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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×Brighton】「ラシュフォードの1ミリ」はアウト…組織力で勝ったブライトンが3発快勝!

直近5戦は、ブライトンの3勝2敗。オールド・トラフォードで難敵を迎え撃つマンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグNo.1の得点力をいかに抑えるかが勝負のポイントです。テン・ハフ監督のチームは、負傷者とトラブル続出でぎりぎりのメンバー。最終ラインと中盤は、ほとんど選択肢がありません。

GKオナナ、DFダロト、リンデロフ、リサンドロ・マルティネス、レギロン。アンカーにカゼミーロ、左右のインサイドがマクトミネイとエリクセンで、トップ下ににブルーノ・フェルナンデス。前線にラシュフォードとホイルンドが並ぶ4-3-1-2です。対するブライトンはソリー・マーチが不在で、ウェルベックの後ろに三笘薫、ララナ、アディングラが並んでいます。

立ち上がりの激しい競り合いはイーブン。マンチェスター・ユナイテッドの最初のチャンスは6分でした。左サイドのレギロンがニアに転がすと、ラシュフォードが2人かわして切り返し、右足で強引にシュート。GKスティールが足でブロックし、いきなりの失点を回避しました。直後、ブルーノのクロスを受けたホイルンドのヘッドは、高く浮いてしまいました。

さらに8分、三笘がカットしたボールが中央のブルーノの足元に入り、強烈なダイレクトショットが枠に向かうもルイス・ダンクがブロック。エリクセンの美しいターンからカゼミーロ、ブルーノ、ラシュフォードとつながった9分の速攻は、アーリークロスに飛び込んだホイルンドが触れません。赤いシャツで初登場のレギロンは、10番と連携しながら左サイドを攻めています。

13分に左からドリブルで上がった三笘は、ニアのララナにパスを入れるも、トラップが流れて打てず。マンチェスター・ユナイテッドの2トップは、ブライトンのCBコンビのパスコースを切っています。縦パスを通せず、攻撃のスピードを上げられなかったブライトンは、20分にワンチャンスを活かしました

ウェルベックが右のアディングラに預けるまでは、何でもないシーンでしたが、縦に持った21歳のウインガーが折り返すと、ニアに入ったララナがスルー。裏に走り込んだウェルベックはフリーで、難なく左足で押し込みました。

25分、カゼミーロの素晴らしいロングフィードが右のダロトへ。三笘をかわして入れたグラウンダーがラシュフォードの足元に届きますが、右足のダイレクトショットはダフードが体に当てました。32分のウェルベックのミドルは、オナナの頭上にアウト。カゼミーロのサイドチェンジがラシュフォードに通った34分のチャンスは、決まると思ったのですが…。

カットインからの10番の一撃にフェルトマンが触ってコースが変わり、ボールはポストにヒット。1-0になってから、アウェイチームは落ち着いてパスをまわせるようになり、ホームチームは速攻一辺倒になっています。40分のホイルンドのゴールシーンは、左からゴールライン際を突破した「ラシュフォードの1ミリ」がアウトとジャッジされてしまいました。

追加タイム1分、カットインからフェルトマンとヘッケをまとめてかわした10番のショットは、惜しくも右のポストの外。前半のポゼッションは42%対58%で、シュート数は8対3ながらブライトンにリードされています。後半の立ち上がりから、アウェイチームの攻勢が続きますが、マン・ユナイテッドの最終ラインは人数が揃っています。

49分、左サイドでキープした三笘が右足アウトで入れたラストパスは、アディングラの前でオナナがキャッチ。51分にホイルンドが左のラシュフォードにパスを通すと、縦に突破して放った左足のシュートはニアに外れました。

53分、三笘が内側にいたランプティに預け、ボックス内にラストパスが転がると、キックフェイントでリサンドロ・マルティネスをかわしたパスカル・グロスのシュートがネットに突き刺さりました。32歳のベテランMFは、マンチェスター・ユナイテッド戦で11試合7ゴール。テン・ハフ監督の打開策は、ガルナチョとマルシアルでしょうか。

64分、テン・ハフ監督は大胆な2枚代えを敢行。カゼミーロとホイルンドを下げ、ハンニバル・メイブリとマルシアルです。デ・ゼルビ監督はウェルベックとララナに代えて、アンス・ファティとジョアン・ペドロ。66分のラシュフォードのFKは、スティールの正面です。70分、左から上がったランプティのラストパスをダイレクトで右隅に叩き込んだのは、ジョアン・ペドロでした。

0-3となった73分、ハンニバル・メイブリが思い切りよく打ったミドルが右隅へ。追加タイムが長い今季は、この時間で2点差ならまだわかりません。76分のCKが右に流れ、ブルーノが浮かしたボールに反応したリンデロフのヘッドは、クロスバー越え。79分、ジョアン・ペドロのスルーパスでゴール前に飛び出した三笘は、フィニッシュをオナナにセーブされています。

85分にリサンドロ・マルティネス、レギロン、マクトミネイが下がり、ワン=ビサカ、ガルナチョ、ペリストリ。ここからタイムアップまでのシュートは、エヴァン・ファーガソンとアンス・ファティの2本だけでした。マンチェスター・ユナイテッドは、ホームで1-3完敗。シュート数は14対10で上回っていたのですが、オンターゲットが2対8では、この結果もやむなしです。

マン・ユナイテッドの敗因は、中盤の選手たちがCBの前のスペースをカバーできなかったこと。先制点のシーンは、カゼミーロがウェルベックから目を離してしまい、2点めはノーマークだったパスカル・グロスに詰めたリサンドロ・マルティネスがかわされてアウト。致命的な3点めは、ブルーノがジョアン・ペドロの背中を追う格好となり、フリーで打たれてしまいました。

ブライトンの守備陣は、ラシュフォードに振り回されながらも、打たれる寸前にコースを切っていました。シュートブロック0対6という数字が、両者の差を明確に示しています。組織力で上回ったデ・ゼルビのチームの順当勝ちと表現するのが妥当でしょう。急造の4-3-1-2は、カゼミーロはアンカーとしてはもの足りず、マクトミネイは役割を果たせませんでした

最後に、三笘薫について触れておきましょう。左にまわってきたランプティと役割が重なってしまい、ララナとの意思疎通もうまくいかなかったため、いつものパフォーマンスを発揮できずに終わった感があります。アンス・ファティやジョアン・ペドロといった新戦力をはじめ、これまで絡んでこなかった選手たちとの連携は、当面の宿題となりそうです。

2勝3敗となったマンチェスター・ユナイテッド。収穫は、レギロンが左サイドでうまく立ち回っていたことと、ホイルンドがポストとして機能していたこと。アムラバトが合流し、メイソン・マウントがフィットすれば攻守のバランスが向上し、勝てるようになると信じましょう。それにしても、この状態で3日後にバイエルンですか…。


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