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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地アナリストがスタッツ分析…想像以上に大きかったウィリアム・サリバ不在の影響。

ウィリアム・サリバが負傷したのはヨーロッパリーグラウンド16、スポルティングCPとのセカンドレグ。冨安健洋がピッチを去った10分後に背中の違和感を訴えたCBは、ロブ・ホールディングに後を譲っています。敵地で2-2、エミレーツでは1-1。延長戦で決着しなかった激戦は、マルティネッリのPK失敗によって、ポルトガルのクラブが制しました。

あれから、1ヵ月。ウィリアム・サリバの復帰に関するニュースは届かず、シーズンアウトの可能性ありと報じられるようになりました。フランス代表CBを欠いて、プレミアリーグ4試合を戦ったアーセナルは、2勝2分。リヴァプール戦とウェストハム戦は、2点リードからドローという今までにない展開でした。

4試合で6失点を喫した首位チームは、サリバ不在の影響が取り沙汰されています。失点シーンにフォーカスすると、ホールディングのエリアを崩されたのはレッズ戦のサラーの1発だけで、カーティス・ジョーンズに着いていたCBに責を問うのは酷でしょう。

「ホールディングが入ってから、守備が不安定になった」とはいえません。しかし、「ホールディングが入ってから、攻撃が停滞する時間が増えた」という説は立証できるようです。レギュラーとサブのCBのスタッツを比較しているのは、「スカイスポーツ」のニック・ライト記者。プレミアリーグにおけるさまざまな数字の分析に定評があるアナリストです。

彼が着目したのは、サリバとホールディングのパスに関するスタッツでした。90分あたりの5つの指標を見ると、すべてサリバの圧勝です。パス本数は69.4対63.3、成功数は63.2対53.9。成功率は91%対85%、敵陣でのパス成功本数は21.4対16.7、ファイナルサードに通した本数は5.7対3.1となっています。

戦術分析のスペシャリストは、さらに細かく「誰に出したか」を見ています。ベン・ホワイトへのパスは、サリバの90分あたり15.0本に対してホールディングは8.2本。トーマスは10.4対8.0、サカに対しては3.5対1.2という大差がついています。

「サリバは積極的に前に出るタイプのDFで、ホールディングは自陣のボックスを守るときに最高の力を発揮する」と評するアナリストは、「サリバがいなくなり、入念に練られたプレーパターンが狂ってしまった」と指摘。常に右サイドを視界に捉え、アタックの起点となる12番に対して、16番のパスは野心がなく、内側に向けられています。

アンフィールドでは、28分に決まったガブリエル・ジェズスのヘッドの後、74分のウーデゴーアのミドルまで、まともなシュートはゼロ。ウェストハムとのロンドンダービーでは、2-2の残り20分から3本しか打っていません。ハマーズ戦のサカが迫力不足に見えたのは、いい体勢でもらえるシーンが減ったからでしょう。

サリバがマン・シティ戦に間に合わなければ、サカとベン・ホワイトは、グリーリッシュやデブライネ、ナタン・アケのチェックに多くの時間を費やすことになりそうです。プレミアリーグ制覇を願うグーナーのみなさんは、ホールディングのサイドの攻防をハラハラしながら追いかけることになるのではないでしょうか。何とか抑えられれば、チャンスは巡ってくるはずですが…。


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