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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Watford】終盤、あわや同点…連敗を止める2-0勝利もペップは不満!?

プレミアリーグ6連勝、公式戦10連勝。ロケットスタートを決めたペップがつまずいたのは、チャンピオンズリーググループステージ2節のセルティック戦でした。集中力を欠いた守備で3-3のドローに終わったマン・シティは、直後のプレミアリーグでトッテナムに2-0完敗。連勝が止まった後の16試合を5勝6分5敗と苦しんでいます。10連勝中は得点30、失点はわずか6。その後の16試合は得点22と1試合あたりのゴール数は半分以下となり、失点も22と急増しました。序盤戦はジョン・ストーンズとオタメンディを中心とした4バックを基本として、現在よりもレギュラーは固定傾向。厳しいプレスからのショートカウンターでゴールを奪った後、自陣に引いてカウンター狙いという勝ちパターンがあったのですが、さまざまなフォーメーションと配置を試すようになってから、攻守ともに綻びが目立ち始めています。

ペップにしてみれば、状況に応じて戦い方を変えられるチームを完成させるためには、いずれ通らなければならない道なのでしょう。「勝ち続けながら変わる」ことの難しさに直面したチームは、プレミアリーグ4位にまで順位を下げています。ミッドウィークの相手は、7位につけているワトフォード。イガロ、ディーニー、カプェ、ロベルト・ペレイラが繰り出す速攻が要注意のチームですが、負ければチェルシーの背中が見えなくなるゲームを落とすわけにはいきません。アグエロとフェルナンジーニョを出場停止で欠くチームは、ノリートをトップに置き、左右にスターリングとデブライネ、中盤にはヤヤ・トゥレ、ギュンドアン、ダヴィド・シルヴァという攻撃的な布陣です。立ち上がりからアグレッシブに攻めるホームチームは、7分にデブライネの巧みなスルーで右のスターリングがフリーとなり、リターンをもらったデブライネがニアに強烈なボレー。GKゴメスにセーブされますが、いきなり2発喰らったレスター戦とは打って変わって上々の出足です。

ワトフォードは、主将のディーニーがベンチスタート。今季は2ゴールと芳しくないイガロは、単独突破を簡単に止められます。マン・シティは、アンカーに入ったヤヤ・トゥレが攻守のバランスをうまく取っており、サバレタとスターリングが右、ダヴィド・シルヴァは左が主戦場。さまざまなスペースに顔を出すのはノリートとデブライネだけです。こういうと、ペップのサッカーらしい流動性を欠いたように感じられるかもしれませんが、役割と動き方がわかりやすいからか、選手たちの動きはスムーズです。22分、デブライネがアウトにかけた縦パスでノリートが飛び出し、ゴメスと1対1となりますが、あまりにも角度がなさすぎてGKが足でクリア。0-0ながら、ポゼッションは圧倒的にマン・シティです。

足を痛めたロベルト・ペレイラが30分にスニガに代わり、ホームチームの脅威がひとつ減りました。クロスに緩急をつけるなど、工夫はあったもののフィニッシュに持ち込めていなかったマン・シティは、33分に今季プレミアリーグアシスト王の素晴らしいクロスで先制しました。ドリブルでボックス左を突破したデブライネがファーに浮かしたボールは、フリーのサバレタの足元にぴったり。攻撃的な右SBが難なくニアに押し込み、ワトフォードは攻めなければならなくなりました。36分、今度はギュンドアンが足を痛め、前半が終わる前にピッチを去ることを余儀なくされます。フェルナンドが登場して間もなく、前半が終了。デブライネとヤヤ・トゥレのミドルは決まらず、最少得点差ではあるものの、空席が目立つエティハドのサポーターにとっては納得の45分だったのではないでしょうか。ワトフォードのポゼッションは34%、シュートはわずか2本です。

49分、右からニアに高速グラウンダー。直後にスターリングをゴールラインまで走らせる鋭い縦パス。デブライネは別世界です。最初のアイドルがミシェル・プラティニとブライアン・ロブソンだった私は、両者のテイストを纏うプレミアリーグ屈指のプレーメイカーを観るためだけに、エティハドのチケット代を払ってもいいとさえ思います。57分、ブリトスをスピードでちぎったスターリングが中に持ち込み左足でシュート。強すぎた一撃はクロスバーの上を叩き、勝負を決められませんでした。

スターリングの速さばかりが目立つゲーム。ささやくようなチャントしか聞こえてこない静かなエティハド。マンチェスター・シティには、危険なシーンも盛り上がるシーンもありません。60分にヤンマートをアイザック・サクセス、72分にはディーニーを投入したマッツァーリ監督は、何とかして勝ち点1を持ち帰りたいでしょう。76分、左からのFKをブリトスがヘッドで競ると、ルーズボールを右足で叩いたカプェの一ボレーは決定的でしたが、ブラボが冷静にセーブして1-0は変わりません。82分にスターリングを弾き飛ばして突進したアムラバトのアーリークロスは、昨季までのイガロなら枠におさめていたでしょう。ボレーはバーを越え、2度の決定機を逃したワトフォードは、86分に2点めを奪われてしまいます。

ハーフライン付近でボールを奪取したマンチェスター・シティが一気に4対2の形に持ち込むと、スターリングにパスを出したダヴィド・シルヴァが、リターンをもらって文句なしのボレー。チェルシー戦、レスター戦とプレミアリーグでは連敗中だったホームチームが、10月末のWBA戦以来のクリーンシートで勝ち点3をゲットしました。最後のシュートカウンターは狙い通りで、2-0は一見文句なしのスコアですが、ペップ・グアルディオラはゲーム内容には納得していないでしょう。前半はよかったものの、後半途中から全体が間延びし始め、終盤は相手のミスに助けられました。ボールを奪われた後に即座に奪いにいくシーンが少なかったのも、ペップのチームらしくありません。変幻自在のドイツ王者を率いていた指揮官は、試合の展開に応じて戦い方を変えられるチームを創るべく、次戦もスタメンをいじってくるのではないでしょうか。たとえ、相手がアーゼナルだったとしても。

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