偏愛的プレミアリーグ見聞録

三笘薫、カイセド、マック・アリスターがベンチスタートで6-0とは…！CL出場権獲得の可能性も消えていないブライトンは、13位ウルヴスを本拠地アメックスに迎え、30分も経たないうちに勝負を決めてしまいました。まずは、彼らのゴールシーンを追いかけてみましょう。

先制ゴールは6分。左からのクロスが逆サイドに流れ、ソリー・マーチがフェルトマンに落とすと、中央のウェルベックにグラウンダーが通りました。2人にマークされていたベテランストライカーは、打てないと判断してヒールで後方へ。左足のワンタッチでネットを揺らしたのは、プレミアリーグ14試合ノーゴールと結果を出せていなかったウンダフです。

13分にマテウス・ヌネスのミスタッチをさらったのはビリー・ギルモア。左にパスが出ると、三笘のようにカットインしたエンシソが、完璧なタイミングで右にラストパスを転がします。左足のダイレクトショットをフリーで決めたのはパスカル・グロス。19分にも、ジョゼ・サのミスキックをウェルベックが直接叩くチャンスがあったホームチームは、26分に3点めをゲットしました。

左のエンシソがボックス手前のパスカル・グロスに速いパス。トラップで浮かし、右足のアウトにかけて打ったボレーは、ジョゼ・サの指先を抜けて右隅に収まりました。4点めの主役はエストゥピニャン。エンシソが戻したボールを受けた左SBのクロスは、ファーのウェルベックにぴったりで、ポスト際に叩きつけたお手本通りのヘッドにGKはノーチャンスでした。

ハーフタイムは4-0。絶望的なギャップを埋めたいロペテギ監督は、トッティ・ゴメス、ファン・ヒチャン、ネイサン・コリンズを継ぎ込みますが、後半開始から3分で5発めを喰らってしまいました。ウェブスターの縦パスをもらったエンシソがダイレクトで前に出すと、交代で入ったばかりのコリンズがカットしたボールがウェルベックの足元に入りました。

冷静だったストライカーは、コースが空いているのを確認して左足一閃。左隅に突き刺さった瞬間、ロペテギ監督は頭を抱え、呆然とした表情で宙を見つめています。56分にウェルベックとソリー・マーチがお役御免となり、三笘薫とブオナノッテがピッチへ。66分の6点めのきっかけは、22番のチェイシングでした。

三笘に迫られたジョゼ・サが左脇にいたマテウス・ヌニェスにショートパス。追ってきた日本代表FWを避けようとした27番は、後ろに出したタッチをウンダフにさらわれました。慌てて出てきたGKを見たウンダフは、余裕のループシュート。FAカップ準決勝で120分戦った主力を休ませたかったロベルト・デ・ゼルビ監督は、6-0という最高の結果を得てピッチを後にしました。

34分でデュエル4勝、ドリブル成功2回、タックル成功2回、チャンスクリエイト1回。執拗なチェイシングと左からのチャレンジでマテウス・ヌネスを無力にした三笘薫は、スタンドを盛り上げるという大事な仕事を全うしました。65分に入ったマック・アリスター＆カイセドとともに、ベンチスタートはいいリフレッシュになったのではないでしょうか。

ブライトンの61ゴールは、リヴァプールと並んでリーグ3位。52ポイントは8位ですが、2試合消化が多い5位スパーズ＆6位ヴィラとは2ポイント差で、EL出場権を自力で獲りにいけます。4位マンチェスター・ユナイテッドとの差は8ポイント。次戦のシックスポインターで、FAカップのリベンジを果たせれば、TOP4争いに食い込んだといえるポジションを得られます。

リヴァプールとチェルシーが停滞するという幸運のなかで、これだけのメンバーが揃い、終盤まで好調をキープしている最高のシーズン。ウルヴス戦の65分に、涙を流しながらドレッシングルームに向かったフェルトマンの足の状態が心配ですが、デ・ゼルビ戦術を熟知しているパスカル・グロスがカバーしてくれるでしょう。

木曜日開催の次戦は、マン・ユナイテッドとのホームゲーム。三笘VSワン＝ビサカが楽しみです。FAカップは、プレミアリーグ屈指の守備力を誇る右のフルバックの勝利。5戦連続でゴールもアシストもないウインガーは、ひるむことなく勝負を仕掛けられるでしょうか。ワールドカップイヤーは、ミッドウィークも注目カードが目白押しで大変ですね…。