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【Crystal Palace×MAN.UTD】VARに救われたマン・ユナイテッド、最後に決めたのはマルシアル!

6試合ぶりにスタメンを入れ替えたスールシャール監督。とはいえ、いじったのはルーク・ショーが負傷した左SBと、そろそろ休ませたかったマティッチのポジションだけです。プレミアリーグ36節、クリスタル・パレスVSマンチェスター・ユナイテッド。前節のサウサンプトン戦で96分に追いつかれて痛恨のドロー決着となり、残り3試合を全部勝ちたいプレミアリーグ5位チームは、最初の関門をクリアすることができるでしょうか。

さっそく、スタメンをチェックしましょう。GKデ・ヘア、DFワン=ビサカ、リンデロフ、マグワイア、フォス=メンサー、MFマクトミネイ、ポグバ、ブルーノ・フェルナンデス、FWグリーンウッド、マルシアル、ラシュフォード。開始1分20秒、左から斬り込んだザハのシュートは決定的でしたが、デ・ヘアが右に飛んでセーブし、ショッキングな失点を免れます。7分、右サイドからのウォードのクロスをジョルダン・アイェウが頭で折り返し、ザハとファン・アーンホルトが連打した危険なシーンは、ブルーノ・フェルナンデスが対応してオンターゲットを許しません。

12分、ブルーノ・フェルナンデスが左から蹴ったCKは、競り勝ったマグワイアのヘッドがバーの上。15分を過ぎても、プレミアリーグで5連敗中のホームチームが優勢です。お疲れ気味のグリーンウッドは厳しいチェックでドリブルを止められ、ファン・アーンホルトの攻め上がりを許しています。28分、フォス=メンサーのクロスが逆サイドに流れ、ワン=ビサカが切り返しを入れて左足を振り抜くと、ゴール前の壁がブロック。直後にマルシアルがボックス左を突破し、グラウンダーがフリーのグリーンウッドに届きますが、左足のボレーは彼らしくないキックミスでした。

39分、ブルーノ・フェルナンデスのCKがまたもマグワイアの頭に合いますが、ボールは右に切れて先制ならず。40分にファン・アーンホルトのアーリークロスが中央に入り、リンデロフが止めたボールを拾ったジョルダン・アイェウの鋭い一撃が枠を捉えると、デ・ヘアがパンチで大きくクリア。45分、マルシアルとのワンツーでブルーノ・フェルナンデスが中央に上がると、優しいラストパスをもらったラシュフォードが緩急をつけたタッチでファン・アーンホルトを振り切ります。冷静だった10番が、GKの右に空いたコースに流し込んで0-1。前半終了間際のミリヴォイェヴィッチのFKは、デ・ヘアが右にダイブするビッグセーブでCKに逃れました。

前半は0-1。シュート数は7対7のイーブンで、オンターゲットは3対1。苦しい時間を過ごしたマンチェスター・ユナイテッドは、後半に入るとマイボールを大事にしながらサイドアタックを繰り返しています。53分、ジョルダン・アイェウのパスをボックス左で受けたのはザハ。背負っていたリンデロフを外して反転すると、右足のシュートはマグワイアがコースに入ってブロックします。2分後、左から仕掛けたザハがワン=ビサカの股間を抜くラストパス。ファーから走り込んだジョルダン・アイェウがスライディングで押し込んだシーンは、VARが数センチのオフサイドを指摘し、ゴール取り消しとなりました。

58分、ポグバのロングシュートは左にアウト。マッカーシーが中央から放ったミドルはデ・ヘアが懐に収めています。62分にマルシアルが仕掛けたショートカウンターは、ボックス左でラストパスをもらったラシュフォードの左足シュートをGKグアイタがストップ。スールシャール監督は、63分にマクトミネイとグリーンウッドを諦め、マティッチとリンガードを投入します。71分、速いグラウンダーをカットされたブルーノ・フェルナンデスが、ファン・アーンホルトのクリアミスをインターセプトし、左足でシュート。ファーに飛んだボールはうまく曲がらず、ポストの左を抜けていきました。

74分、マンチェスター・ユナイテッドがカウンターを発動。左サイドのマルシアルが斜めに転がしたパスでラシュフォードがボックス左を完全に崩し、マイナスのグラウンダーを通すと、ブルーノ・フェルナンデスの強烈なダイレクトショットは左のポストに嫌われました。78分にカウンターを仕掛けたのはラシュフォード。左サイドを並走したブルーノ・フェルナンデスが10番に戻すと、ダイレクトの縦パスがマルシアルに通り、右足のシュートがファーのサイドネットに突き刺さりました。

マンチェスター・ユナイテッドは、スコアをキープすればOKです。90分、縦パスに反応したザハがマグワイアを振り切ってボックスに侵入すると、ニアを狙ったフィニッシュはデ・ヘアがビッグセーブ。93分のラシュフォードのコントロールショットは、グアイタが体を伸ばして上に弾き出します。ファン・アーンホルトの負傷によってもたらされた11分の長い追加タイムは、クリスタル・パレスのモチベーションが萎んでしまったため、アウェイチームが攻め続けて終わりました。ブルーノ・フェルナンデスは今日も1アシスト。マン・ユナイテッドはプレミアリーグの無敗記録を12に伸ばしました。

クリスタル・パレスが勝ってもおかしくなかった接戦。スールシャール監督の課題は、主力の電池の残量をいかに見積もるかでしょう。セインツ戦で既に切れ味を失っていたグリーンウッドと、判断スピードが遅くなっているポグバをリフレッシュするべく、フレッジやマタを先発起用してもよかった一戦。右サイドをザハに脅かされ、ファン・アーンホルトやウォードの侵入もあっさり許したのは、週2試合の連続に何人かの選手の心身が悲鳴を上げ始めているからではないでしょうか。週末のFAカップ準決勝は覚悟を決めて、イガロ、マタ、ダニエル・ジェームズらを活用し、プレミアリーグ優先の姿勢を鮮明にしていただければと思います。

最後に、VARについて。助けてもらったゲームの観戦記でこんなことをいうのも何ですが、「明らかなアドバンテージを得ていないシーンでは、数センチの誤差は不問に付す」といった運用でもいいのではないかと感じました。アイェウのゴールシーンは、マーカーが着いておらず、スライディングボレーは厚く当たっていました。彼が数センチ後ろからスプリントを始めていても、結果は変わらなかったでしょう。「前に出ていたから触れた、あるいはDFに先着できた場合はオフサイドで、影響が軽微ならスルー」のほうが、観ている側の納得感が高まると思ったのですが、いかがでしょうか。いやー、それにしても危なかった…。あそこで1-1なら、最後に笑ったのはウィルフリード・ザハだったような気がしてなりません。


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“【Crystal Palace×MAN.UTD】VARに救われたマン・ユナイテッド、最後に決めたのはマルシアル!” への2件のフィードバック

  1. A より:

    今シーズン飽きるほど「ミリオフサイド」でのゴール取り消しを見た身としてはmakotoさんに全面的に賛成です。大体、どこまでが選手の身体なのかを荒い画像から目測で判断して線を引いているのに、その中で数センチの差を論じることに何の意味があるのか…今回は爪先でしたが、上体が前に出ている時は「腕と肩の境目」というそもそも明確に定まっていないものを基準に判断しているわけで、尚更不毛だと思います。

  2. やす より:

    オーレは結果がどうあれ、来季は変えて欲しいですね。
    明確な戦術を持たず、選手の個人能力に頼った戦い。
    フェルナンデスが疲労蓄積でラッシュフォードみたいに怪我しないか不安です。
    アレグリかポジェに来て欲しいな。

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