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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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苛立つロペテギ…主力大量放出のウルヴスは、プレミアリーグに残れるのか?

シティズンのみなさん。クラブがいきなり、「ハーランドとデブライネとロドリを売る」と発表したら、どう思われますか?グーナーなら「ジェズス、ウーデゴーア、デクラン・ライスとサカも放出だ」と聞いたときの気持ちを想像してください。

これはホラーではなく、今や実際に起こりえる話です。大型補強に失敗し、FFPをケアしなければならなくなったチェルシーは、カイ・ハヴェルツ、メイソン・マウント、クリバリ、コヴァチッチら主軸を含む20人以上を放出しています。資金力がある彼らは有望株を獲得しているため、悲惨な話にはなっていないものの、余剰戦力を売れなかったら厳しい開幕を迎えることになっていたでしょう。

昨今の移籍金の高騰によって、経営のリスクは高まっており、サウジアラビアのレスキューがなければ一気に転落するクラブも出てきそうです。たとえば降格となったレスターは、ジェームズ・マディソン、ハーヴィー・バーンズ、ティーレマンス、ジョニー・エヴァンス、ソユンチュ、アヨゼ・ペレスらを次々に売り、獲得した即戦力はハリー・ウィンクスとコーディーのみ。2019-20シーズンから、2年連続でTOP4争いに食い込んだ彼らの復帰は、少し先の話になるかもしれません。

レスターのやりくりも興味深いのですが、今回取り上げたかったのは、FFPの条件をクリアすべく苦しんでいるウォルヴァー・ハンプトンです。2018-19シーズンにプレミアリーグに復帰したクラブは、ホルヘ・メンデスとのネットワークと上海に本拠地とする復星国際の潤沢な資金によって、いきなり7位でシーズンを終えました。

ルイ・パトリシオ、ルベン・ネヴェス、ジョアン・モウティーニョ、エルデル・コスタ、ディオゴ・ジョッタ、ペドロ・ネト。地元ではスターのポルトガル人たちは、コネクションがなければウルヴスに来るようなプレーヤーではないでしょう。ラウル・ヒメネス、ウィリー・ボリ、ダニエウ・ポデンスも、ポルトガルでプレイしていた縁で招かれています。

2019-20シーズンにヨーロッパリーグで戦ったクラブは、補強の失敗を繰り返しながら沈んでいきました。2020年の夏に獲得したファビオ・シウヴァは機能せず、セメドとフーフェルも成功とはいえません。翌年に獲得した12人のうち、レギュラーに定着したのは守護神のジョゼ・サだけでした。

昨夏のマテウス・ヌネス、マテウス・クーニャ、ファン・ヒチャン、ジエゴ・コスタには大いに期待されたのですが、ブルーノ・ラージ監督は彼らの強みを引き出せず、フレン・ロペテギに再建が託されました。家族の事情で、ウルヴスからのオファーを一度断った名将は、引き受けたことを後悔しているかもしれません。

ウェストミッドランドの決算は、一昨年は4500万ポンドの赤字で、昨年は約7000万ポンドの損失を計上しています。3年間のマイナスを1億500万ポンド以内に抑えなければならないというルールに対して、シーズンが始まる前に1000万ポンドほどオーバーしていました。

この夏、経営ボードは聖域なきリストラを敢行。コナー・コーディ、ネイサン・コリンズ、ラウル・ヒメネス、ルベン・ネヴェス、川辺駿、ジエゴ・コスタ、ジョアン・モウティーニョを手離したクラブの補強は、ブバカル・トラオレを完全移籍に移行し、マット・ドハーティーをマドリードから呼び戻しただけです。

「テレグラフ」のジョン・パーシー記者は、「復星国際はクラブを売りに出してはいない」「今後も全力で取り組むと表明し、8000万ポンドを投資している」と伝えています。それでもFFPの恐怖は去ったとはいえず、ポデンスやホニー・カストロを売却する可能性があるそうです。

クラブの方針が伝わってこず、ストレスを溜めている指揮官は、ミッションを全うできるでしょうか。戦力が足りなかったために不振に陥ったのに、指揮官が責任を取らされるという結末は回避していただければと願っています。

ウルヴスだけでなく、FFP違反を指摘されたエヴァートンや、大型補強を敢行したノッティンガム・フォレストも心配です。中小クラブが転ばないためには、「安く引き入れた自前の選手を育てて高く売る」は必須の取り組みでしょう。デッドラインデーまで、残り33日。ウルヴスはさらに出すのか、即戦力や若手を加えるのか…?(フレン・ロペテギ 写真著作者/ Кирилл Венедиктов)


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