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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

トッテナムは98分から2発、ヴィラは87分から3発!長い追加タイムが生んだ2つの逆転劇に興奮!

土曜日のプレミアリーグは、7試合中5試合が両チーム合わせて3ゴール以上のエキサイティングな展開で、そのうち4試合は強者と目されたチームの逆転勝利でした。劇的だったのは、トッテナムVSシェフィールド・ユナイテッドと、アストン・ヴィラVSクリスタル・パレス。追加タイムをしっかり取る今季のレギュレーションが、ホームチームの勝利を呼び込みました。

トッテナム・ホットスパー・スタジアムの一戦は、90分まで0-1。圧倒的に押していた強者がアップセットを喰らう典型的なパターンでした。19分にクルゼフスキのパスを受けたイヴ・ビスマは、左にまわりこみながらフォデリンガムと1対1になるも、左足のシュートはニアと読んだGKががっちりキャッチ。21分のソン・フンミンのミドルも、ビッグセーブに阻まれました。

27分にマノー・ソロモンがカットインから放ったシュートは、フォレンダムが右に飛んでキャッチ。40分にマノー・ソロモンのグラウンダーをニアで受けたジェームズ・マディソンは、ワントラップボレーを右に外しました。スパーズのピンチは、マカティが右からの折り返しをフリーで叩き、ヴィカーリオが足でブロックした24分の攻防ぐらいでした。

前半のポゼッションは69%対31%、シュート数12対3、オンターゲット7対2。最初の45分をイーブンで終えたアウェイチームは、ゴール前に人数を集めて強者を封じようとしています。ソン・フンミンやクルゼフスキのシュートはことごとくブロックされ、セットピースも活かせず。ハーフコートマッチを続ける白いシャツは、オンターゲットなきまま時間だけが過ぎていきます。

CKの直後に予備のボールがピッチに入ったシーンの不可解なドロップボールなど、レフェリーのジャッジやゲームマネジメントもストレスが溜まる要素だったはずです。73分、ロビンソンが右から入れたロングスローが逆サイドに流れ、フリーだったハメルの強烈なボレーがファーポストの内側を叩きました。

1996年のアトランタオリンピックで、日本がブラジルを下した「マイアミの奇跡」も、ほぼ同じ時間のゴールでした。プレミアリーグに昇格したばかりのチームは、ひたすら守ってスコアをキープすればOK。攻め続けていたスパーズは、90分にペドロ・ポロとのワンツーからクルゼフスキが放ったシュートが、後半初のオンターゲットでした。

敗色濃厚のスパーズですが、長い治療時間や度重なる中断などによって、12分の追加タイムが残されています。98分、15本めのCKを蹴ったのはペリシッチ。完璧なヘッドを右隅に決めたのは、ニアで空いていたリシャルリソンでした。入団以来のプレミアリーグで31試合1ゴールと極度の不振に陥っていたストライカーは、80分からの出場でした。

1-1となった100分、左サイドでウドジェが奪い、ホイビュルク、ペリシッチ、リシャルリソンの途中出場トリオが短いパスでボックス左を攻略します。リシャルリソンのラストパスを受けたクルゼフスキが、ロビンソンの股間を抜くクレバーなショットを決めて逆転!悩めるブラジル代表は1ゴール1アシスト。プレミアリーグ4連勝のスパーズは、堂々の2位キープです。

ヴィラパークの一戦も、残り5分を過ぎて0-1。47分にマテタが仕掛けた速攻で、オドソンヌ・エドゥアールが決めたクリスタル・パレスが勝利に近づいていました。87分、中央に放り込んだのはディーニュ。胸トラップで足元に落としたディランが左足を振り抜くと、ボールはゴールの天井に突き刺さりました。

1-1となったこのゲームも、追加タイムは9分です。ティーレマンスの鋭い縦パスを受けたオリー・ワトキンスが、左にまわり込んで打つ瞬間にクリス・リチャーズと接触し、倒れたのは93分。オンフィールドレビューを経てPKとなり、ドゥグラス・ルイスが左隅に決めたのは98分でした。逆転したヴィラは101分に追加点をゲットし、勝負を決しました。

ティーレマンスのフィードで左サイドを突破したのは、プレミアリーグ4戦2発1アシストの新戦力ムサ・ディアビ。優しいグラウンダーをフリーで受けたレオン・バイリーが、冷静に左足で押し込みました。3-1で勝ったアストン・ヴィラは、2月にアーセナルに敗れて以来、プレミアリーグのホームゲームは9連勝です。

最近は、「リシャルリソンを励ます会」状態だったので、同点ゴールがネットに届いた瞬間、ハンニバル・メイブリのミドルよりも大きな声を挙げてしまったことを、ここで懺悔いたします。せめてスパーズとブルーズは、われわれに寄り添っていてほしかったのですが、煩悩を振り払って鮮やかな逆転劇に拍手を送りたいと思います。リシャルリソン、よかったですね!

冷静に考えれば、負傷者をケアする時間や遅延行為をカウントして、追加タイムが長くなることは、ファンにとっては「10%増量でお値段は変わらず!」というサービス向上なんですよね。今、こんなことをいうと、クリスタル・パレスとシェフィールド・ユナイテッドのサポーターには怒られそうですが。(リシャルリソン/写真著作者/Hossein Zohrevand ムサ・ディアビ/写真著作者/Pyaet)


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