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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×WBA】実は危なかったチェルシー…チームを救ったジルーの奮闘とアザールの2発!

「絶対に負けられない一戦」…消費しつくされた感があるこの表現も、今のチェルシーにはしっくりきます。ボーンマス、ワトフォードとプレミアリーグ中位のチーム相手に、守備が崩壊して2連敗。最下位のWBAにホームで敗れれば大事件で、この後マンチェスター勢との連戦が控えているチームは、一気にCL出場権争いから消え去る可能性すらあります。モラタが帰ってきたものの、コンテ監督のチョイスはオリヴィエ・ジルー。アザールとペドロが左右に入り、ヴィクター・モーゼスとザッパコスタがWB、セントラルMFはカンテとセスク。クルトワの前にはアスピリクエタ、クリステンセン、リュディガーの3枚を並べています。

開始3分、プレミアリーグ20位に激痛のアクシデント。リヴァプールからレンタルしたダニエル・スタリッジが負傷リタイアとなり、パーデュー監督はジェイ・ロドリゲスの起用を余儀なくされます。アグレッシブに攻めているのはWBA。6分、マット・フィリップスが右からダイレクトで蹴った高速クロスをニアで叩いたサロモン・ロンドンのヘッドは、強さは申し分なかったものの、右に逸れてしまいました。11分、ヴィクター・モーゼスのヘディングでのバックパスは、中央に走っていたジェイ・ロドリゲスの足元へ。冷静に左右のコーナーを狙えれば間違いなく先制でしたが、慌てたイングランド人アタッカーが左に外してしまい、昨季プレミアリーグ王者は命拾いします。

チェルシーの最初のチャンスは17分。アスピリクエタが右から上げたアーリークロスがゴール前を横切ると、マルコス・アロンソの代役として左に入っていたザッパコスタが追いつき、GKフォスターと1対1。WBのボレーのコースが甘く、体を張ったGKが外に弾き出します。20分、右サイドに出たアザールが左足で絶妙なグラウンダーを入れると、フリーで合わせたジルーのボレーはフォスターの守備範囲。攻撃陣のコンビネーションが冴え始めていたチェルシーは、25分に先制します。ボックス手前右にいたアザールがジルーをポストに使うと、ガナーズから来たストライカーの落としは完璧でした。右足で捉えたダイレクトショットがゴール左隅に突き刺さり、全く読めなかったフォスターは立ち尽くすことしかできませんでした。

WBAの反撃は29分。右からのFKのキッカーはブラント。左足で巻いたボールがゴール前に落下すると、ドーソンのヘッドはニアを締めたクルトワがセーブします。35分のチェルシーのCKは、競り合ったボールが浮いたところをスコーピオン大好きオリヴィエ・ジルーが左足で狙いますが、うまく当たらずポストの左に外れます。ペドロのパスの精度が低く、前線が薄かったチェルシーにとって、ジルーの奮闘は命綱でした。ヘガジーとの接触で頭に包帯を巻いたストライカーがいなければ、ずるずる下がって失点を喰らう最近の敗戦をトレースしていたかもしれません。前半は1-0。パーデュー監督は、ハーフタイムにブラントを下げてオリバー・バークを投入します。

後半に入り、右サイドを執拗に攻めるWBA。51分にオリバー・バークのきわどいグラウンダーがサロモン・ロンドンに向かいますが、アスピリクエタがスライディングでクリア。57分、ロングフィードを戻りながら処理しようとしたクリステンセンがうまくクリアできず、サロモン・ロンドンに奪われますが、クルトワが体に当てるビッグセーブで同点を許しません。直後のCKは、ジョニー・エヴァンスのヘディングがクロスバーすれすれを越えていきます。63分、チェルシーが勝負を決めるゴールを奪います。右から中に斬り込んだヴィクター・モーゼスがセスクに預けると、プレミアリーグ屈指のアシストキングの浮き球が絶妙なエリアに落ちました。ラインの裏に躍り出たヴィクター・モーゼスは、左足で流し込むだけ。ヴィクター・モーゼスは69分にも中央にドリブルで持ち込み、今度は自ら左足を振り抜きますが、GKフォスターに足でブロックされました。

3点めは71分、ジルーに代わってプレミアリーグ復帰を果たしていたモラタのパスを受けたアザールは、右から中に持ち込んだ際に一瞬空いたニアのコースを見逃しませんでした。完璧なシュートにフォスターは一歩も動けず。クリステンセンをケーヒル、ペドロをウィリアンに代えたコンテ監督は、4点めを狙いながら時間を遣ったチームに満足しているのではないでしょうか。前半のジェイ・ロドリゲス、後半のサロモン・ロンドンと、2度のターニングポイントを活かせなかったWBAは、中盤から正確なパスを供給していたセスクとスーパー・アザールの軍門に下りました。

相変わらずボックス内に侵入する選手が足りないシーンが多く、相手のミスに助けられた感はありましたが、暗いムードを払拭したかったチェルシーは、この日はとにかく3ポイントでしょう。次戦、オールド・トラフォードでモウリーニョ監督のチームを撃破すれば、勝ち点で肩を並べることができます。苦しい戦いが続きますが、2位フィニッシュという悪くない着地でシーズンを終われる可能性は充分に残されています。

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“【Chelsea×WBA】実は危なかったチェルシー…チームを救ったジルーの奮闘とアザールの2発!” への3件のフィードバック

  1. nor より:

    更新お疲れ様です。おっしゃるように、点差には見えない危ない試合でしたね。昨季あれ程厳しかったディフェンスの破綻は何故でしょうか?アザールにもう少しまわりの連携が加われば、CLでファイナルまで行けるくらいのオフェンス力はあると思うのですが、こちらもいまひとつ。モラタは最近はマドリー時代の愚痴など弱気な発言が目立ちまし、何かとコンテも熱量が下がっている気がします。バチュアイの活躍もそうですし、ルカク、スタリッジ、デブライネ、サラー、、、移籍後の活躍が目立つチェルシー。プレミアが厳しいという以上に、何か構造的な抑圧があるのでしょうかね。皆がアスピリクエタのように持続してくれると嬉しいのですが。

  2. B より:

    アスピが最高すぎる
    どの監督にも使われてるし、変な揉め事もなし。周りの選手からの信頼も厚そうだし…。監督からも選手からもファンからも悪い話を聞いたことがない。それに加えてあの能力。地味と言われがちですがまさにチームの要だと思います。

  3. アロンソ より:

    チェルシーは、選手間の距離が遠すぎる気がしました!孤立している場面が多かったですね。

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