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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【West Ham×MAN.UTD】納得の2-0…戦い方が明快なチームと余裕なきチームのコントラスト。

プレミアリーグ18節のウェストハム戦は、2-0で完敗。マンチェスター・ユナイテッドは、8位に転落してしまいました。今季公式戦で11勝2分13敗。62試合を戦った昨季は41勝9分12敗で、負けた試合数は既に上回っています

2023年の20敗は、1989年と並ぶクラブ史上ワースト。クリスマスを前にしてこれだけ負けたのは、リーグで最下位だった1930年以来だそうです。プレミアリーグ開幕から18戦で18ゴールという深刻な得点力不足は、15ゴールの1973-74シーズン以来50年ぶりで、史上4番めに低い数字です。4戦連続ノーゴールは、1992年11月にやらかしてからは1度もありません。

こんな数字を並べると、テン・ハフの戦績がいかに悪いかと思ってしまいますが、52勝11分25敗で勝率59.1%はサー・アレックス・ファーガソンの59.7%に迫る歴代2位。昨季FAカップ準決勝のブライトン戦のPK戦を勝利でカウントすると、御大を抜いてTOPです。2つの国内カップでファイナルに進出した初年度は素晴らしい戦績で、数字だけ見れば解任は時期尚早でしょう。

余談ですが、かつてジーニアスと煽られたデヴィッド・モイーズは、昨季の開幕からの94試合を53勝11分30敗で駆け抜けています。ハマーズの直近2シーズンの勝率56.3%をマン・ユナイテッドに当て込むと、ファーガソン、テン・ハフ、モウリーニョに次ぐ4位。それぞれのクラブにトロフィーを持ち帰ったテン・ハフとモイーズは、いずれも今季限りという噂があります。厳しい…。

さて、本題に入りましょう。ロンドンスタジアムに乗り込んだマンチェスター・ユナイテッドはCBがおらず、そろそろ36歳になるジョニー・エヴァンスと19歳のウィリー・カンバラという親子のようなコンビでした。SBはワン=ビサカとルークショー、中盤はメイヌーとマクトミネイ、2列めはアントニー・ブルーノ・フェルナンデス、ガルナチョで、ワントップはホイルンドです。

敗因を2つ挙げると「前半の決定機を活かせなかった」「ハマーズ相手にやってはいけないことを繰り返した」。クドゥスのバックパスを拾ったアントニーのスルーパスで、ガルナチョが左から抜け出した35分のミスは痛恨でした。17番はトラップしてからのプレイをイメージできておらず、インサイドで右隅と決めたときには重心が前に入りすぎ、GKの正面に打ってしまいました。

さらに39分、ルーカス・パケタから自陣で奪ったアントニーがすかさず左へ。足を出したマヴロパノスが外に逸らすと、縦に抜けたガルナチョは直前に中を見ており、凄いスピードで追ってくる選手がいるのはわかっていたはずです。中に出さず、縦に持っていればと悔やまれるシーンでした。スライディングで止めたのは、奪われたルーカス・パケタ。素晴らしいのひとことです。

アントニーがダイレクトでグラウンダーを入れた44分のチャンスは、ホイルンドが決められない理由を浮き彫りにしました。優しいボールを入れたウインガーは、ストライカーがニアに入ってくることを想定していたのだと思われます。しかし11番は一瞬足を止め、マヴロパノスの外に出たときには、ボールは目の前を通り過ぎていました。

プレミアリーグ14試合でシュート18本は、イヴ・ビスマやルイス・ダンクと並ぶ92位。オンターゲット7本はファン・ダイクやデクラン・ライスと同じ75位で、いずれもエースの数字ではありません。ハマーズ戦はシュートゼロで、タッチ17回、パス成功は7本のみ。味方と信頼関係を築けず、ほしいボールをもらえなかったホイルンドは、57分にラシュフォードと交代となりました。

キックオフから主導権を握っていたマンチェスター・ユナイテッドに対して、ウェストハムは自陣で耐えるのを苦にしていませんでした。今季の彼らの特徴的なスタッツを、いくつか紹介しましょう。カウンターから6ゴールはリーグNO.1。1試合あたりのインターセプト9.9回はフラムに次ぐ2位で、手数をかけない直線的なアタックには要注意です。

左からのアタック比率40%は1位で、中央からの23%はワースト。ただしシュートエリアは74%が中央で、これを上回るのはブレントフォードだけです。サイドアタックから中央で仕留める形と、カウンターが基本的な得点パターン。ルーカス・パケタやウォード=プラウズにボールが渡ったとき、外にいるボーウェンや中央のクドゥスから目を切ってはいけません。

土曜日の最初の失点は72分。右サイドのボーウェンからパスを受けたルーカス・パケタに誰もいかず、ボックス内でスペースをケアしていただけだったルーク・ショーとカンバラは、ラインの裏に走ったボーウェンを見ていませんでした。絶妙な浮き球が通り、アタッカーの目の前にはオナナのみ。コースは空いておらず、外に弾き出せる可能性のほうが高そうに見えます。

夏に加わった守護神がセオリー通りにニアをケアしていれば、足で防いだボールがボーウェンにヒットしてゴールという形にはならなかったでしょう。ダメ押しは6分後、インターセプトからのカウンターを得意とするチームに、メイヌーのトラップミスはごちそうです。ルーカス・パケタから前線にボールが出たとき、エヴァンス&カンバラ親子がいたのですが…。

右にもって左隅というフィニッシュを描いていた14番に対して、2人のCBはコースを切れず、打たれた瞬間は棒立ちでした。好調クドゥスは11月以降6ゴールで、スタジアムのフェンスに座るゴールセレブレーションは定着しそうです。かくして必然の完敗。20%台のポゼッションでガナーズとスパーズを屠ったハマーズと戦う際は、長いボールの出どころを押さえるのは鉄則です。

最後にひとつだけ。クドゥス、ボーウェン、ルーカス・パケタ、ウォード=プラウズ、エドソン・アルバレス…ハマーズはいいチームになりましたね。苦しい状況が続きますが、6位に2ポイント、4位に8ポイントは射程圏内と前向きに考えましょう。「ニューカッスルのダン・アシュワースSDがマンチェスター・ユナイテッドに加わる見通し」という明るいゴシップを信じつつ。(ルーカス・パケタ 写真著作者/ Egghead06)


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