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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Bournemouth】ウェルベック&ラカゼットで3発!アーセナルは次につながる快勝!

プレミアリーグ2017-18シーズンも、アーセナルは冴えないスタートとなりました。開幕節のレスター戦は、いきなりラカゼットのプレミアリーグデビューゴールで先制しながら、すぐに岡崎慎司に同点にされて4-3の辛勝。ストークとのアウェイゲームはカウンターからヘセ・ロドリゲスに唯一のゴールを喰らって1-0と沈黙し、リヴァプール戦は4-0というショッキングなスコアで惨敗しました。SBの選手を中に寄せてでも3バックを貫くのか…おお、GKチェフの前にはベジェリン、ムスタフィ、コシールニー、モンレアルの4枚です。ジャカとラムジーの前にはエジル、コラシナツ、ウェルベック。トップにはラカゼットが復帰しています。

3連敗スタートとなったボーンマスは、エミレーツでのゲームだからといって簡単に負けるわけにはいきません。しかし6分、アーセナルがあっさり先制します。ラムジーとのコンビで左サイドを突破したコラシナツが柔らかいクロスを入れると、やや後ろに出たボールをウェルバックが肩に当ててゴールにねじ込みました。コラシナツの積極的な仕掛けが目立つガナーズのアタック。12分には強引なドリブルをカットされますが、こぼれ球を拾ったジャカのミドルシュートがベゴヴィッチのゴールマウスを襲い、ボスニア・ヘルツェゴビナ人GKは右に飛んでCKに逃れます。

15分のガナーズの攻撃は、彼らが好調のときに見られるダイレクトパスを連発する中央突破。ファールで止められ、エジルのFKが左隅に飛びますが、ベゴヴィッチがこれも弾いて追加点を許しません。2分後、ボックス左に流れたエジルがラカゼットにつなぎ、中央に流したボールを叩いたジャカの一撃はクロスバーの上。ヴェンゲル監督のチームは、前節のレッズ戦が嘘のように余裕を持ってゲームを支配しています。ナタン・アケを中央に据えたボーンマスの3バックは適切な布陣なのでしょうか。サイドのスペースを使われているアウェイチームは、1失点で済みそうにありません。

27分、エジルの長い縦パスをウェルベックがワンタッチで落とすと、前が空いていたラカゼットが思い切りのいいミドルシュート。右隅に飛んだ速いボールにベゴヴィッチは触れず、新しいエースはプレミアリーグ2ゴールめです。エジルのパスをインターセプトしようとしたナタン・アケは、前に出たら確実に触らなければなりません。37分、ウェルベックがべゴヴィッチのキックに絡んで足に当てると、こぼれ球に走り寄ったラカゼットが右足でプッシュしますが、足元にスライディングしたGKが間に合って何とか手に当てました。エジル、ラムジー、ベジェリンとつながった41分の美しい攻撃は、右からのクロスをコラシナツがボレーで狙うもダニエルズが必死にクリアします。前半は2-0、勝負は決まりでしょう。38分にライアン・フレイザーをジョーダン・アイブ、ハーフタイムにはタイロン・ミングスをサイモン・フランシスと早期に2枚を代えたエディ・ハウ監督は、「戦い方を間違えました」と宣言しているようなものです。

48分、ジョーダン・アイブのクロスをヘディングで叩いたデフォーは、ポストにヒットしたボールをさらにボレーで狙いますが、2発めも左に外れてしまいます。2分後、ボーンマスを完全に諦めさせる3点めが決まりました。ラカゼットとラムジーが敵陣で奪ったショートカウンター。ラムジーが中央から上がって左のウェルベックに丁寧なラストパスを通すと、クロスに打ったウェルベックのシュートはベゴヴィッチの手の先を抜けていきました。56分にはベジェリンがふわりと浮かした縦パスをエジルが右足ボレー。今日の11番は、持てる才能を存分に発揮しています。

60分、右から完全に突破したウェルベックがループシュートを放つと、惜しくも右に逸れてハットトリックはなりません。70分、ジャカのスルーパスでエジルがボックス右を破り、中に流したボールをコクランがダイレクトで狙うもナタン・アケが左足に当ててCKに逃れます。このシーンも、敵陣でのジャカのインターセプト。ボーンマスの不安定なビルドアップは、相当深刻な課題です。ヴェンゲル監督は、67分にラムジーをコクランに代えると、残り15分を過ぎたところでウェルベックとラカゼットを下げてアレクシス・サンチェスとジルーを投入します。80分、中に切り込んだアレクシス・サンチェスが左にスイッチしたジルーに素晴らしいラストパスを通しますが、ストライカーのシュートはべゴヴィッチがセーブ。コクランの負傷で10人での戦いを強いられたのが唯一のアクシデントだったガナーズが、3-0でプレミアリーグ2勝めを飾りました。

連敗直後の試合を3ゴールで快勝したことは、素直に喜んでいいと思います。今までは消える時間が長かったラカゼットが、崩しのプロセスにより関与してきたことで、指揮官の信頼は高まったでしょう。コラシナツは既にチームのキーマン。エジル、ラムジー、ジャカは気持ちよくプレイできていました。ベジェリンは、やはり今のポジションが適役です。チャンスで外すことが多かったウェルベックの2ゴールも、今後につながる成果だったと思います。大事なことは、このサッカーを続けること。クリスタル・パレスと並んで迷いが深いボーンマスが相手では、ガナーズ復活とまでは書けませんが、次のチェルシー戦で結果を出せれば「大好きな秋の反攻が始まる」と宣言していいのではないでしょうか。今日は、インテリジェンス溢れるサッカーを堪能させていただきました。いいときのガナーズは、やっぱり楽しいですね。

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“【Arsenal×Bournemouth】ウェルベック&ラカゼットで3発!アーセナルは次につながる快勝!” への6件のフィードバック

  1. 新参 より:

    4バックだったのですかね?公式のフォーメーションは3バックだったので気になりました。ムスタフィ、コラシナツ、ラカゼットを適所に配置すれば、アーセナルは勝てる集団になると確認したゲームでした。次はチェルシー、ご指摘のとおり勝てば波にのれそうです。

  2. makoto より:

    新参さん>
    そこは、みなさんと確認したいところです。試合前のフォーメーション紹介は、BBCはじめ多くが3-4-3。しかし、ベジェリンとモンレアルのポジションはほぼSB。ただしコシールニー右、ムスタフィ左だったり、ベジェリンやモンレアルは逆サイドにボールがあるときに昨季よりも中に絞って対応しておりました。コラシナツとラムジーがインサイドの4-3-3に見えるときと、コラシナツがサイドに張る4-2-3-1に見える時があり、ウェルベックとラカゼットも流動的。非常に面白い戦い方だなと思いながら見てました。

  3. 麦茶 より:

    更新お疲れ様です。
    アーセナルはやっと本来の配置に選手を戻して安定したゲーム運びが見れました。
    まだ次戦の結果次第でどうなるか分かりませんが、希望は見えてきましたね。
    個人的にはやはりコラシナツが気になります。
    彼のフィジカルを活かした突破や正確なクロスは今までチームに無かったものですからね。
    最初からフィットしてましたが、これからもっと脅威になってくれればと。
    反対にサンチェスを今後どう扱っていくのか、飼い殺しにする気はなさそうですが
    果たして本当に起用していくべきなのか議論になる気がしています。

  4. 新参 より:

    再放送で確認しましたが、トランジションの際の決まり事を増やしたように思えます。守備時のボールサイドのWBは前に出てボールを刈る一方、反対側のWBはDFラインに加わりブロックを形成。攻撃時もボールサイドでないWBはやや下がり目に陣取っていました。守備を意識した微調整と思います。

    ボールサイドのWBが相手の攻撃をディレイしている間にセントラルは守備に戻り切ればよいという風になったので、ジャカもラムジーも攻撃参加に積極的になったのではないでしょうか。

    ただ、後半の始めと10人になってからは、クロスの対応にまずさを見せていたので修正が必要です。

  5. トマシュ より:

    3バックに見えました。普通に。

    明らかにムスタフィとコラシナツが前節との違いを作っていたと思います。もちろんラカZも。
    今回の試合を見て、前節のデタラメ選考とデタラメ配置について説明を求めたい、と改めて感じました。

    首位と4pts差ですか。ELで主力を使うという愚行だけは勘弁してほしいです。

  6. makoto より:

    麦茶さん>
    コラシナツ、いいですね。メンタルが強いんでしょうね。アレクシス・サンチェスは本人の調子次第でしょう。ヴェンゲル監督は、「残ってくれた」と考えているはずで、フェアな競争に組み込むのではないかと思います。

    新参さん>
    なるほど。3バックは、守り方によって4にも5にも見えるので、ときどき戸惑います。クロスへの対応は気になりますね。ずっと抱えている課題です。

    トマシュさん>
    なるほど。ラカゼットよくなってきましたね。チェルシー戦を優先するのではないでしょうか。

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