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ポグバに続いてリンガード、マタ…スールシャールに翻弄された3人の退団までの足跡を振り返る。

ポール・ポグバ、ジェシー・リンガードに続いて、ファン・マタの退団が発表されました。チェルシーでプレイしていた2012-13シーズンに、公式戦64試合17ゴール35アシストという驚異的なパフォーマンスを披露したレフティは、「私の10番はオスカル」と公言するジョゼ・モウリーニョに冷遇され、2014年1月にマンチェスター・ユナイテッドに移籍。以来9シーズンで、公式戦285試合51ゴール47アシストという戦績を残しています。

今回チームを離れたポグバとリンガードもさることながら、ファン・マタもスールシャールのひらめきに翻弄された選手のひとりです。ファン・ハール時代はレギュラーで、プレミアリーグ71試合15ゴール11アシスト。モウリーニョの指揮下では出番が減ったものの、トップ下か右サイドで64試合11ゴール10アシストとまずまずのスタッツでした。

マタがゴールに絡むシーンが激減したのは、スールシャールに立て直しが託された2018-19シーズンの後半戦からです。2018年12月末からの1年で、22試合1ゴール2アシスト。ブルーノ・フェルナンデスが加わった2020年1月以降は、大半の時間をベンチで過ごす選手になってしまいました。

「スールシャールに翻弄された3人」の3年半を振り返ってみましょう。モウリーニョの退団直前から調子を上げていたリンガードは、左右のウイング、トップ下、最前線と目まぐるしく役割が変わったために混乱し、2019-20シーズンは22試合1ゴールと結果を出せず。2021年1月からのウェストハムでモイーズにトップ下を与えられると、プレミアリーグ16試合9ゴール5アシストと真価を発揮しました。

一方、スールシャールの4-2-3-1は、ポグバにとって居心地のいいフォーメーションではありませんでした。セントラルでは攻撃に絡む機会が減ってしまい、2020-21シーズンの後半戦は2列めの左にコンバート。ポグバをこのポジションに入れると、逆サイドにはスピードがある選手を配したくなります。休まないブルーノ・フェルナンデスによって、トップ下でプレイする機会を失ったマタは、右サイドでも起用しづらい存在となり、完全に出番を失いました。

ポグバが順調なスタートを切った2021-22シーズン。スールシャール監督がマタとリンガードを両方残したのはなぜでしょうか。序盤戦で途中出場から2ゴールを決めたリンガードは、プレミアリーグ26節のリーズ戦まで先発ゼロ。マタのプレミアリーグ初登場は、TOP4フィニッシュが厳しくなった33節のエヴァートン戦です。

得意の左インサイドというポジションがなくなったポグバ、70分過ぎからの便利屋と化したリンガード、ブルーノが元気なら必要なくなったマタ。スペースに出せる6番と、スペースを創れる14番と、両方できる8番は、居場所なきシーズンを漫然と過ごしてしまいました。

選手任せだったスールシャール、選手を活かす戦い方を見出せなかったラングニック。2人の指揮官が残した傷を象徴するような退団でした。彼らと同じ思いで、自らの将来を見つめている選手は他にもいるでしょう。例えばマーカス・ラシュフォード、ドニー・ファン・デ・ベーク…!(ファン・マタ 写真著作者/@cfcunofficial (Chelsea Debs) London)


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