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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×Arsenal】ハリー・ケインをムスタフィにぶつけたモウリーニョ、狙い通りの逆転勝利!

4年前は2位と3位だったガナーズとスパーズですが、プレミアリーグ2019-20シーズンの35節は、8位と9位のEL出場権争いとなりました。トッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催されるノースロンドンダービーは、ジョゼ・モウリーニョもミケル・アルテタも現在のベストメンバー。まずはホームチームの11人を紹介しましょう。GKロリス、DFセルジュ・オーリエ、アルデルヴァイレルト、ダヴィンソン・サンチェス、ベン・デイヴィス。セントラルMFはハリー・ウィンクスとシソコ、2列めにルーカス・モウラ、ロ・チェルソ、ソン・フンミン、最前線にハリー・ケインという顔ぶれです。

対するガナーズは、直近の公式戦5試合を4勝1分と好調キープ。アルテタ監督のチョイスは、プレミアリーグ再開後に導入した3-4-3です。GKマルティネス、3バックはムスタフィ、ダヴィド・ルイス、コラシナツ。セントラルMFにダニ・セバージョスとジャカ、アウトサイドはベジェリンとティアニー、3トップはニコラ・ペペ、ラカゼット、オーバメヤン。ビルドアップに難があるアウェイチームは、キックオフ直後にダヴィド・ルイスがボックス手前で奪われ、ルーカス・モウラに決定的なシュートを喰らいます。

マルティネスのダイビングキャッチで事なきを得たガナーズは、スパーズが繰り返すサイドアタックを抑えて、自分たちのペースに持ち込みたいところです。8分、左サイドから上がったティアニーが絶妙なアーリークロスをニアに入れると、飛び込んだラカゼットはプレッシャーをかけられ、CKをもらうのが精一杯。10分、左サイドでニコラ・ペペを抜いたルーカス・モウラが素晴らしいラストパスをラインの裏に浮かすと、ハリー・ケインとマルティネスの1対1は、ループシュートに手を伸ばしたGKの勝利です。

12分にベジェリンがドリブルで右サイドを突破し、中央のオーバメヤンにグラウンダーを入れますが、プレミアリーグ20ゴールのエースが珍しく空振りしてしまいます。流れたボールを叩いたティアニーのシュートは、右にアウト。押していたガナーズが先制したのは、16分でした。セルジュ・オーリエがインターセプトしたボールをジャカがすかさず奪い返すと、脇でもらったラカゼットが右足一閃。ゴール左隅を突いたスーパーミドルに、名手ロリスは触れませんでした。

ところが19分、コラシナツのバックパスがダヴィド・ルイスの右に逸れてしまい、さらったソン・フンミンがGKをチップキックでかわして同点。アーセナルのリードは、3分しか続きませんでした。29分、ゴール左を狙ったベン・デイヴィスのロングシュートは、マルティネスがぎりぎりで触ってクロスバーにヒット。直後、右から斬り込んだニコラ・ペペのコントロールショットは、ファーポストをかすめて外に抜けていきます。

40分のオーバメヤンのFKは、右のポストの外。2分後、ラカゼットとのワンツーでボックスに入ったダニ・セバージョスがニコラ・ペペに預けると、ニアを狙った左足シュートはロリスの守備範囲です。ハーフタイムは1-1。後半の立ち上がりは、ガナーズがポゼッションを取っています。49分、ロ・チェルソがルーカス・モウラを走らせたカウンターは、シュート態勢に入った瞬間、ムスタフィが足を出してCK。53分にFKのクリアがコラシナツの足元に入りますが、左足のフィニッシュは明らかにキックミスでした。55分には、ダニ・セバージョスのヒールパスで抜け出したニコラ・ペペが右サイドからクロスをフィード。クリアに反応したムスタフィのバイシクルは、ロリスの正面に浮いてしまいました。

59分、アルデルヴァイレルトが縦パスをカットすると、すかさずラカゼットが奪い返し、ボックス左のオーバメヤンにラストパス。左足の強烈な一撃はクロスバーにヒットし、ロリスは胸をなでおろします。両者とも、ウォーターブレイクまで交代はなし。先に動いたアルテタ監督のカードは、70分にニコラ・ペペをサカです。直後、左サイドに流れたハリー・ケインがムスタフィを抜き去って中央に転がすと、フリーで入ってきたソン・フンミンのシュートは勇敢なマルティネスが身を挺してセーブしました。残り時間は15分。ガナーズは、ベジェリンとムスタフィのサイドを狙われています。

79分、中央に入ったベジェリンが左足でシュート。DFにヒットしたボールをダイレクトで叩いたオーバメヤンのボレーは決定的でしたが、ロリスが左に飛んで触り、CKに逃れました。81分、左サイドのルーカス・モウラがラインの裏に通したロングフィードで、ハリー・ケインがフリーになりますが、飛び出したマルティネスがシュートをブロック。ソン・フンミンの左からのCKをヘッドで決めたのは、アルデルヴァイレルトでした。

2-1となった直後、右サイドに出たムスタフィがソン・フンミンに奪われ、パスをもらったハリー・ケインが追いすがる20番の無謀なスライディングを悠々とかわします。今日のマルティネスは、何点止めたでしょうか。エースが右隅を狙ったシュートは守護神が左に弾き出し、ポイント奪取に望みをつなぎました。アウェイチームの指揮官は、84分にネルソン、ウィロック、セドリク・ソアレスを投入しますが、モウリーニョ監督が起用したベルフワインやオリヴァー・スキップのほうが存在感があります。最後にラメラを入れて時間を遣ったスパーズがリードを守り切り、プレミアリーグ8位と順位をひとつ上げました。

ベジェリンの裏、ムスタフィの脇を徹底的に突いたモウリーニョ監督が采配で勝った一戦。ハリー・ケインをムスタフィにぶつけ、ルーカス・モウラとソン・フンミンからパスを集めるというシンプルな戦術でしたが、サカが加わって守備が強化されたはずのガナーズは対応できず、セットピースから勝ち越しゴールを許してしまいました。指揮官が笛吹けど、踊らず。イージーなミスが多いCBを抜本的に変えなければ、来季も中堅クラブとのEL出場権争いに巻き込まれるでしょう。次節の相手はリヴァプール。ベンチのCBを使うか、今のスタイルを貫くか。次のシーズンにつながる何かが残せるとすれば、ホールディングの復調ですが…。


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