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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

サイドの攻防がカギ…マンチェスター・ユナイテッドVSリヴァプール、若干偏愛的プレビュー!

「ほんの少し、ほんの少しでいいんだ。プラスアルファのサポートを感じさせてほしい。アンフィールドでははっきりそれを味わった。リヴァプールファンにとって、この試合はいつもより大事なんだ、と」「今回は、われわれのホームで戦う。サポーターの数は、リヴァプールを大きく凌駕する。このゲームをスペシャルなものにするために、サポーターには、いつも以上の応援をお願いしたい」(ジョゼ・モウリーニョ)
「ユナイテッドは選手の相互理解が深まり、強くなっている。ヘンリク・ムヒタリアンもいる。彼が本来の力を発揮しているのは間違いない。”ああ、ユナイテッドね”と高をくくる人もいるかもしれないが、彼らは10月とは違う」(ユルゲン・クロップ)

モウリーニョ監督はチームとサポーターが一体となって戦うことを求め、クロップ監督は結果を出せるようになったホームチームを警戒しています。プレミアリーグ21節の最大の目玉カードは、マンチェスター・ユナイテッドVSリヴァプール、通称ノースウェストダービー。ディヴィジョン1とプレミアリーグを通算したリーグ戦の対戦成績は、マンチェスター・ユナイテッドの67勝45分55敗。オールド・トラフォードでは42勝25分16敗と圧倒的にリードしています。10月のアンフィールドでは、試行錯誤中だったモウリーニョ監督がゴール前にバスを停め、サー・アレックス・ファーガソン時代には見られなかった35%という低いポゼッション率でスコアレスドローに持ち込んでいます。サポーターとしては、枠内シュート3対1という前回のような神経戦ではなく、両者が攻撃力を十全に発揮したガチンコ勝負が観たいものです。プレミアリーグ2位と6位が激突するダービーの見どころを整理してみましょう。

公式戦9連勝、プレミアリーグ6連勝のマンチェスター・ユナイテッドに対して、直近3戦勝利なしのリヴァプール。サブの選手が主力の不在をカバーしていたモウリーニョ監督のチームに対して、クロップ監督はマネ、ヘンダーソン、コウチーニョ、マティプの穴を埋め切れていませんでした。まずは、4-3-3同士となるであろう両チームの離脱者をチェックしてみましょう。バイリーがアフリカに旅立ち、ロホの出場も微妙なマン・ユナイテッドは、スモーリングと好調フィル・ジョーンズで最終ラインを締める布陣になるでしょう。ズラタンは病み上がりですが、彼以外の攻撃陣は全員フレッシュ。マルシアル、マタ、ラシュフォード、リンガード、ムヒタリアンからサイドの2人を選ぶのは難しい作業です。一方、頼れるキャプテン・ヘンダーソンが復帰予定のレッズは、マネとマティプを欠いています。CBにはクラヴァンが入るとしても、マネの代わりを務められる選手は見当たりません。

勝負を左右するポイントは、「前線の配置」「左サイドを制するか」「セットピース」ではないでしょうか。クロップ監督は、フィルミーノ、コウチーニョ、ララナ。モウリーニョ監督は、ズラタンをトップに据えて、左にマルシアル、右にムヒタリアンを置くとみます。積極性が戻ってきたダルミアンとゴールの感触を思い出したマルシアルは、マネがいないレッズの右サイドを自陣に押し込むことができるでしょう。しかし逆のサイドでは、エレーラが中に入ってくるコウチーニョをつかまえ、バレンシアがミルナーのクロスを抑えられなければクリーンシートは望めません。何しろオールド・トラフォードですので、マンチェスター・ユナイテッドは序盤から攻めに出るはずです。試合が進むにつれて中盤がオープンになり、サイドの攻防を制したほうがハーフタイムを2-0、3-1で折り返す展開もあるかもしれません。

セットピースは、マンチェスター・ユナイテッドのほうにアドバンテージがありそうです。イブラヒモヴィッチ、ポグバ、スモーリング、フェライニと、高い打点からヘディングシュートを決められる選手を揃えたチームに対して、レッズはGKの対応と最終ラインのマークに課題を抱えています。CKやFKのリスクを最小限にするためには、アウェイチームはなおのことサイドで主導権を握らなければなりません。アンフィールドでは姿を見せなかったマタが登場し、精度の高いボールを入れてくるのは、クロップ監督のチームにとっては相当な脅威でしょう。

さらにもうひとつ、注目したいのは、2人の名将が揮う後半の采配です。モウリーニョ監督は、リードすれば選手交代のタイミングを遅らせ、サイドで張り合えるようにラシュフォードを入れたうえで、最後はフェライニ。ゴールがほしい展開になれば、60分過ぎからマタ、ルーニー、ラシュフォードを続々と投入してくるでしょう。難しいのは、クロップ監督のほうです。勝っている際はルーカス、エムレ・ジャンで中盤を埋めるとして、負けている状況ならどうするか。オリギはイメージできるのですが、やり方を間違えると消えてしまうスタリッジの活かし方がポイントです。EFLカップのセインツ戦で試した3-5-2はあるのでしょうか。スタリッジとオリギを前線に並べ、その後ろにコウチーニョかフィルミーノ。ミルナーとララナが両サイドから、ヘンダーソンは後方から前線を動かすボールをフィードする布陣です。シンプルな攻撃には強いマン・ユナイテッドの最終ライン+フェライニに、クロップ監督がどんな工夫を見せるのか。終盤の攻防も見逃せません。

盛り上がること間違いなしのノースウェストダービー。主力選手の競演もさることながら、「クラブ史上最多となるルーニーの250発めが決勝ゴール」「ウッドバーンが記念すべき初ゴールをビッグマッチでゲット」などといったドラマがあれば、「夢の劇場」は最高の雰囲気となりそうです。予想は不可能。「マンチェスター・ユナイテッドが勝つ」というのは、どこまでいっても願望です。私の最大の懸念は、「スカイスポーツ」のポール・マーソン氏がマンチェスター・ユナイテッド推しであることです。「リーグカップのサウサンプトン戦では、リヴァプールの最終ラインはよくなかった。イブラヒモビッチがフィットしていれば、リヴァプールは対処できないだろう」。…うーん、めっちゃシロウトっぽい予想ですね。外れるんですよね…マーソンさん。

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“サイドの攻防がカギ…マンチェスター・ユナイテッドVSリヴァプール、若干偏愛的プレビュー!” への4件のフィードバック

  1. MUFC より:

    私は渋い試合になると予想します。ユナイテッドは引いてリバプールを迎え撃つでしょう。

  2. yuto より:

    わかっていることですがモウリーニョ監督は話が非常に上手ですね。
    リーグカップ戦後のインタビューで煽られ、今回の会見で試合へのワクワクが増すばかりです。
    これまでビッグマッチでは慎重に戦ってきたユナイテッドですが、オープンに攻め合う展開の方が想像しやすいことに今の勢いを感じます。

  3. へんだーそん より:

    ワクワクする記事をありがとうございます。
    ユナイテッドのビルドアップを許さない展開を希望してます。両チームのアンカーの出来と両サイドのバチバチのバトルに期待してます!

  4. makoto より:

    MUFCさん>
    ルーニー、マタ、フェライニでしたね。緊張感の高い試合でした。10月より進化してます。

    yutoさん>
    頭のいいひとですよね。子どもっぽくもありますけど。

    へんだーそんさん>
    あらためて、クロップレッズはいいチームだなと思います。これからが楽しみですね。

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