2026.05.05 プレミアリーグ観戦記
就任初年度に優勝したのに…!アルネ・スロット監督にサポーターの非難が集まる理由とは?
昨シーズンのリヴァプールは、5節のボーンマス戦から26試合連続無敗という快進撃で、独走の優勝を遂げています。カラバオカップでも決勝に進出しており、チャンピオンズリーグのラウンド16のパリ戦は、PK戦での惜敗でした。プレミアリーグのアウェイで全試合ゴールは、クラブ史上初。サラー、ガクポ、ルイス・ディアスは、公式戦トータルで69ゴールをゲットしました。
対して2025-26シーズンは誤算だらけで、苦しい1年となりました。ディオゴ・ジョッタの不慮の死、アレクサンダー=アーノルドやルイス・ディアスらの退団、レオーニ、イサク、ブラッドリーの長期離脱…。ヴィルツとケルケズはスロースタートで、サラーがこれほどのスランプに陥るとは想像できませんでした。ファン・ダイクも、以前のような鉄壁のCBではありません。
就任初年度にフェデリコ・キエーザしか獲得しなかったのが、2年めの悪戦苦闘につながった感があります。9月末からの公式戦で3勝9敗と絶不調に陥り、年明けからのプレミアリーグは5試合連続で勝利なし。マック・アリスター、フラーフェンベルフ、ガクポが前年のクオリティをキープできなかったのも、シーズンを通じて18敗も喫してしまった理由のひとつでしょう。
17勝7分11敗で4位という現状を、優勝を争えなかったとバッサリ斬るのか、最低限のラインをキープしたと考えるのかは、意見が分かれるところでしょう。もちろん、すべてをアクシデントと補強の失敗のせいにするわけにはいきません。アレクサンダー=アーノルドの役割を補完する術を見出せず、ヴィルツを活かす布陣を探り当てるのに時間がかかったのは、指揮官の責任です。
とはいえ、チャンピオンズリーグの出場権を確保できれば、新たなシーズンで巻き返すのみ。ユルゲン・クロップはチャンピオンズリーグで勝つまでに3年半を要し、ミケル・アルテタが初めてリーグ優勝に近づいたのは4年半が過ぎてからでした。初年度にいきなり優勝し、2年めをTOP5で終えた監督を見切るのは、あまりにも厳しいジャッジです。
あらためて、問いたくなります。スロット監督が非難され続けるのはなぜか。彼に足りないのは、「愛され力」ではないでしょうか。たとえばわかりやすい看板がもたらす共感、実績が醸し出す期待感、クラブへのロイヤリティに基づく信頼感。かつて「スペシャルワン」と自称したモウリーニョは、復帰した際に「ハッピーワン」とアピールし、ファンの心をつかんでいます。
ユルゲン・クロップの「ヘヴィーメタル」「フルスロットル」「ゲーゲンプレス」も、停滞していたクラブに新しい風を吹き込みました。ペップ・グアルディオラには確固たる実績があり、ケニー・ダルグリッシュやミケル・アルテタはクラブのレジェンドという信頼感がありました。スロット監督は冷静かつ賢明ですが、看板も実績もクラブとの関係もありませんでした。
過去20年でビッグ6の監督に就任し、3年めを迎えた監督を書き出してみましょう。ジョゼ・モウリーニョ、ユルゲン・クロップ、ロベルト・マンチーニ、マヌエル・ペジェグリーニ、ペップ・グアルディオラは、ビッグクラブを率いた経験や欧州での実績がある監督でした。スールシャールとアルテタは、サポーターたちが現役時代の勇姿を知っている監督です。
中小クラブからのステップアップは大半が短命ですが、ハリー・レドナップ、マウリシオ・ポチェッティーノ、ブレンダン・ロジャースは、2年以内に前任者を上回る結果を出しています。スロット監督の前任はタイトルをすべて獲得しているうえに、あまりにも愛され力が強く、そもそも難しい船出だったのでしょう。ファーガソンやヴェンゲルの後釜が悩まされたように。
さらにもうひとつ、選手をひたすら走らせたポチェッティーノや堅守を築いたアルテタのような「尖り」がなく、期待感が高まらないのも支持されにくい理由のひとつでしょう。負けるたびに非難され、ジェラードやシャビ・アロンソの名前が挙がっていますが、クラブからの信頼は厚く、何とか3年めに突入するようです。若き指揮官の輝かしい未来を祈る次第であります。
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