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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

守備力を高めると、ゴールは減少…マンチェスター・シティが攻守のバランスに悩まされる理由。

プレミアリーグの後半戦に入ってから、アーセナルとリヴァプールは好調をキープ。フラム戦を2-1で落とした後、6連勝のアーセナルは25ゴールを決めており、アルテタのチームとの直接対決で敗れたリヴァプールも24ゴールをゲットしています。ともに6勝1敗のライバルに対して、マン・シティは6勝1分。勝ち点は上回っているものの、14ゴールに留まっています。

入れ替わりの偽9番で戦った2021-22シーズンは、公式戦150ゴールでプレミアリーグ99ゴール。PKを蹴るマフレズが最多の24ゴールで、プレミアリーグのチーム得点王は15発のデブライネでした。トレブルを達成した昨季は、トータル151でリーグは94ゴール。ハーランドが52発と猛威を奮い、途中出場が多かったフリアン・アルバレスも17発をゲットしています。

ハリー・ケインの獲得に失敗し、ストライカー不在のシーズンを過ごしたペップは、ハーランドを迎え入れて盤石かと思いきや、攻守のバランスを取るのに苦労しています。26試合を終えた今季は、リヴァプールよりひとつ少ない59ゴール。前年の同時期より7つ減っており、失点26はひとつ増えています。直近のプレミアリーグ3試合3ゴールは、彼ららしくない数字です。

4連覇をめざす絶対王者に、何らかの異変が生じているのでしょうか。ロドリ不在のウルヴス戦とアーセナル戦で連敗を喫した後、チェルシーと4-4、トッテナムと3-3という派手な殴り合いを演じたチームは、11月に入ってから8試合連続失点と守備に課題を抱えていました。アカンジやマテウス・ヌニェスがロドリをサポートする当時の布陣は、うまくいったとはいえません。

年明けから失点が減った理由のひとつは、ジョン・ストーンズの復帰でしょう。後半戦に入って、彼が先発した4試合は失点1。ただし直近のブレントフォード戦とボーンマス戦は、いずれも1-0という冴えないスコアに終わっています。1月に戻ってきてから4試合連続アシストのデブライネが6分しかプレイしておらず、ジェレミー・ドクを後半からとしたのも苦戦の原因でしょう。

マン・シティの守備の不安を象徴する数字が2つあります。ひとつは、今季プレミアリーグで2番めに多いファストブレイク(カウンター)からの失点6。ペップ就任以来、最多だった4失点を既に上回っています。2つめは、試合で最初に喰らったオンターゲットの失点14。これらの数字をレポートした「アスレティック」のサム・リー記者は、彼らの課題についてこう記しています。

「デブライネ、ハーランド、ジェレミー・ドク、フィル・フォーデン、フリアン・アルバレスといった選手たちは、チームに多くの利益をもたらし、大量のゴールを創出している。シティがタイトル争いで絶好のポジションをキープできるのは、彼らの存在が大きい。しかし、グアルディオラは彼らをフルに活かすために、その力をより我慢強い選手で相殺している」

「昨シーズンのビッグゲームはその典型だった。デブライネとハーランドは、ロドリの前にいたジャック・グリーリッシュ、ベルナルド・シウヴァ、イルカイ・ギュンドアンに囲まれてプレイしていた。これに対して、先日のチェルシー戦では、ドク、フォーデン、デブライネ、アルバレス、ハーランドがロドリの前で先発している。火力は高いが、コントロールが効かない」

「グリーリッシュやギュンドアンのような選手は、ドクやフォーデンとは異なる力があり、タッチ数が多く、慎重にプレイする傾向が強い。グアルディオラは、よりダイレクトなプレイをする選手を補うために、彼らのスタイルを必要としているのだ」

得点力とバランサーとしてのセンスを両立させていたギュンドアンの退団は、想像以上に大きかったというべきか。ハーランドにドク、フリアン・アルバレスまで加えるのは、やりすぎだったのか。ペップは現状を認識しているようで、カウンターからの失点の多さを問われたとき、攻撃のスピードを問題にしています。

「もっとクイックに攻めると、やられてしまうだろう。 ニューカッスル戦でもそうだった。正直、そんなことは考えもしなかったけど。もちろんファストブレイクは好きではない。トランジションもね。でもときどき、速攻を仕掛けたくなってしまう。そして時には、トランジションをうまくやっている相手を称えなければならなくなる」

より多くのゴールを手に入れ、失点を最小限に抑える。フットボールを続ける限り、不可避のテーマについて、名将はどんなソリューションを示すのでしょうか。ジョン・ストーンズ、アカンジ、マテウス・ヌニェス、リコ・ルイス、ナタン・アケ、あるいはコヴァチッチ…。毎試合、布陣を変えてチューニングし続けているペップが辿り着くベストアンサーに注目しましょう。


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