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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Everton×West Ham】衝撃の60メートルゴールを決めたルーニーは、6年ぶりのハットトリック!

今季のプレミアリーグで、ここまで最も期待外れだったチームを挙げろといわれれば、多くの人がエヴァートンを指名するでしょう。プレミアリーグ2016-17シーズンは、17勝10分11敗で7位。ヨーロッパリーグ出場権を獲得したロナルド・クーマン監督のチームは、レスターの敏腕スカウトだったスティーヴ・ウォルシュFDの仕切りで大型補強を断行しました。GKピックフォード、最終ラインにマイケル・キーンとクコ・マルティナ、中盤にはクラーセンとシグルズソン、前線にサンドロ・ラミレス、ウェイン・ルーニー、ヴラシッチと中央のポジションを中心に新戦力を獲得し、ウマル・ニアッセもレンタル先のハル・シティから復帰。戦力を充実させたマージーサイドのクラブは、チャンピオンズリーグ出場権を狙いにくるものと思われていました。彼らは未だに「マンチェスター・シティに負けなかった唯一のチーム」です。開幕のストーク戦を1-0で競り勝ち、ペップのチームにアウェイで引き分けたときは、エヴァートンの躍進を疑うメディアはほとんどありませんでした。

3節のチェルシー戦で敗れたチームは、10月22日にアーセナルに2-5で大敗するまでの7試合を1勝1分5敗。ロナルド・クーマン監督はここで解任となります。不振の理由は複合的なのではないかと思われます。新しいチームを構築していくための時間が必要だった序盤戦で、チェルシー、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドといった強豪と連戦となったこと。ロメウ・ルカク移籍で前線の得点力を欠いたこと。シグルズソンとクラーセンが新チームにフィットするのに時間がかかったこと。私が低迷の原因として着目していたのは、主将アシュリー・ウィリアムズの大スランプと、ストライカー問題です。エヴァートンの課題は、得点力だけではありませんでした。最初の13試合で28失点、緒戦の対ストーク以外にクリーンシートはゼロ。ミスを連発していたアシュリー・ウィリアムズの迷いは、スカッドに加わって間もないマイケル・キーンに確実に伝染しました。グイェとシュナイデルランの2センターも混乱した守備陣を落ち着かせることができず、TOP6との5試合で15失点を喫しています。せめて後ろが踏ん張れれば、クーマン監督がチームを去ることはなかったのではないかと思われます。

一方の最前線ですが、こちらはベストオーダーを探り当てるのに時間がかかりました。解任されたクーマン監督が、オリヴィエ・ジルーを獲得できなかったことを悔やんでおりましたが、気持ちはわかります。困ったときにアバウトなロングフィードをぶつけておけば何とかしてくれるポストプレーヤーの存在は、攻撃の戦術がはまっていないチームをときどき助けてくれるものです。サンドロ・ラミレスはワントップをまかせられるタイプではなく、ウェイン・ルーニーもまた然り。途中出場で3ゴールを決めていたニアッセにもっと期待していいかもしれないと気づいたのは、クーマン監督がクラブを去ってからでした。

そんななかで、13シーズンぶりに古巣に戻ったルーニーは、居心地が悪かったのではないでしょうか。「ロメウ・ルカクの穴を埋められなかった男」といわれそうになっていた32歳のストライカーは、自身もまた「最適なポジションと役割を模索していた選手」のひとりでした。開幕からの2戦連続ゴールで、クラブとともに上々のスタートを切っていたベテランは、それからの9試合でPK1発を含む2ゴールのみ。クリスタル・パレス戦とサウサンプトン戦では終始ベンチに座っており、ゴールどころか常時出場も危うくなっていました。プレミアリーグ14節のウェストハム戦で先発リストに名を連ねたのは、ニアッセをダイブによる出場停止で失っていたアンズワース暫定監督の窮余の策だったのかもしれません。しかし、この試合でルーニーは輝きました。プレミアリーグでハットトリックを決めたのは、2011年9月のボルトン戦以来です。先制点の舞台装置を作ってくれたのは、カルヴァート=ルーウィン。18分にアーロン・レノンの縦パスでラインの裏に抜け出した29番がジョー・ハートを抜こうとして転倒し、PKが指示されると、左に蹴ったボールをイングランド代表GKに止められたルーニーは、浮いたボールを落ち着いて頭で押し込みました。

1-0としたエヴァートンは、28分にエースの追加点を得て、今季プレミアリーグで初めて2点リードという展開に持ち込みました。右からドリブルで仕掛け、サイドを走っていたトム・デイヴィスにパスを通したのは、20歳の生え抜きSBジョンジョ・ケニー。グラウンダーのリターンをダイレクトで叩こうとしたケニーが打ち切れずにファーに流れると、裏にいたルーニーが冷静にボレーを叩き込みました。ハマーズとの「不振対決」を2-0で折り返したエヴァートンは、66分に勝利を決める3点めをゲットします。

この一撃は、圧巻でした。自陣から出た縦1本を追いかけたのは、カルヴァート・ルーウィン。鋭い飛び出しを見せて先着したジョー・ハートは、大きく蹴り出そうとするもうまく浮かすことができませんでした。ボールは、センターサークル手前にいたルーニーへ。10番は、迷わず無人のゴールを陥れる60メートルのダイレクトショットを選びました。逆回転をかけて高さを抑えた素晴らしい弾道。決まった瞬間、グディソン・パークに歓喜が爆発し、ベンチは狂喜乱舞という言葉がぴったり。観戦していたサム・アラダイスは、拍手でスーパーゴールを称えています。78分にシグルズソンのCKをアシュリー・ウィリアムズがヘッドで叩き、4-0としたエヴァートンは、14試合めで初めて2点差以上の勝利を決めて13位にジャンプアップしました。

いやー、さすがルーニー。凄かったです。うれしいです。プレミアリーグ12試合7ゴールとした新しい10番は、マンチェスター・ユナイテッドで8ゴールのルカクとの差を1本に縮めました。ニアッセが最前線、その後ろにルーニーというのが今季のエヴァートンの最適解なのではないでしょうか。この快勝で、エヴァートンは巻き返しモードに入れるでしょうか。5位リヴァプールとの差は勝ち点11。充実の戦力を有する彼らが自信を取り戻すことができれば、決して埋められない差ではありません。ルーニーには、4シーズンぶりのシーズン15発を決めていただき、エヴァートン復活の立役者となっていただければと期待しています。そして、願わくばロシアで…!

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“【Everton×West Ham】衝撃の60メートルゴールを決めたルーニーは、6年ぶりのハットトリック!” への4件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    細かい指摘で恐縮ですが、ルーニーがリーグでハットトリックを決めたのは2011年9月のボルトン戦以来ですね。
    管理人さんがおっしゃっている2012年10月のストーク戦はオウンゴールを含めてのハットトリック?でした

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    すみません。その通りです。訂正させていただきました。ご指摘ありがとうございます。

  3. アイク より:

    いつも楽しませていただいています。
    素晴らしい記事です、待望のスーパールーニーと大量得点、熱の込められた文章に震えました。観れば良かった〜…

  4. makoto より:

    アイクさん>
    ありがとうございます!3点めはスタジアムの雰囲気もよくて、素晴らしいシーンでした。

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