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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Wolves】圧巻ウーデゴーア!連携で左右を崩した美しい2発で、アーセナルが公式戦5連勝!

水曜日のチャンピオンズリーグは、ランスに6-0圧勝。首位通過を決めたアーセナルは、プレミアリーグでも順位テーブルの頂点に立っています。14節は、エミレーツでウルヴス。アルテタ監督は、前節のブレントフォード戦で先発したラムズデールをラヤに代え、フィールドプレーヤーは同じ顔ぶれを揃えています。

GKラヤ、DF冨安健洋、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ。MFデクラン・ライス、ウーデゴーア、トロサール、FWサカ、ジェズス、マルティネッリ。カイ・ハヴェルツは、後半から登場するゲームチェンジャーです。キックオフからポゼッションを取っていたアーセナルは、6分に鮮やかなコンビネーションで先制しました。

右サイドでキープしたサカがボックスの右脇にいたジェズスに預け、9番が斜め後ろの冨安に預けると、ゴール前に入ったサカにダイレクトのラストパス。ドーソンをかわして決めた右足の一撃は、今季プレミアリーグにおけるチームのファーステストゴールです。さらに13分、サカのクロスが左に流れてから、たった4秒で2点めが決まりました。

ボックス手前にいたジンチェンコが、内側にいたジェズスとのワンツーで縦に突破。完璧なグラウンダーを左足で合わせたのは、CLで久々にゴールをゲットしたばかりのウーデゴーアです。あまりにも美しい3本のダイレクトパスと、絶句するしかないフィニッシュ。スタンドのグーナーは、「アーセナル、アーセナル!」の大合唱です。

2つのゴールは、アシストのひとつ前で的確なパスを出したジェズスもリスペクトするべきでしょう。20分にウーデゴーアがゴール前に浮かすと、右足を上げて巧みに収めたトロサールのシュートは、ジョゼ・サが体に当ててブロックしました。ウルヴスの守護神は、このプレイで腰を痛めたのでしょうか。23分にゴールマウスに入ったのはベントレーです。

ジェズスのスルーパスで、マルティネッリが左から上がったのは25分。カットインからのシュートはセメドが胸に当て、こぼれ球を叩いたトロサールはトティ・ゴメスに阻まれました。27分、左からのFKのクリアに反応したデクラン・ライスは、左足の強烈なシュートをマテウス・クーニャにブロックされました。

30分からボールを持つ時間が増えたウルヴスは、サイドを崩す糸口をつかめません。36分のカウンターは、カットしたジンチェンコから奪い返したセメドがマルティネッリに屈しています。1分後、冨安がロングフィードでサカを走らせ、カウンターが発動。逆サイドでラストパスを受けたマルティネッリのコントロールショットは、右のポストを直撃しました。

38分、右サイドのサカがファーポスト際にクロスをフィード。ブレントフォード戦でヘディングを決めたカイ・ハヴェルツのポジションにいたジェズスは、目の前でガブリエウが触ったボールをうまくミートできませんでした。追加タイム3分に、敵陣でカットしたウーデゴーアが仕掛けたショートカウンターは、左でもらったジェズスのシュートをGKがキャッチしています。

追加タイム6分、トロサールがマルティネッリに出した縦のスルーパスは、美しいのひとこと。11番がヒールで触ったボールをトロサールがニアに打つも、ボールはポストの脇を抜けていきました。直後、ジンチェンコが後ろに戻したボールをさらったファン・ヒチャンは、冷静にコースを切ったラヤに当てるしかありません。

前半は2-0。後半も当たり前のようにアーセナルペースです。48分、デクラン・ライスの速い縦パスをボックス右で受けた冨安が、すかさずクロス。キルマンに手をつかまれたとアピールするジェズスは、倒れるほどではないと見做されたようです。53分、左からドリブルで仕掛けたのはマテウス・クーニャ。デクラン・ライスをかわして打ったシュートは、ラヤがセーブしました。

58分のトロサールのミドルは、クロスバー越え。サカ、ウーデゴーア、冨安とショートパスがまわった60分のアタックは、冨安のスルーパスでゴール右に出たサカがドーソンにカットされています。マルティネッリ、ウーデゴーアと中央につながったのは64分。落としを受けたデクラン・ライスのシュートは、左ポストの外に切れていきました。

67分にジェズスが下がり、最前線はエンケティア。75分、4人に囲まれたウーデゴーアが脇にいたサカに転がすと、ボックス右手前からのミドルはファーポストすれすれを抜けていきました。77分にマルティネッリが下がり、カイ・ハヴェルツ。2分後に左のふくらはぎを押さえて座り込んだ冨安は、ベン・ホワイトに後を譲っています。

ピッチサイドを歩いてベンチに戻ったSBは、無理をさせたくなかったから代えたのだと信じましょう。82分、カイ・ハヴェルツのカットから始まったショートカウンターは、中央のウーデゴーアが出した縦のラストパスで、トロサールがベントレーと1対1。右足のシュートを止めたGKは、こぼれ球を拾ったサカの一撃も足で止め、最終盤に希望をつなぎました。

途中出場のサラビアが右からカットインしたのは86分。デクラン・ライスがカットした後、ジンチェンコがセメドに奪われ、中央に出たボールを収めたマテウス・クーニャが左隅に叩き込みました。88分にウーデゴーアのスルーパスでゴール前に出たエンケティアは、ベントレーと1対1になりながら、フィニッシュを左のポストにぶつけてしまいました。

91分、サラビアのパスで右から抜けたセメドのクロスは、ガブリエウがカット。ジョルジーニョとキヴィオルで後ろを強化したガナーズは、5-0でもおかしくなかった一戦を2-1で終わらせました。最後はきわどいシーンがあったものの、シュートを打たせておらず、冨安の足以外に大きな懸念なしといっていいでしょう。

この試合の最大のサプライズは、サカとの連携のクオリティが格段に上がった冨安の攻撃力です。外からのオーバーラップと中央に絞るムーブを使い分けたSBは、ハイテンポのパスワーク、的確なクロス&スルーパスが冴え、何度もチャンスを演出しました。トレーニングの成果だとすれば、ダロトとアントニーを派遣して指導を受けさせたくなります。

開幕からの懸案だったジャカの後継者問題は、ブライトンからお手頃価格で引き入れたオールラウンダーが解決してしまうかもしれません。マルティネッリやジンチェンコとの連携がスムーズだったトロサールは、チーム最多となる5本のシュートを放っており、今後もこのポジションで起用されそうです。

ウーデゴーアがキレキレだったアーセナルは、公式戦5連勝。直近2試合で3アシストの冨安と、左サイドに流動性をもたらすトロサールが元気なら、昨シーズンの破壊力を取り戻せるのではないでしょうか。チャンスを活かせなかったマルティネッリとジェズスは、次のルートン戦に期待しましょう。美しい2発の残像が脳裏をよぎり、今もテンションが上がりっぱなしです。


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