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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「プレミアリーグのPK成功率がレコード」は、レフティの比率が過去最高であることと関係あるのか?

プレミアリーグを詳細にチェックし続けているプロとはいえ、よくぞこんなデータに気づくなと思います。「Why left-footers are behind record penalty conversion rate in the Premier League」と題した記事をリリースしたのは、「アスレティック」のリアム・サーム記者。大学でフットボールのコーチングとマネジメントの学位を取得している気鋭のジャーナリストです。

「プレミアリーグのPK成功率が過去最高を記録し、レフティが増えている」。テーマもさることながら、書き出しの一文がそそります。「PKのxG(ゴール期待値)が0.78であることを、不思議に思ったことがあるだろうか。その理由は、実際の成功率が78%だからだ」。2023-24シーズンは、この数字が過去最高の92%に跳ね上がっているそうです。

2001-02シーズンの成功率は65.5%、これまでのレコードだった2013-14シーズンは83.9%。直近の4シーズンのうち3回は80%を超えています。最大の理由として記者が指摘しているのは、2019-20シーズンのルール変更です。キッカーが蹴るまで、GKはラインを踏んでいないといけなくなったため、コースを読んで飛んだ際に触れる範囲が狭まっています。

記者が指摘するもうひとつの理由は、賛否両論ありそうですが、「VARの導入によって、選手が待たされることに慣れた」。これは、証明しようがありませんね。「昨季プレミアリーグで8本中4本を外したミトロヴィッチがサウジアラビアに旅立った」「10本中5本しか決めさせていなかったディーン・ヘンダーソンの出番が減った」のほうが、納得感は高いのではないでしょうか。

記事によると、キッカーの利き足にも変化があるようです。今シーズンの48本のうち、23本が左足。これはプレミアリーグ創設からの31シーズン中26シーズンの最終本数を上回っています。レフティ比率47.9%も過去最高。プレミアリーグ全体のアベレージは19.4%で、左利きの右ウイングやCBを意図的に入れるチームの増加が、この数字を後押ししているようです。

左右の成功率は、左足が84.7%で右足は79.4%。7本中6本をゲットしていたイヴァン・トニーや、6本中5本のハリー・ケインといった右利きのスペシャリストの離脱が、左利き比率や成功率の変化の原因となっている可能性があります。ちなみに今季のアーセナルは、サカ、ファビオ・ヴィエイラ、ウーデゴーア、カイ・ハヴェルツと全員レフティで、6本をすべて決めています。

左足の決定率の高さについては、「アスレティック」でGKを専門に分析しているマット・ピズドロウスキーさんが、「おそらくボールコントロールや読みを外す方法が、右足のシューターとは違うのだろう」とコメント。「プレミアリーグのGKは、右足のPKに対して41%の確率で右にダイブしているのに対して、左足だと30%しか飛んでいない」というデータを掲げています。

ここはチャレンジしましょう。私の説は「現状は」ですが、「左利きのほうがトリッキーなキッカーが少ない」。ブルーノ・フェルナンデスやジョルジーニョのようなコロコロをやる選手や、カラム・ウィルソンのように意図的に上を狙うキッカーが少なく、4本中3本のサラーと成功率100%のコール・パルマーは全力系。ワンステップのエンベウモも、左に強く蹴っています。

トリッキーなキックはスベる可能性が高いという仮説ですが、いかがでしょうか。さまざまな説が飛び交いましたが、ハーランド、サラー、コール・パルマー、サカ、ウーデゴーアといった左利きのスターがPK業界を席巻しており、決定率が高かったマック・アリスター、ハリー・ケイン、イヴァン・トニーが業界を追われたのは事実です。

最後にひとつだけ言い訳をさせてください。ブルーノ・フェルナンデスは先頃ロベルト・サンチェスに止められるまで32回連続成功で、「トリッキー=ダメ」というわけではありません。しかしながら今季は、なかなかPKをもらえなくて…


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