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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Saints】88分からの2発で同点!攻め続けたアーセナル、最後の猛攻は惜しくも実らず!

フライデーナイトのプレミアリーグ32節は、首位と最下位の対戦です。マンチェスター・シティとの決戦を控えるアーセナルと、何としても降格を回避したいサウサンプトン。リヴァプール戦とウェストハム戦で、2点リードから追いつかれたプレミアリーグ首位チームは、これ以上ポイントを落とすわけにはいきません。

ベストメンバーで戦いたかったアルテタ監督は、発熱で欠場となったグラニト・ジャカの代役にファビオ・ヴィエイラを指名しています。GKラムズデール、DFベン・ホワイト、ホールディング、ガブリエウ、ジンチェンコ、MFトーマス、ウーデゴーア、ファビオ・ヴィエイラ。前線はもちろんサカ、ジェズス、マルティネッリの3枚です。

対するセインツは6試合連続で勝利がなく、18位ノッティンガム・フォレストと4ポイント差の勝ち点23に留まっています。ラスト6戦の組み合わせを見ると、ニューカッスル、ブライトン、リヴァプールが残っており、エミレーツで敗れれば巻き返しは難しくなります。

開始30秒、ラムズデールがまさかのパスミス。ボックス手前でカットしたアルカラスが左隅に絶妙なシュートを決め、アーセナルはいきなりビハインドを背負いました。4分に左サイドから3人をかわしたマルティネッリは、ベラ=コチャンプに体をぶつけられてクロスを上げられません。

6分のCKから、トーマスとのワンツーでボックス左を突破したのはウーデゴーア。角度を失った左足のキックは、ニアに外れています。1分後のCKのクリアをダイレクトで叩いたジンチェンコは、大きく打ち上げてしまいました。セインツの追加点は14分。ウーデゴーアのパスがカットされ、ドリブルで進んだアルカラスが絶妙なスルーパスを右に通しました。

ガブリエウの裏を取ったウォルコットがダイレクトで左隅に突き刺し、0-2。ジンチェンコがチームメートを集め、檄を飛ばしています。18分にウーデゴーアのサイドチェンジを受けた左SBは、きわどい高速グラウンダーをフィード。ボールは、触れば決まりだったマルティネッリの前を横切っていきました。

ウーデゴーアのスルーパスで、サカが右サイドを突破したのは20分。ゴールライン際からの折り返しを、戻りながら右足で合わせたマルティネッリのボレーはパーフェクトでした。今季プレミアリーグ15発は、ロベルト・フィルミーノを上回るブラジル人のシーズン最多ゴールです。

26分、左からのクロスをファーで合わせたエルユヌシのヘッドは、ラムズデールがセーブ。フォローしたアルカラスのボレーも、ミスの責任を取りたい守護神が外に弾き出しました。32分のCKの二次攻撃は、サカが浮かしたクロスを左で収めたトーマスが中央にラストパス。トラップに手間取ったファビオ・ヴィエイラは、慌てたキックで左に外してしまいました。

43分、左サイドからの11番のFKは、直接狙ったのか。追加タイム1分の波状攻撃でファビオ・ヴィエイラが中央に浮かすと、ガブリエウのヘッドはバーを越えていきます。1分後、サカの縦パスで裏に抜けたジェズスのシュートは、飛び出してコースを塞いだGKバズヌがクリア。CKにニアで反応したベン・ホワイトのバックヘッドは、アルカラスがゴールライン上でクリアしました。

前半のシュートは14対6、しかしオンターゲットは3対5。過去2戦のアーセナルは、後半に入ってからトーンダウンしています。マークが厳しくなるであろうマルティネッリとサカを、SBとインサイドMFがサポートできるかどうかがポイントになるはずです。

後半のセインツは、4-4-2から5-3-2にシフト。サイドで持つと2人が寄ってくる守備を、個力で崩すのは難しそうです。55分のサカのクロスは、ファビオ・ヴィエイラの前でリャンコがクリア。アルテタ監督はここで21番を諦め、トロサールを投入しました。アーセナルのパスは横、横、横。勝っているチームが試合を畳もうとしているようなパスワークです。

66分、右からのCKはウォード=プラウズ。ホールディングの前に入ったベラ=コチャンプがファーに送ると、ベドナレクの代役として入ったチャレタ=ツァルが頭で押し込みました。さすがに厳しい1-3。69分、マルティネッリの浮き球が裏に抜けたジェズスに通るも、ボレーはバズヌの頭上を越えてしまいました。72分のジンチェンコをエンケティアは、機能するのでしょうか。

77分からの猛攻は、中央へのパスがことごとく渋滞にはまり、トーマスのシュートもブロックされています。85分、マルティネッリに代えてネルソン。敗戦に向かっていたチームを変えたのは、前に進む意識が高いキャプテンでした。88分のウーデゴーアの左足ミドルは、左隅に吸い込まれる美しいゴール。これで、ミッションは2点となりました。

1点差に詰め寄られたセインツは、明らかに動揺しています。90分にトロサールの斜めのパスを収めたネルソンが股抜きのシュートを打つと、バズヌが弾いたボールをサカが押し込んで同点!3-3となった激戦は、追加タイムが8分も残されています。

92分にトロサールが放った強烈な左足ミドルは、クロスバーにヒット。緩いマークをかいくぐるシーンが増えたベルギー代表は、95分に浮き球を前線に入れて混戦を勃発させました。ベン・ホワイトとサカが打てず、ネルソンのシュートはウォード=プラウズが伸ばした足に当たって、惜しくもポストの外。ラストチャンスを創ったのも、ブライトンから来たストライカーです。

19番が浮かしたボールが、ボックス右のベン・ホワイトに届いたのは99分。右足の折り返しがニアに入るも、ジェズスがつぶされてチャンスは潰えました。1歩及ばなかったガナーズ、3戦連続ドロー。猛攻が遅かった?いや、引いた相手を攻め立て、2つもゲットした彼らには拍手を送りたいと思います。追加タイムのアタックも素晴らしく、惜しかったとしかいいようがありません。

前半にマルティネッリが弾けすぎてハーフタイムに対策され、セカンドハーフは縦のボールが入らなくなりサイドで詰まる…。後半開始から20分もシュートゼロだったアーセナルは、直近2試合の悪しきパターンにはまっていました。流れを変えたのは、ウーデゴーアの1発。動揺したセインツは、それまで抑え込んでいたトロサールを自由にしてしまいました。

サカの同点ゴール、クロスバー直撃のミドル、ネルソンのきわどいシュート、そしてラストチャンス。斜めのパスとラインの裏への浮き球という概念をチームに加えたトロサールは、ラスト10分の決定機をすべて演出した支配者でした。2700万ポンドでブライトンから獲得したストライカーは、安いお買い物だったとあらためて思います。

ドローで着地した今、やはり悔やまれるのは3つの失点です。ラムズデールの信じられないミス、ウーデゴーアのミスパスからのカウンター、ホールディングが出し抜かれたセットピース。ホームで最下位に3つも喰らうとは…という悔しさは消せませんが、メンタルのダメージを払拭した最後の猛攻は次につながるのではないでしょうか。

サリバが不在の最終ラインは不安ながら、8戦連続で複数ゴールを記録した攻撃陣は好調です。昨季プレミアリーグ王者との決戦に大いに期待し、存分に楽しみましょう。勝てば優位に立ち、負ければ自力優勝は消滅。ポイントをロストした今も、アルテタ監督と選手たちのミッションは変わりません。(マルティン・ウーデゴーア 写真著作者/Maryland GovPics)


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