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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Tottenham】サラー、ガクポ、エリオット…サイドを制したリヴァプール、怒涛の4発!

リヴァプールが敗れれば、今季プレミアリーグの優勝争いは終了。トッテナムが負ければ、アストン・ヴィラはラスト2戦を1勝1敗でTOP4が確定します。アンフィールドで開催される36節の一戦は、2023-24シーズンを盛り上げてきた2チームのいずれかがチャレンジを終えようとする戦いです。

トッテナム・ホットスパー・スタジアムの7節は、カーティス・ジョーンズとジョッタをレッドカードで失ったレッズが必死の守備でスパーズの猛攻をしのぎ、ドローで終わるかと思われたラストプレーでマティプがオウンゴールを突き刺してしまった一戦でした。誤審で取り消されたルイス・ディアスのゴールを忘れられないレッズサポーターも、少なくないでしょう。

クロップ監督がアンフイールドで指揮を執るのも、残り2試合。ピッチの11人は、現在のベストメンバーでしょう。GKアリソン、DFアーノルド、クアンサー、ファン・ダイク、ロバートソン、MF遠藤航、マック・アリスター、エリオット、FWサラー、ガクポ、ルイス・ディアス。一方、3連敗という悪い流れを変えたいポステコグルー監督は、4-3-3にモデルチェンジしています。

GKヴィカーリオ、DFペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、エメルソン・ロイヤル。MFベンタンクール、イヴ・ビスマ、パペ・マタル・サール、FWクルゼフスキ、ソン・フンミン、ブレナン・ジョンソン。キックオフからしばらくは、アグレッシブなプレスを仕掛けるスパーズのペースで、4分に敵陣で奪ったロバートソンのクロスはヴィカーリオの守備範囲です。

エリオットのパスを受けたサラーが、左足アウトでクロスを入れたのは8分。ヴィカーリオが触ったボールがバーに当たると、足元に収めたルイス・ディアスはシュートコースを塞がれました。1分後、ドリブルで上がったエリオットが外のサラーにラストパス。左足のシュートはGKがセーブし、こぼれ球を拾ったエリオットの一撃は、ゴールライン上にいたロメロがブロックしました。

リヴァプールの先制は15分。遠藤航が左サイドに出たガクポに展開し、完璧なクロスがゴールの右に上がると、走り込んだサラーのヘッドがヴィカーリオのグローブを弾いてラインを越えました。22分にガクポの縦パスを受けたルイス・ディアスは、ファン・デ・フェンの裏を取ってGKと1対1になりますが、縦に持ったためにコースがなくなり、混戦からCKを得るのが精一杯です。

33分に自陣からスプリントしたのはルイス・ディアス。逆サイドから上がったサラーにラストパスが通り、左足のシュートで決まりかと思いきや、必死に戻ったエメルソン・ロイヤルがボールをさらってCKに逃れました。36分のサラーのクロスは、ロメロがクリア。落下点にいたロバートソンのボレーも、17番が頭でブロックしています。

サラー、エリオット、ガクポが絡んだ41分の中央突破はカットされ、こぼれ球を叩いたアーノルドのミドルはエメルソンがブロック。拾ったSBがファーに浮かすと、ルイス・ディアスのバイシクルは右に切れていきました。1分後、敵陣ボックスでエリオットが奪い、シュートのこぼれ球をマック・アリスターが右に展開。切り返しからのアーノルドの一撃はバーの上です。

45分の追加点は、ハイテンポなアタックでした。マック・アリスターが右サイドのアーノルドに展開し、クロスがファーに上がると、ロバートソンは打つと見せかけて中央にパス。サラーのダイレクトショットをヴィカーリオが弾き、詰めたロバートソンが無人のゴールに転がしました。シュート数14対1、オンターゲット8対0。2-0の前半はリヴァプールが支配する時間でした。

後半開始直後、遠藤航が自陣でイヴ・ビスマに奪われたピンチは、ラストパスをクアンサーがカット。49分にルイス・デイアスのサイドチェンジがサラーに届くと、体を入れて奪ったエメルソンは、背後から迫ってきたエリオットにさらわれてしまいました。ファーに入れた19番のクロスを、ガクポが頭で叩きつけて3-0。レッズサポーターのチャントのボリュームが上がっています。

54分にペドロ・ポロのアーリークロスがブレナン・ジョンソンに届き、倒れ込みながら放ったヘッダーはアリソンがキャッチ。スパーズの初めてのオンターゲットは、3点のビハインドを背負った後でした。59分、アーノルドのサイドチェンジがロバートソンへ。クロスを足元に収めたサラーが後ろに落とすと、中に斬り込んだエリオットの美しいミドルが左隅に吸い込まれました。

ポステコグルー監督は、4-0となった直後に失敗を認めるような3枚代えを敢行。クルゼフスキ、ベンタンクール、エメルソン・ロイヤルを下げ、リシャルリソン、ジェームズ・マディソン、オリヴァー・スキップです。クロップ監督が動いたのは64分。遠藤航とロバートソンのポジションに、ジョー・ゴメスとバイチェティッチが入っています。

ふくらはぎを痛めたバイチェティッチは、カラバオカップのレスター戦以来、6ヵ月ぶりです。66分、ジェームズ・マディソンのミドルはクロスバーの上。レッズのラインが間延びし、サイドからのアタックが増えたスパーズは、73分に1点を返しました。イヴ・ビスマの縦のスルーパスで上がったブレナン・ジョンソンがグラウンダー。フリーで流し込んだのはリシャルリソンです。

75分にマック・アリスターとルイス・ディアスが下がり、ダルウィン・ヌニェスとフラーフェンベルフ。ポステコグルー監督は、パペ・マタル・サールをロ・チェルソにスイッチしています。左から上がったオリヴァー・スキップが、ゴール前で空いたリシャルリソンにパスを通したのは77分。落としを受けたソン・フンミンが、左隅に2点めを叩き込みました。

80分に右サイドでダルウィン・ヌニェスとファン・デ・フェンが競り合い、こぼれ球をさらったエリオットからサラー、ガクポと左につながると、ボックス右に出た浮き球をエリオットがファーへ。フラーフェンベルフのボレーがバウンドして中に入ると、そこにいたのはサラーでした。ゴール前2メートルから押し込むだけでしたが、まさかのミスタッチで右に外してしまいました。

87分、左からのロングフィードでラインの裏に出たのはリシャルリソン。左足のシュートをアリソンが止めていなければ、勝負はわからなくなっていたでしょう。ジェームズ・マディソンが入るまではシュート3本、オンターゲット1本だったチームは、ラスト30分で打った8本のうち5本を枠に収めています。はまらなかった布陣を早く変えていればと悔やまれる敗戦でした。

4-2で勝ったホームチームは、3位以内が確定。サラー、ガクポ、エリオットは全員1ゴール1アシストで、アーノルドのロングフィード、アリソンのビッグセーブ、最後に1対1を決められなかったダルウィン・ヌニェスと、リヴァプールらしさを満喫した一戦でした。サイドを崩されたスパーズは4連敗。TOP4の条件は、ヴィラが1分1敗以下で自らが3連勝です。

自軍の選手たちとハグをかわし、アウェイチームを称えたクロップ監督は、ゴール裏に向かっていつものガッツポーズを連発。「もしかしたら、これを見るのは最後かもしれない…」。握りしめた拳を見つめながら、ひとつの時代が終わろうとしているのを実感しました。アンフィールドの最終節は、2週間後に迫っています。


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