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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ピッチでその技を見たい…ズラタンVSポグバの超絶動画バトルを堪能!

「Zlatan vs Pogba」。先に仕掛けたのは、2016年の夏にプレミアリーグに降臨した「神」のほうでした。NBAのロサンゼルス・レイカーズの黄色い9番を身に纏ったズラタン・イブラヒモヴィッチ。マンチェスター・ユナイテッドに入団した初年度に、プレミアリーグ28試合17ゴールという数字を残し、35歳以上の最多ゴール記録を更新したストライカーを知らないファンはいないでしょう。Instagramに動画をUPしたズラタンは、「オレのほうがうまいだろう。勝負しようぜ」とかつてのチームメイトを挑発したのです。

最初の1分40秒で、リフティングのテクニックを存分に披露した神は、残り5秒から勝負に出ました。円筒型の黒いゴミ箱を画面の中央に設置した38歳は、後ろを向いて右足でタッチしたボールを左足のかかとに当てると、逆回転がかかったボールは見事に箱の中に吸い込まれました。「オレの勝ちだ」とカメラを指差すズラタン。名指しで煽られたフランス人MFが、勝負を受けないわけがありません。

半日後、キャップとシャツ、パンツを黒で統一したポール・ポグバが自身のInstagramに登場。技を披露する時間など不要とばかりに、ワンシーンで勝負を決着させる5秒の動画をUPします。右足でボールを引き、左足のかかとに当てるところまではズラタンと同じ発想ですが、壁に当たったボールが子ども用のバスケのリングに飛び込んだ瞬間、多くのファンが勝者を決するフラッグを高々と掲げたのではないでしょうか。

It was a honor to challenge and beat the lion(ライオンに挑戦し、倒すのは名誉なことだ)」

ポグバ、堂々の勝利宣言。動画再生回数も、431万対983万とダブルスコアの快勝です。下位チームに対する取りこぼしに、何度も落胆させられてきたサポーターとしては、「プレミアリーグでその技を見せてくれ!」とツッコミを入れたくなりますが、ショートムービーを堪能した後、口を突いて出たのは、「やっぱりよかったなぁ…あの頃」というセンチメンタルな言葉でした。ジョゼ・モウリーニョの下で、神とポグバがプレイした2016-17シーズンのマンチェスター・ユナイテッドは、とにかく明るくて魅力的なチームだったのです。

絶対に忘れない、2017年のEFLカップファイナル。ズラタンのゴールで先制したマンチェスター・ユナイテッドは、ガッビアーニの2発でセインツに追いつかれながらも、ラスト3分で決勝ゴールをゲットします。アンドレ・エレーラがふわりと浮かしたボールをヘッドで叩き込んだのは、マン・オブ・ザ・マッチに輝いた9番でした。試合後のインタビューで、テンションが上がったポグバが、「クラブはこのために彼を買ったのさ」とコメントすると、冷静な神がひとこと。

「オレはフリーエージェントだ。クラブが買ったのはオマエだろ」

マンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグを制するクラブに戻れる…そう思えたのは、1ヵ月半という短い時間でした。ヨーロッパリーグ準々決勝のアンデルレヒト戦のタイムアップ直前に起こった悪夢がなければ、ズラタンもモウリーニョも、ポグバも違う足跡を残せたのではないでしょうか。右膝前十字靭帯損傷という重傷を負ったエースは、トップフォームに戻ることなく11ヵ月後に退団。リーダーを失った指揮官とプレーメイカーは、その後深刻な確執が生じていると噂されるようになり、選手たちとの溝を埋められなかった名将がチームを去ることになりました。

希望に満ちていた懐かしい時代を思い出させてくれた、最高の動画バトル。仕掛け人のズラタンに感謝しつつ、ポグバにはもう一度「プレミアリーグでその技を見せてくれ!」…そう思った瞬間、心地いい時間は弾け、一気に現実に引き戻されるのでした。「早く戻ってきてほしいのは、プレミアリーグのほうだった」と。(ズラタン・イブラヒモヴィッチ&ポール・ポグバ 写真著作者/Ardfern)


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