イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Leicester×Chelsea】レッズができなかった戦術の徹底で、チェルシーは3ゴール完勝!

レスターは、ただいまプレミアリーグ4連勝中。ずっと定位置だった最下位から脱出し、サンダーランドを捲って17位にジャンプアップしています。カスパー・シュマイケルがゴールマウスに復帰して守備が安定し、ウジョア、バーディ、カンビアッソらの攻撃陣が好調。この試合と次のクリスタル・パレス戦でプレミアリーグ優勝を決めてしまいたいチェルシーにとって、やっかいな相手であることは間違いありません。クルトワの軽いケガでGKにはチェフが入り、ラミレスがスタメン、オスカルはベンチ。トップにはアーセナル戦に続いてドログバを起用したチェルシーですが、序盤はどちらが首位かわからない展開。11分、カンビアッソの絶妙なパスからウジョアが抜け出しかけ、キングパワースタジアムに集まったホームサポーターを湧かせます。

15分を過ぎると、徐々にペースはチェルシー。レスターにとって痛かったのは、30分も経たないうちに2人も負傷退場を出してしまったことでした。19分のキングはジェームズが代わりを務められるものの、23分にピッチを去ったCBフートは激痛。3バックの右にはデラートが入りましたが、レスターはベンチに本職のDFがいなくなってしまいました。29分、右のウィリアンからアザールへパスがつながり、シュートを打ちきれなかったアザールが後ろに戻すと、ラミレス、ウィリアンときれいに展開して最後はドログバの右足。余裕が感じられるチェルシーの攻撃に対して、レスターはついていくのが精一杯です。

38分、レスターのドリンクウォーターが思い切りのいいミドルシュート。ホームチームにチャンスがあるとすれば、ミドルシュートとロングクロスの競り合いからのこぼれ球。いずれも、キーマンは正確なボールを出せるカンビアッソでしょう。41分、右からのクロスをコンチェスキがボレー。ぎりぎりでチェフが弾いたボールをコンチェスキが拾うと、クロスは中に合わずテリーがクリア。このボールをもう一度展開したレスターは、ウジョアの落としからカンビアッソ、ジェームズとつないで強烈なシュートを放つも、ゴール前に壁を作ったチェルシー守備陣がブロックします。惜しかった、レスター。前半はこのまま終わるかと思われましたが、追加タイムに事件は起こります。

ハーフラインを越えたあたりからの縦パスで左サイドのバーディーが抜け出すと、虚を突かれたチェルシーCBの戻りが遅れます。中央に走り込んだウジョアとアルブライトンに対し、対応するのはアスピリクエタのみ。堅実な守備が売りのSBも、ウジョアにグラウンダーをスルーされてはなす術がありません。ファーにいたアルブライトンが落ち着いてクロスに決めて、何と何とレスター先制。マンチェスター・ユナイテッドもアーセナルもなしえなかった首位相手のゴールを、降格候補がやってのけました。残り45分、レスターはリードを守り切ってプレミアリーグ5連勝を決めることができるでしょうか。

後半が始まり、ホームチームのリードは3分も持ちませんでした。48分、右サイドでウィリアンとパス交換をしたアザールは、走り込んだイヴァノヴィッチにぴったりの浮き球パス。右をえぐったイヴァノヴィッチのグラウンダーを受けたニアのドログバが、きれいなボレーを左隅に流し込みます。同点に追いついて勢いに乗ったチェルシーは、直後にドログバが中央でフリーになってシュートを放つも、ミスキックはバーの上。52分、右サイドから突破したウィリアンは、逆サイドからゴール前に現れたセスクに完璧なクロスを通しますが、足が合わなかったセスクが膝に当ててしまい、逆転ゴールはなりません。

63分、セスクのパスに右から走り込み、DF2人をかわしたドログバがポストすれすれのシュートを放つと、その2分後にはウィリアンが右足で巻いたミドルシュート。ゲームの興味は、チェルシーが勝ち切れるかどうかにシフトしています。レスターの攻撃には厚みがなく、希望がないミドルのみ。セスクやウィリアンが展開するチェルシーの鋭い速攻は何度も右サイドを崩し、イヴァノヴィッチの危険なクロスにレスターはぎりぎりの対応を迫られます。

77分、レスター最後のカードは、好調バーディーをマレズ。その直後でした。左からのCKをヘッドで叩いたのはケーヒル。シュマイケルが弾いたボールを押し込んだのはテリー!チェルシーのDF陣は、守るだけでなくここぞという場面でゴールを奪います。1-2となり、レスターは切れてしまったようです。83分、セスクに簡単に右サイドを破られ、とどめはラミレスのボレー。ひとたびリードを奪うと、ゲームを殺すべくズマ、クアドラード、ミケルを入れるのがモウリーニョ監督の最新の方程式です。チェルシーが1-3でレスターを下し、プレミアリーグ優勝に王手をかけました。

モウリーニョ監督のチームが最後に先制点を奪われたのは、年末のセインツ戦。2015年になって初めての0-1に、ジャイアントキリングを期待したのですが、終わってみれば2月以降初めてとなる2点差以上の完勝でした。一部のアーセナルサポーターには退屈といわれておりましたが、相手の弱点である右サイドを徹底的に突いた後半の猛攻は、同じ0-1だった昨日のリヴァプールができなかった理詰めの攻略。アザールのドリブルが止められるなら、人数をかけて崩そうじゃないかという戦術的なサッカーは、スリリングでおもしろかったです。トッテナム戦以降、プレミアリーグで14試合負けなしなら優勝は当然。素晴らしいのひとことです。(セスク・ファブレガス 写真著作者/Ultraslansi)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す