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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×Saints】 セインツ惜敗!あと4分…やはり最後はガレス・ベイル

吉田麻也、サウサンプトン入団後、初めての欠場。第4節、1-6と惨敗したアーセナル戦の前半に交代で入ってから、ずっとCBの座を守り続けてきましたが、練習中に打撲があり、大事をとってベンチスタートとなったようです。プレミアリーグ36節、トッテナムVSサウサンプトンは、CL出場権獲得のために絶対に勝たなくてはいけないホームチーム・トッテナムが、久しぶりのCBコンビで戦うセインツを1-0で下しました。ゲーム全体で見れば、ほぼ互角。決定機の数はむしろセインツのほうが多いくらいでしたが、残り4分、ここまで影が薄く、完全に抑え込まれていたガレス・ベイルの左足が一閃。悪魔の飛び道具が火を噴き、トッテナムが貴重な勝ち点3を手に入れました。

前半、最初の決定機はセインツ。10分に右SBクラインがトッテナム守備陣の裏に走り込み、浮き球のスルーパスをフリーでシュートしますが、ボールはわずかにゴール左にそれていきます。ケガを抱えていたデンベレが36分にアウトとなり、ホルトビーへの交代を余儀なくされたトッテナムは、中盤を制することができません。その直後、ゴール正面で得たFKを蹴るのはエース、リッキー・リー・ランバート。右隅を狙ったシュートは絶妙なコースで枠に飛んでいきますが、トッテナムGKロリスが左手の指先に当て、ボールは惜しくもポストへ。速攻でチャンスを作っていくセインツに対し、トッテナムはこれといった決定機を作ることができず、前半を0-0で折り返します。

後半に入っても状況は変わりません。押しているのはセインツ。中央からカウンター気味に相手の裏を突く攻撃を得意とするアウェイチームですが、この日はサイドからの突破でチャンスを重ねます。再三CKを得て、リッキー・リー・ランバートやロドリゲスがゴールを脅かしますが、ラストパスに工夫がなく、シュートが枠に飛びません。このままだと勝ち点3奪取が難しいトッテナムは、60分に復調気配を見せていたレノンを下げ、アデバヨールを投入。72分にはデンプシーをシグルスソンに代えるなど、積極的にカードを切りますが、状況を打開できません。

吉田麻也不在の穴を埋めるフォンテとホーイフェルトのCBコンビは、悪くなかったと思います。ハードマーカーのホーイフェルトがゴール前に侵入してくる相手FWを厳しくチェック。カバーリングに長けたフォンテが危険なエリアを察知し、シュートを打たせません。ときどき内に絞るのを怠り、フリーの選手を作ってしまう右SBクラインもセーフティに守っています。左のルーク・ショーは攻撃のいいアクセントとなり、自分のエリアでベイルやデフォーを自由にさせません。70分過ぎから攻勢を強めるトッテナムは、ボールは支配しながらもいいシュートを打つに至らず、ただ時間が過ぎていきます。これは両者、勝ち点1ずつで終わりそう。そうなるとトッテナムは4位奪回が絶望的になります。

86分、右サイドでボールを受けたのは、ここまで完全に抑えられ、鳴りを潜めていた11番、ガレス・ベイルでした。まだ本調子ではないのでしょう。縦への早いドリブルが見られず、味方からいいボールをもらえる位置に走り込めていません。このときも、ドリブルで中央に向かっていくものの、真横に進んでいくだけでセインツの中央を突破する気配はありません。期待感はさほどなかったのですが…。

中央でコースが一瞬空くと、ベイルは強引にシュート!真横にドリブルしながら、よくそんなシュートが打てるな…と誰もが驚く強シュートは、シュート回転でゴール左隅に逃げていくやっかいな弾道。シュートを打つタイミングも普通の選手よりワンテンポ早く、GKボルツもこのタイミングでは打てないだろうと読んでいたのでしょう。すべてが破格。最後の最後に繰り出してきた渾身の一発。これだから、ベイルは怖い。イングランドサッカー選手協会(PFA)最優秀選手という、ライバルの選手たちが選ぶMVP受賞はダテじゃありません。このゴールで、セインツは完全に沈黙。ポチェッティーノ監督が「残酷な敗戦」と評した通り、判定勝ちがあれば、セインツに勝ち点が与えられていたでしょう。しかし結果は1-0。トッテナムが辛くも勝ち点3を奪ったのです。

トッテナム、この1勝は大きいですね。しかし、水曜日のチェルシー戦に敗れれば、アーセナルの勝ち点を下回り、残り2戦を勝ちきられると来季、ELに回ることが決まってしまいます。今は、チェルシーとの決戦にエントリーする資格を得たのみ。勝負はミッドウィークです。負けられないトッテナムですが、短期間で機能していない攻撃を立て直すことができるのでしょうか。最終決着まで、3試合を残すのみとなりました。

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