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【Aston Villa×Leicester】変幻自在に布陣を変えるロジャースの神髄を満喫した圧勝劇!

土曜日のマンチェスターダービーでは、ペップ・グアルディオラが今季プレミアリーグで2度めのホーム敗戦。2位レスターのブレンダン・ロジャース監督にとっては、ディフェンディングチャンピオンとのギャップを6ポイントに広げるチャンスでした。レスターはヴィラに1-4で圧勝し、ミッション達成。スコットランドで2年連続トレブルを達成した北アイルランド出身の指揮官が、いかに素晴らしいかを目の当たりにした一戦でした。

15節まで、プレミアリーグ最少の9失点という素晴らしいスタッツを残していたレスターの基本フォーメーションは、アンカーのエンディディを軸とした4-1-4-1です。マグワイアが抜けた穴は2年めのソユンチュが埋め、奪ったボールはすかさず2列めにフィード。ティーレマンスとジェームズ・マディソンが一気にゴールに迫れると判断すれば、プレミアリーグ最多ゴールのジェイミー・ヴァーディーを走らせ、難しいときはサイドで待つハーヴィー・バーンズとアヨゼ・ペレスに預けます。サイドアタックに厚みをもたらすチルウェルとリカルド・ペレイラの両SBは、中央に斬り込んでミドルを放つことも多く、2人合わせて3ゴール4アシストと攻撃に欠かせない素存在となっています。

ロジャース監督が、リヴァプール時代とは別人のように変幻自在な策士になったと実感したのは、エヴァートン戦とヴィラ戦で通常とは違う布陣にスイッチしたときでした。リシャルリソンに先制ゴールを決められ、残り30分まで負けていたエヴァートン戦では、62分にイヘアナチョを投入して3-5-2にシフトチェンジ。前線に2つの出しどころを置いた策は見事に当たり、交代から6分後の68分にエンディディからパスをもらったイヘアナチョがファーから走り込んだヴァーディーに合わせ、エースが強引に同点ゴールをねじ込みました。

攻め続けたレスターは、タイムアップ直前の95分にカウンターを発動させました。右サイドでポジションを上げていたリカルド・ペレイラが最前線にいたイヘアナチョにスルーパスを通すと、左足に持ち替えた23歳のアタッカーは冷静に左隅に流し込みました。2-1、劇的な逆転勝利。ワトフォード戦をいつもの形に戻して2-0で完勝したロジャース監督は、2点差以上の負けがスパーズ戦とマン・シティ戦しかないやっかいなヴィラに対して、ダイアモンド型の4-4-2という新機軸を打ち出します。

好調イヘアナチョをヴァーディーの脇に置き、後方にジェームズ・マディソン。デニス・プラートとティーレマンスがインサイドMFに入り、中盤の底にエンディディという陣形です。11分に左サイドを崩され、フリーだったエル・ガジにイージーなボレーを決められていれば、苦しい展開になったはずですが、21番はインサイドで転がそうとしたボールをクロスバーに当ててしまい、先制はならず。20分にジェームズ・マディソンとリカルド・ペレイラで奪った後のカウンターは、ロジャースの狙い通りの展開でした。前にいたイヘアナチョにボールが渡ると、完璧なスルーパスでヴァーディーが裏に抜け出します。GKヒートンをかわして最初に打ったシュートはミスタッチでしたが、体勢を立て直して打った2発めが間に合いました。

41分には、ティーレマンスのパスで左に開いたヴァーディーがグラウンダーを入れ、ニアに走ったイヘアナチョがプッシュ。47分にグリーリッシュのスーパーショットで1点差に詰められますが、後半開始直後の49分のCKをジョニー・エヴァンスがヘッドで決め、ヴィラの反撃の意欲を削ぎ落します。2点差なら4-1-4-1で十分とばかりに、指揮官は64分にイヘアナチョをハーヴィー・バーンズ。勝負が完全に決したのは75分、デニス・プラートの縦パス1本でヴァーディーが抜け出すというラニエリスタイルのカウンターでした。

優勝の可能性が囁かれ始めたレスターですが、ソユンチュをうまくカバーしているジョニー・エヴァンスと、アンカーとしてプレミアリーグNo.1の守備力を発揮しているエンディディが最後まで元気ならという条件付きでしょう。失点3で8連勝という快進撃を続けるロジャース監督のチームは、ペースを落とさず走り切れるでしょうか。ボクシングデーには、アンフィールドで95分にPKを献上して惜敗したリヴァプールとのシックスポインターが控えています。名将がどんな布陣でユルゲン・クロップの4-3-3を迎え撃つのか、今から楽しみです。

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“【Aston Villa×Leicester】変幻自在に布陣を変えるロジャースの神髄を満喫した圧勝劇!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    近年のリバプールやシティが異常すぎるだけで、例年だったら普通に優勝できるペースですよね。
    リバプール時代は守備がの整備が出来ず、解任なりましたが、今やリーグ最小失点の堅守。
    戦術レパートリーもふえ、名将の仲間入りも近いでしょう。
    当方、リバプールサポーターですが、リバプール時代の晩年は優勝争いできたのはSASのお陰なんて言う敬意の欠けたコメントも散見されましたが、今も大好きな監督です

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    私もレッズサポですが、ロジャースは今でも好きな監督です。難しかった時のレッズを引き受けSASを要して優勝一歩手前までチームを引っ張った監督ですから。今の躍進も奇跡ではなく充分実力を持ったものだと確信してます。正直月末のレスター戦はレッズは苦戦必至とみております。攻守にバランスがいいレスターは今季最も魅力あるチームなのではないでしょうか。

  3. じゃこ より:

    更新ありがとうございます。
    自分もレッズサポですが、ロジャースは好きな監督です。
    リバプールを率いてくれてた時代は、就任当時に比べみるみる痩せていくので凄くプレッシャーもあって大変な中、チームを回してくれているんだろうなと思って応援していました。

    ヴァーディとイヘアナチョの2トップは怖いですね。ここに岡崎選手もいたらもっと楽しかったですが。
    とはいえ、そんな余裕はないくらい怖いチームなので、久々にシティを応援して連勝を止めてもらうのを祈る形になりそうです。

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