としを受けて左を突破したブラケットのグラウンダーは完璧。逆サイドでフリーで待っていたリンガードは、丁寧に枠に入れるだけでした。69分には、プレミアリーグに来るのではという噂があるペドロとブスケッツ、イニエスタが交代となり、バルサのメンバーも若返ります。

90分、バルサの前線で脅威になっていたセルジ・ロベルトの右クロスをラフィーニャが見事なボレーでたたき込んで2-1とすると、その1分後、マンチェスター・ユナイテッドがとどめの一撃を決めます。右にいたリンガードの縦パス1本を受けたのはCFヤヌザイ。バルトラを子ども扱いして左足で突き刺した一発は、今季のプレミアリーグでの活躍を期待させる素晴らしいフィニッシュ。マンチェスター・ユナイテッドが3-1とバルセロナを下し、プレシーズンマッチ3連勝を決めました。

ファン・ハール監督のチームは、サンノゼ戦と比べるとよかったのではないでしょうか。試合を観て、あらためて思ったことが3つあります。1つめは、今季いちばんの補強は間違いなく「デ・ヘアの残留」であるということ。2つめは、開幕戦の2列めはデパイを温存してリンガードかヤヌザイを起用したほうが期待が持てそうであること。そして最後のひとつは、アンドレアス・ペレイラを筆頭に若手が成長しそうなので数多くの出場機会を作ってほしいということです。着実に前進してはいるものの、ブリントとフィル・ジョーンズのCBコンビはややもち不安です。GKが変わらず、スペインからあの大物CBが獲得できれば、プレミアリーグの優勝争いに充分食い込めそうなのですが…。

「テストマッチは勝敗度外視」といいながら、チャンピオンズリーグのファイナルで2回も苦い思いをさせられたバルセロナに勝つのはうれしいものです。いや、わかってはいるのですが、そうはいっても。

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“新シーズンが見えてきた!マンチェスター・ユナイテッド、バルセロナに3-1快勝” への6件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    シュナイデルランがいまいちな理由はなんでしょうか?
    ユナイテッドが今年獲得した選手で一番最初にフィットすると思いました

  2. makoto より:

    シティさぽさん>
    以下のような状況を、消化しきれていないのではないでしょうか。
    1)ファン・ハールさんのオーダーが細かい(特にスペースのカバーリング)
    2)相方がワニャマからキャリックに変わり守備の負担が増えた
    3)得意のロングフィードでサイドの選手を走らせるサッカーではなく、短いパスまわしから数的優位を築いて崩すサッカーに変わった

    それでもシュヴァイニーよりはいい出足ではあると思います。慣れや場数の問題が大きそうなので、チャンピオンズリーグのプレーオフまでにフィットしてくれればいいかなと気長に構えております。

  3. タカシ より:

    更新お疲れ様です。
    プレシーズンとはいえユナイテッドにとってはポジティブな結果ですね。ただデパイはどうも消えてる時間が多く感じます。
    昨シーズンから相変わらずキレてるヤングに存在感を見せてるヤヌザイ、リンガード、ペレイラの若手勢。ディマリアがどうなるか分かりませんが、デパイも早くチームに馴染まないと定位置確保は難しいのでは無いでしょうか。

  4. グローリーグローリー より:

    デパイはトップ下で起用するつもりなんですかねー
    個人的には守備力のあるシュナイデルランやシュバイニーをとったのでマタかエレーラをトップ下に置いても大丈夫なんじゃないかなと思うのですが

  5. makoto より:

    タカシさん>
    ですね。消えてます。ペレイラ、ヤヌザイの活躍でデパイがポジション獲得に苦労するとすれば、チームにとってはいい話です。

    グローリーグローリーさん>
    私も、マタをトップ下、デパイはサイドのほうがいいのではないかと思います。前にいるルーニーを使う能力においては、マタとエレーラのほうが数段上でしょう。

  6. makoto より:

    タカシさん>
    ですね。消えてます。ペレイラ、ヤヌザイの活躍でデパイがポジション獲得に苦労するとすれば、チームにとってはいい話です。

    グローリーグローリーさん>
    私も、マタをトップ下、デパイはサイドのほうがいいのではないかと思います。前にいるルーニーを使う能力においては、マタとエレーラのほうが数段上でしょう。

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