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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「フットボールは観ない」「引退したら終わり」ベン・ホワイトがSBとして急成長を遂げた理由。

「あのパートナーシップは特に印象的だった。ああいうコンビネーションは、アーセナルにはとても重要だ。ベン・ホワイトは、前に出てプレイをつなぎ、必要なときには戻ってくる。試合終了間際に、タックルを決めて仲間と喜び合う美しい瞬間があったね。彼は今、アーセナルで過小評価されているように感じる」

イングランド代表のレジェンド、マイケル・オーウェンさんが称賛しているのは、クリスタル・パレス戦の2点め。ジャカの高速クロスが右サイドに流れ、ブカヨ・サカが拾った43分の連携です。ドリブルで突破するのは無謀と判断したウインガーは、後方のベン・ホワイトに預け、マーカーのザハの内側に入りました。

サカの意図を汲んだ右SBは、ザハは触れずサカに通る絶妙のタイミングとコースの縦パスをフィード。相手のエースを振り切ったサカは、グエイのスライディングより一瞬早く左足を振り抜き、GKウィットワースが出した右足の先を抜きました。

この試合のMVPは、今季プレミアリーグで初めてゴールもアシストも2ケタに乗せた7番ですが、前半の2ゴールの起点となったフルバックにも惜しみない拍手を送りたいと思います。「ザハとの対戦を楽しんでいるように見えた」と指摘する「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、快足ウインガーのボールロスト17回という数字を挙げ、守備における貢献を評価しています。

彼が過小評価されているとすれば、たった8ヵ月で急速に攻撃力を高めた「駆け出しのSB」だからでしょう。プレミアリーグ開幕時は、ウィリアム・サリバにポジションを奪われたCBであり、富安健洋の代役を務めるSBでした。当初はウインガーに競り負けるシーンが多く、攻撃時も上がってこないため、日本代表が復帰すればベンチが定位置になると目されていました。

今季プレミアリーグの初アシストは、10月のノースロンドンダービー。右サイドからトーマスの足元に転がし、ゴール右上にダイレクトショットが突き刺さった瞬間、トレーニングで何度もトライした決め方だったのだろうと思いました。ベン・ホワイトが最も時間をかけたのは、トーマス、サカ、ウーデゴーアとの連携のクオリティの向上なのではないでしょうか。

試合を重ねるごとに、サカ&ウーデゴーアとの距離感と彼らの意図をつかめるようになったSBは、大胆なオーバーラップが増えていきました。先に2点を奪われた26節のボーンマス戦では、ハーフタイムに冨安健洋と代わって登場。1-2の70分、ネルソンのクロスに合わせた右足のボレーは、今季プレミアリーグ初ゴールでした。

現在の冨安との比較は、「攻撃力は圧倒的にベン・ホワイト、守備は両者ともにOK」といったところでしょうか。SBとしてのパフォーマンスを向上させた今季の足跡を見ると、フットボールへの情熱溢れる努力家というイメージが浮かびますが、その素顔はイングランドでは珍しい「フットボール観戦に興味がない青年」です。

「子供の頃、テレビでサッカーが流れていても、5分もすれば飽きてしまい、外に出てプレイしていた。今でも、あまり観ない。自分のクリップや、上達のための映像は見るけど、観戦を楽しむことはない」

「24時間365日、フットボールのことだけを考えている選手もいると思うけど、僕はそれができないんだ。そうすると、すべてを捧げられなくなる。トレーニンググラウンドだけというのは、自分にとっていいバランスだと思う」(アーセナル公式サイトのインタビューより)

引退したらフットボールの世界には残らないという異色のSBは、「選んだ職業が、たまたま多くの人の趣味だっだだけ」といいつつ、「父と一緒にガーデニングをしていたとしても、成功するためにできる限りのことをした」と語っています。

一流のプロフェッショナルは、複数のポジションを股にかけて、さらなる成長を遂げるのでしょうか。トップクラブで自らの能力を開発し、高みに上り詰める旅はまだ始まったばかりです。


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