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【Chelsea×West Ham】ウエストハムのベタ引きでスコアレスドロー。モウリーニョ、予想通りの激怒!

プレミアリーグは少ないほうだと思いますが、サッカーにはときどき、こういうゲームがあります。シュート数38対1、ボールポゼッション72:28。2011-12シーズンのチャンピオンズリーグ、チェルシーとバルセロナの対決を思い出させるようなハーフコートマッチ。ウエストハムを弁護すれば、試合が始まってからしばらくはキャロルは決める気満々で、11分のトムキンスの惜しいヘッドもあり、それなりに攻めようとしていたのだと思います。しかし、ゲームが進むにつれて両者の力の差は歴然とし、ウエストハムが自陣にこもり始めます。後半の彼らのチャンスは、59分にゴール右でキャロルが空振りしたシーンぐらい。自陣で耐えて耐えて、GKアドリアンを筆頭にDF陣が体を張って踏ん張って、プレミアリーグ18位のウエストハムが望みどおりのスコアレスドローに持ち込みました。いやあ、怒ってましたね、試合後のモウリーニョ監督。ピッチ外での追加タイムの「口撃」も予想通りですが、「これはサッカーじゃない」と憤っても後の祭りです。

8分にさっそく、ウィリアンのパスを受けたオスカルのシュートがバーを叩き、44分にはテリーが強烈なヘッド。前半終了間際にもオスカル、エトーがシュートを連発。入ってもおかしくないシーンを創れていたものの、最後の最後でGKアドリアンとバー、ポストがチェルシーの先制を阻みます。トップにエトー、オフェンシブにアザール、ウィリアン、オスカルを並べ、センターにミケルとラミレスが入ったチェルシーでしたが、強いていえば、前半の彼らはラミレスが今ひとつで、押し上げや効果的なフィードが足りなかったかもしれません。崩す形がなかなか作れず、フィニッシュのほとんどがミドルシュートでした。

後半に入ると、さらにチェルシーのワンサイドゲームの色が濃くなります。56分にラミレスの右足シュートが外れ、60分を過ぎるとしびれを切らしたモウリーニョ監督がランパードとマティッチを投入。ラスト30数分の間に、ランパードひとりで何本ミドルを打ったのか、というくらいの猛攻でしたが、ペナルティエリア内にDFを集めたウエストハムは、ことごとくシュートを足に当て、チェルシーサポーターのため息を誘います。

81分にはオスカルを諦め、デンバ・バ。前の枚数を増やしたことでラストパスの選択肢は広がったものの、中央にクロスを放り込んでもゴールにつながる気がしません。そうなると渋滞のゴール前を避け、外からシュートを浴びせる形がどうしても多くなりますが、残念ながらこの日はGKアドリアンが大当たり。これはというシュートも、ビッグセーブで外に掻き出されます。

90分を過ぎ、6分あった追加タイムだけでも、イヴァノヴィッチ、ランパード2発、アザールと決定的なシュートがありましたが、どうしても入らず。こういったゲームは、評価が難しいですね。後付けで「ここが今ひとつだった」と指摘することはいくらでもできそうで…。こういってしまうと身もフタもありませんが、「今日はチェルシーに運がなかった」というのが正直な感想です。前述のラミレスは気になったものの、ランパードが入ってからは、中盤のプレッシャーと攻め上がりは迫力ありましたから。

試合後、モウリーニョ監督は、「今日の試合はプレミアリーグではない。世界最高のリーグの戦いではなかった。19世紀のサッカーだ(当時のほうが攻撃的だったのでは?というツッコミはさておき)。片方のチームだけがプレイしようとしていると、サッカーとして成立させるのはとても難しい」と怒ってました。プレミアリーグにはベタ引きする文化があまりないので、いいたくなる気持ちはわかります。が、しかし。DFに優秀な人材が多く、上位と下位の実力差が激しいラテンのリーグでは日常茶飯事ですよね?現在プレミアリーグにいる監督で、それをいちばんよく知ってるのはアナタじゃないですか、今さら怒らなくても…とも思いました。

彼の怒りの矛先は、アラダイス監督とウエストハムDF陣には向かっていなかったのかもしれません。ひとつは点を奪えなかった自分たち、そしてもうひとつは、これから当たるプレミアリーグ下位クラブ。「もうこんなサッカーはやりたくないから、よろしくね。サポーターはサッカーが観たいんだよ」とでもいいたかったのでしょう。オッケー、モウリーニョさん。来週の月曜日にマンチェスター・シティに快勝して、ここで失った勝ち点はなかったことにしましょうよ。まさかエティハドで、オスカルやアザールをベンチに下げて「エトー以外は全員、ペナルティエリアに引け」などといいませんよね?

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“【Chelsea×West Ham】ウエストハムのベタ引きでスコアレスドロー。モウリーニョ、予想通りの激怒!” への4件のフィードバック

  1. スパーズ推し より:

    マドリー時代、バルサ相手にガン引き戦法使ったのは、どこの誰ですか?
    と、突っ込みたくなってしまいますね(笑)
    まぁ、それがモウリーニョ節な訳ですから嫌いじゃありませんが^^;

    もはや"処刑場"と化した感もあるエティハドですが、
    チェルシーが今のシティと、"エティハドで"ガチンコでやり合う、という絵はかなり想像しにくいです^^;

    ラミレスにはバイタルを空けるシーンが散見されますし
    そんなことをエティハドでやらかしたらどうなるか、なんて火を見るよりも明らか
    (この点はセレソンでラミレスがスタメン起用されない理由だと考えています)

    モウのチョイスに有るかどうかは分かりませんが、マティッチミケルでバイタルを封鎖
    アザール、ウィリアン、トーレスのカウンターで1点もぎ取り、
    エティハドで初のクリーンシートを達成する
    以外に勝ち筋が見えませんw
    少なくとも先制されたらアウトです

    書いてて思ったんですが
    チェルシーのボランチコンビって、どう組み合わせても

    フェルナントゥーレに敵う気がしないww

    カップとリーグのエティハドでマンCがチェルシー殺戮、なんてことになっても驚きはありません

    シティの不安要素は、アグエロのケガですね
    チェルシー戦には間に合わないでしょうから
    ヨベティッチが3000万の価値を見せられるか
    これはかなり重要になってくると思います
    もし、彼が期待通りの活躍を見せたなら
    ヨベティッチを期待外れの移籍とした方々は謝らなければなりません

    …………僕な訳ですがwwww
    (彼が勝利に貢献したら土下座しますw)

    逆に、モウリーニョはその手腕の見せ所
    目下絶好調のシティに、ホームで初黒星をつけられるか
    ある意味プレミア全チームの無念を背負って戦うことになりそうですw

    試合までに練習中の負傷、とかあると話は別ですが
    僕の予想は
    今までのように圧倒、とはいかないまでも
    シティがスタンフォードブリッジでの借りを返す
    3-1でシティ勝利、と予想しておきます(笑)(逆フラグ臭満載ですねww)

    この一戦は今季のプレミアリーグを大きく左右する重要な試合なので
    注目していきたいと思います

  2. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    ウエストハムの守備陣もよく守ってましたが、ホームでこの結果は失望です
    ウエストハムの戦い方については何も言うことはありません
    点を取れない方が悪いですからね
    エリア内にだいぶいたので崩すのは難しいですがミドルばっかじゃなくてもう少し緩急を付けてもらいたかったですね

    試合前にラミレス&ミケルのコンビだと引く相手には効果的なパスが出せないので手詰まりになるかなと思ってましたが案の定そうなりました(^^;
    頭からランプスかマティッチ使うべきでしたね

    あとチェルシーの悪い癖でいつでも点は取れると思ってるのか知らないですが、ギアを上げるのが遅いです
    元々スロースターターですけど何故か相手に先制されるか後半のそこそこ時間過ぎてからしかスイッチが入らない時があるんですよね

    僕もモウさんその発言を聞いたとき自分達も似てるような事してるからあまり大きい声で言えないでしょと思いましたが、一応モウリーニョを擁護させてもらいます(笑)

    今季だとアーセナル戦なんか守備的だ、引き分け狙いだと言われてますが一概にそうは言えないと思うんですよね
    ボールを保持するのが上手いチームに対しては前で奪えないからいつもより奪う位置を下げてるだけ、攻撃に関してもカウンターで幾度となくチャンスを作っていたわけですしそれをひとまとめに守備的だというのはどうなんでしょう

    モウリーニョ側からするとプラン通りに奪ってプラン通りに攻めてるだけなんですけどね
    もちろん点をやらない守備でもありますが、同時に攻撃の(カウンター)ための守備でもありますよね

    そもそもポゼッション&ハイプレス=攻撃的、引いてカウンター=守備的っていうのが理解できませんね
    むしろ引いてカウンターでもチャンスをたくさん作っていれば攻撃的とも言えるんじゃないでしょうか?

    まあバリバリのモウ信者&チェルシーサポなので説得力はありませんが(笑)

  3. makoto より:

    私はチェルシー推しです。ズバリ、

    マンチェスター・シティ0-2チェルシー

    と予想します。マンチェスター・シティのどうにも緩いDFラインはチェルシーを完封できず、逆にチェルシーが本気で真ん中を締めたら、マン・シティはダヴィド・シルヴァを封殺されると読みます。アグエロ不在で、既に迫力20%オフ。四天王の一端を欠いた今が絶好のチャンスです。

  4. makoto より:

    チェルシーさん>
    そうですね。エンジンのかかりが遅かったゆえに、ウエストハムのベタ引きを誘発してしまった、という面はあったかもしれません。私はそもそも、「守備的が悪い」という感覚すらなく、弱者が強者から勝ち点を得るための手段はそれしかないでしょう、と思っているくらいです。

    「ボールを奪う位置を下げる=守備的」という表現は、サッカーをわかりやすく会話するための方便としてなら「あり」、じゃないですかね。そこに「消極的、悪」というニュアンスさえ持ち込まなければ、ですが。アーセナル戦でのチェルシーはあっぱれのひとことで、あのチーム相手に中央を空けないのは必然の戦術です。リスペクトすることはあっても、非難する理由はどこにもないでしょう。

    ウエストハムも、ラスト30分は「やむなし」でしょう。あそこまで引くのは極端だし、率直にいって、まったくおもしろくありませんが、どうにもこうにも攻められない状況ならなおさら、「ファンの興奮よりも勝ち点1」です。チェルシーは、ミドルを決めなければいけなかった。それだけですね…。

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