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【MAN.CITY×Sunderland】ペップ、危険な船出。ラスト3分のオウンゴールで降格候補に辛勝!

負けるとまでは思わなかったものの、簡単には勝たせてもらえず、ドロー決着はあるとみていました。プレミアリーグ2016-17シーズン開幕節、エティハド・スタジアムのマンチェスター・シティVSサンダーランド。GKカバジェロとCBコラロフはペップ監督にとって自信の起用ではなく、消去法に近いオーダーでしょう。一方で、ダヴィド・シルヴァをフェルナンジーニョと並べてセントラルに置き、ノリート、デブライネ、スターリングを2列めとした攻撃陣は魅力的です。4750万ポンドで獲得したジョン・ストーンズはいきなりスタメン。コラロフとの急造コンビは、デフォー、ボリーニ、ワトモアといったサンダーランドの危険なアタッカーを抑えきれるでしょうか。モイーズ監督は、新戦力起用をドナルド・ラブだけにとどめ、ジロポジ、マクネア、ヤヌザイはベンチ。ハズリを出さずにオシェイとロドウェルを中盤真ん中に置いたのは、プレミアリーグ優勝候補筆頭に対して守備重視を明確にした布陣なのでしょう。

2分、最初のチャンスはサンダーランド。ファン・アーンホルトのFKは、壁に当たってゴール左隅を襲いますが、コースの変化に慌てることなく弾いたカバジェロは冷静でした。マンチェスター・シティが先制したのは4分です。右サイドから突破を図り、切り返してラストパスを入れようとしたスターリングをファン・アーンホルトが引っかけてしまい、PK。アグエロは落ち着いて左隅に蹴り込み、あっという間の1-0です。

サンダーランドが早い時間に追加点を奪われれば、大量失点もあったかもしれません。しかし、マンチェスター・シティはフィニッシュを枠におさめられませんでした。18分にはダヴィド・シルヴァとの連携でノリートが左サイドを突破。浮き球のパスを受けたアグエロがスターリングに落とすと、左足シュートはうまく曲がらずポストの外に逸れていきます。マン・シティが昨季といちばん変わったのは、攻撃時のポジショニングではないでしょうか。ノリート、アグエロ、スターリング、ダヴィド・シルヴァ、デブライネが同じ距離感でゴール前に入るシーンが多く、フィニッシュへの道筋は多彩です。24分にはダヴィド・シルヴァが左に流したボールをノリートが中に持ち込み、思い切りのいいシュート。36分にはフリーのデブライネが強烈なミドル。いずれも枠を捉えなかったものの、次のゴールはホームチームが決めるものとばかり思っていました。

ところが、前半終了間際にサンダーランドが逆襲に入ります。40分に中央からドリブルで上がったロドウェルのミドルは、DFに当たってCK。1分後の混戦は決定的でした。ワトモアがゴール前に上げたボールが競り合いとなり、自ら放ったシュートのこぼれ球をドナルド・ラブが前に送ると、アウトサイドで巧みに合わせたデフォーの一撃は、カバジェロが詰めてビッグセーブ!前半は1-0のまま終わりましたが、守備が堅牢とはいえないマン・シティが、最少得点差のまま受けにまわるのは危険です。

ホームチームは、後半もイニシアティブを取りながらもゴールは決まりません。48分、ノリートの縦パスで左から抜けたデブライネの高速クロスはアグエロに合わず。ペップ監督のプレミアリーグデビュー戦最初の交代カードは59分、ノリートをヘスス・ナバスでした。直後、スターリングの突破からDFのミスを拾ったアグエロがシュートを放つと、わずかにポストの脇。64分にはビハインドを背負っているモイーズ監督が動き、ハズリとヤヌザイのダブル投入です。67分、デブライネの素晴らしいFKがGKマンノーネを襲いますが、かろうじて手に当たったボールがポストを叩いてフィールドに戻り、1-0は変わらず。70分になり、ようやくゴールを決めたのは、何とサンダーランドでした。

右からのパスがボリーニにつながり、上がってきたロドウェルに通ると、チェックにいったジョン・ストーンズの股間を通すスルーパスがデフォーへ。サニャとコラロフの対応は遅れ、フリーになった18番は労せず左足でカバジェロの足元を抜きます。昨季プレミアリーグで15ゴールを叩き込んだエースを、ゴールの真ん前でノーマークにしてはいけません。ベンチで顔を曇らせ、水分を補給するペップ監督。昨季ぎりぎりで降格を免れたチームとのホームゲームで、残り5分を過ぎてもイーブンなどということは、ブンデスリーガではほとんどなかったでしょう。しかし87分、マンチェスター・シティが幸運も味方につけ、決勝ゴールを奪いました。ヘスス・ナバスが右から出した高速クロスを、途中出場のイヘアナチョとニアで競ったマンノーネはストップできず、浮いたボールがパディ・マクネアの頭に当たってゴールに飛び込んでしまいました。痛恨のオウンゴールの後、ゲームは動かず2-1でタイムアップ。ペップ・シティの初陣をひとことで形容するなら「辛勝」です。

よかったのは、新加入のノリートが臆せずプレイしていたことと、ゴール前に厚みを持たせる攻撃スタイルが形になりつつあること。とはいえ、プレスやサイドの崩し方にペップらしさは垣間見えるものの、まだまだアグエロやデブライネ、ダヴィド・シルヴァらの個人力担保ではあります。懸念はCBの連携でしょうか。失点シーンは、上がったストーンズのポジションをコラロフがカバーしきれておらず、不利な状況から一発でカットしにいったストーンズのプレイは無謀でした。次節はブリタニアのストーク戦。シャキリ、アルナウトヴィッチ、ボージャン・クルキッチ、イムブラが揃うチームに対して、今日と同様に中盤のチェックの緩さと連携のぎこちなさを露呈すれば、勝ち点3は難しいのではないかと思います。

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“【MAN.CITY×Sunderland】ペップ、危険な船出。ラスト3分のオウンゴールで降格候補に辛勝!” への5件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    レスターやスパーズが勝てなかったので勝てて良かったです
    まだまだ完成度は低いですが時間が解決してくれるでしょう
    ハートがベンチは驚きは少ないものの残念ですね
    ストーンズは加入したばかりにしては落ち着いてて良かったかなと思います

  2. Macki より:

    まだまだ課題は多いと思いますが勝ち点3を取れたのは良かった
    次は昨シーズンぼこぼこにされたアウェーのストーク戦なのでちょっと怖いです

    —–
    更新ご苦労様です。
    名将ペップといえどもプレミアリーグ初戦は苦戦でしたね。ハートがベンチはペップなら外すでしょうね。イングランド代表GKがベンチはやや残念ですが。しかし2列目の攻撃が分厚すぎて魅力的ですね。CB問題は継続中ですね。辛勝でもレスターとスパーズの結果を見ると勝利は大きいですね。

  3. だしまる より:

    シルバがセントラルはハマればとても怖い。彼がボールと時間をコントロールする役割を担うのでしょうか。テクニック・戦術眼とも優れていますから、シティのサッカーは、大きく変わりそうですね。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    ペップは左のCBに左利きの選手を置くことが多いですがコンパニが帰ってきたらどうなるのか気になりますね。

  5. makoto より:

    シティふぁんさん>
    ジョー・ハートはチームを離れるかもしれませんね。ジョン・ストーンズが安定した守備を披露してくれれば、CLで昨季と同等、あるいはそれ以上にいける可能性が高まります。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    次戦、やっかいですね。早い時間にコンビネーションでゴールを奪えればラクになれるのではないでしょうか。

    Mackiさん>
    デブライネ、ノリート、ダヴィド・シルヴァ、スターリングはなかなかの迫力ですね。

    だしまるさん>
    前に出たり下がったり、自在性のあるプレイを見せてました。こなれてくると、相当強くなりそうです。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    そうですね。それもあってのコラロフCBトライアルだったのでしょうね。

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