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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

モウリーニョ采配は妥当だったのか…マンチェスターダービー、勝つための戦略と戦術。

Jose Mourinho ‘has milk and water thrown at him’ in furious dressing-room bust-up with Manchester City goalkeeper Ederson(マンチェスター・シティのGKエデルソンとドレッシングルームで激しく争い”ミルクや水を投げつけられた”ジョゼ・モウリーニョ)」。試合後、ピッチの外で新たなバトルが勃発していたようです。「デイリー・ミラー」が、プレミアリーグ16節のマンチェスターダービーの舞台裏をセンセーショナルに報じています。記事によると、試合ではリアクションサッカーに徹していたマンチェスター・ユナイテッドのボスが、タイムアップの笛が鳴った後は先制攻撃を仕掛けたそうです。アウェイチームのドレッシングルームに足を運び、「喜び過ぎだ。トーンダウンしろ」。彼の出身地の言葉を解するブラジル人のエデルソンと口論となったポルトガル人監督は、「ミルクや水を投げつけられた」と語っていますが、ペップはこれを否定しているようです。

「テレグラフ」の記述はさらにエキサイティングで、「選手やスタッフ20人を巻き込む騒動」「モウリーニョはペットボトルで頭を叩かれた」「ルカクがバトルに参加」「ミケル・アルテタが顔を殴られ負傷」「警備員が介入して何とか収束」と、プレミアリーグ制覇をめざす2つのクラブの場外乱闘をレポートしています。どこまでが事実でどこからが尾ヒレかは定かではありませんが、モウリーニョ監督がドレッシングルームに乗り込んでエデルソンと口論したことと、元アーセナルのセントラルMFの顔に傷跡があったのは事実のようです。いやー。ライバルの本拠地で勝ち点3を奪った直後に、喜ぶなというのは無理な注文でしょう。ボス、半年前のヨーロッパリーグ制覇の際は、トロフィーを抱えて全身で喜びを表現していたではないですか。ここはこらえて、4月のエティハドのドレッシングルームで喜びを分かち合うことをめざしていただければと思います。

さて、楽屋の話題はこのぐらいにして、ピッチのなかで起こった出来事にシフトしましょう。観戦記にコメントしていただいたみなさま、ありがとうございます。ペップVSモウリーニョらしい戦術的な試合だったため、多くの方の目線がそれぞれの戦略・戦術とその可否にフォーカスされていました。「バスを停めたモウリーニョ戦略は正しかったのか」「戦術的にペップが上回ったという結果ではないのか」…。試合をトータルに見れば、戦略的には双方勝者といっていいのではないでしょうか。モウリーニョ監督のチームが決定的なシーンを創られたのは、ビハインドを背負ったために前がかりになっていた最終盤に、デブライネのロングフィードがベルナルド・シウヴァに通ったシーンのみ。ロホがガブリエウ・ジェズスに翻弄されるなど、デュエルでアウェイチームが上回ったシーンはあったものの、すべてデ・ヘアが確実に火を消してくれました。ポグバがいないなか、パスワークに秀でたチームにスペースを与えないことを重視した戦い方自体は適切だったと思います。

ただし、私はモウリーニョさんのジャッジに対して1点だけ、「別な選択肢はなかったのか」と問いたい気分でもあります。ダヴィド・シルヴァにCKから先制されたのは誤算でしたが、デルフの判断ミスを見逃さなかったラシュフォードの同点ゴールで、「イーブンのままハーフタイム」というミッションは達成しました。コンパニをギュンドアン、ロホをリンデロフと双方痛んだCBを代えて始まった後半。マンガラを入れず、フェルナンジーニョをCBにコンバートしたペップには「先に決めて逃げ切る」という明確な意志が感じられました。ポイントは、ここです。ラシュフォードのニアへのクロスにリンガードがあと一歩まで迫るなど、CBフェルナンジーニョのサイドでマンチェスター・ユナイテッドがチャンスを創れていたセカンドハーフ序盤の攻防。このタイミングで先手を打つという決断はなかったのかと、聞きたい気持ちにかられるのです。

決して、結果論でいっているのではありません。ダヴィド・シルヴァに先制された後、即座に反撃に転じて追いついたハーフタイムのマンチェスター・ユナイテッドには、いい手応えが残っていました。リンデロフが落ち着くまでの時間を慎重に戦う必要はあったかもしれませんが、攻めに出られる感触を確かめられれば、勝負してもいいでしょう。開始9分という早い時間に勝ち越しゴールを奪われ、マンガラ投入で後ろを締められた後でも、残り時間があるうちにルカクかマルシアルを下げてファン・マタという戦術はあったはずです。

実際には、2枚めのカードが切られたのはラスト15分を過ぎてからでした。「何とか追いついてドローに持ち込む」、すなわち負けないことが目的ならこれでもいいと思います。しかし、それを許されるのは勝ち点で上回っているプレミアリーグ首位チームのほうです。オールド・トラフォードでのホームゲーム、55分からのスコアはイーブンではなくビハインド。勝たなくてはならない一戦だったにも関わらず、モウリーニョ監督の采配は3-2で勝つことよりも、1-3にされることを怖れていたように見えました。マン・シティのアタックをうまく封じてカウンターを狙うという「戦略」には納得していますが、先にゴールを奪うための策を講じなかったこと、リードされた後に2点を狙える時間の使い方を選ばなかったことについては、どちらかひとつは動くべきだったのではないでしょうか。「戦術」的には、モウリーニョ監督にドローという着地の可能性はあっても、勝者の資格はなかったのではないかと思います。

双方のミスが失点につながった1-2という結果は、まさに勝負の綾というべきものでした。アーセナル戦でもオウンゴール寸前のミスキックをデ・ヘアに拾ってもらったルカクは、守備に入ると冷静さを失いがちで、今回のようなミスが出る予兆はありました。2点めにつながったデブライネのキックはニアを狙っており、ルカクを狙い撃ちしたものではありませんでしたが、これを観たWBAあたりに綻びを突かれる前に、セットピースでストライカーにどこをケアさせるかは見直してもいいかもしれません。それはさておき。

同じ敗戦でも、「終始失点を回避しながらの1-2善戦」ではなく、「3-2をめざして勝ちにいく打ち手を繰り出したものの、叶わず1-3」のほうが私は納得感がありました。繰り返しますが、オールド・トラフォードで勝ち点を8つも離されている首位と戦っていたのですから。勝利のためにリスクをとったのは、ペップ・グアルディオラ監督でした。彼もまた、狙い通りにゴールを奪えたわけではありませんでしたが、意志と覚悟が感じられる素晴らしい勝利だったと思います。

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“モウリーニョ采配は妥当だったのか…マンチェスターダービー、勝つための戦略と戦術。” への17件のフィードバック

  1. voo より:

    負けた試合なのでその采配への批判は甘受せざるをえないですよね。

    その上でいうとチェルシー2期目のCLでPSGに逆転突破したときなんかを見るとモウリーニョは勝負をかける時間は長ければいいとは思ってない感じがします。3CFで勝負をかけるのは試合前から決まっていたがそれはあくまて短時間。それまでは相手を疲れさせるために耐える。一般にはリスクをとって攻撃する時間が長ければ攻撃的な采配となりますが、勝手な推測では安易なリスクをまわりがいかにとれと騒いでも一切聞かずに本当に勝負の時間まで待てることがモウリーニョ監督の戦術の一つの核心なんだと思います。

    私は一意見として尊重した上で戦い方で勝者の資格とか判断するのは嫌いでむしろはっきり結果論で判断すべきという考えです。
    強いものが勝つのではない勝った者が強いのだのベッケンバウアーにならって、彼に惨めに論破されたクライフ(あくまで一個人の見方ですが笑)のような美しいとか創造性と攻撃的な姿勢とかの戯言は全て犬にでも喰わせて(笑)勝ったからシティは強く正しかったという立場をとりたい感じです。
    モウリーニョも似たような考えでしょうから今後何かで勝たなければなりませんが、彼のやり方を変えるよりはぶれずに貫く方が何かしらを勝ち取る可能性は高いと思われます。

  2. グッチ より:

    感想戦やってくれませんかねぇ…
    ユナイテッドについて気になった点は、「シティにリードされた場合のプラン。」と「攻守セットプレーでのディテール」です。
    前者は、予想通り受けからの速攻を選んだモウリーニョは、相手が攻め急ぐ展開を期待していたと思いますが、そもそも相手が急がなかった場合(シティからすればドローでさえリーグ戦の消化として失敗では無い故)どうするつもりだったか。後者についてはモウリーニョのチームが強いチームである大きな要素のセットピースでミスが続くというのは中々に意外だったからです。守るチームが守れないのは致命的ですから。
    結果で全てが決まるという意見は全くもってその通りです。ただ90分終了までに展開されたピッチ上の出来事はそれ自体が結果ですから、勝敗を決するアプローチも(頭の中やロッカールームはともかく采配面では)結果論に組み込むべきだと私は考えます。
    今回勝ち点3を取りに行かなかったと言われても結果として仕方の無い展開は、モウリーニョがどう捌く予定で何を考え何を指示したから起きたのか、はたまたドローや1点差敗戦で許されると白旗を揚げたのか(これは無いでしょうが)、リーグ戦終わった後でいいのでBBC辺りがやってくれると嬉しいですね。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    モウリーニョはドレッシングルームでは攻撃的ですね

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    モウリーニョはドレッシングルームでは攻撃的ですね
    どちらともにも何かしらの処分があるかもしれませんね

  5. キャロット より:

    自分は守備的な戦術のくせに相手が守備的にきたら文句言いまくりだからな。

  6. makoto より:

    vooさん>
    誤解なきように添えると、私が「結果論でいっているわけではない」と書いたのは、「結果から逆引きして別なプロセスが正しかった」とするアンフェアな評価を排除したかったからです。vooさんがおっしゃる「勝ったほうが強い」は、「プロセス評価でなく結果評価とすべき」というお話で、言い換えれば「起こったことのみを結果で評価する姿勢」。結果から別な方法を是とするいわゆる結果論とは異質なもので、「評価」という観点では賛成です(エンタメという観点では、内容では勝っていたとか”たられば”はおもしろいのであり、ですが)。

    おっしゃるとおり、「負けた試合なのでその采配への批判は甘受せざるをえない」「勝ったからシティは強く正しかった」のだと思います。結果評価として。

    グッチさん>
    感想戦、いいですね。「シティにリードされた場合のプラン」は、私も聞いてみたいです。それによって、納得させられるかもしれません。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    いやー。

    キャロットさん>
    文句言いまくりだからな、の後はどんな言葉が続くのでしょうか。今回の試合とは関係ないお話ですね。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    前半は猛攻を凌いで後半は相手の集中力が少し薄れたところを突く(先制されてそうせざるを得なかったのかもしれませんが)、というプランだったのなら失敗はしていないんじゃないかと思います。

    やはり前半もう少し攻めて欲しかったと正直思ってしまいますが、ポグバがいなかった故にどれだけ自分たちに出来るかわからず、それでいて中途半端な攻めをすると逆にカウンターの餌食になる可能性もあったと考えると下手なことは出来なかったとも思えます。
    12.1月でのシティの失速を期待し、今年の優勝を諦めないのならば、冬にエジルをさっさと取ってポグバ無しでの攻撃の形を模索してみたり(マタで頑張るのもありですが)することもありなのではないでしょうか。
    まとめることが出来ず長文になってしまいすみません。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    早目に攻撃のカードを切りにいくことが、勝ちにいくこととイコールだとは思いませんけどね
    マタを投入して、明確に勝ちに行くぞという形にできたか、というのも疑問です

  9. プレミアリーグ大好き! より:

    前半は猛攻を凌いで後半は相手の集中力が少し薄れたところを突く(先制されてそうせざるを得なかったのかもしれませんが)、というプランだったのなら失敗はしていないんじゃないかと思います。

    やはり前半もう少し攻めて欲しかったと正直思ってしまいますが、ポグバがいなかった故にどれだけ自分たちに出来るかわからず、それでいて中途半端な攻めをすると逆にカウンターの餌食になる可能性もあったと考えると下手なことは出来なかったとも思えます。
    12.1月でのシティの失速を期待し、今年の優勝を諦めないのならば、冬にエジルをさっさと取ってポグバ無しでの攻撃の形を模索してみたり(マタで頑張るのもありですが)することもありなのではないでしょうか。
    まとめることが出来ず長文になってしまいすみません。

  10. プレミアリーグ大好き! より:

    負けたら勝ちにこだわってないことにされるんだから、監督ってのも大変ですね
    両者勝ちにこだわって、結果シティが勝った
    それだけの話です
    少なくとも自分は、この試合で生まれた全てのゴールにおいて、両監督の勝ちへのこだわりの差は感じませんでした

  11. ぼん より:

    個人的にはユナイテッドが夏にウィングを取れなかったのは本当に痛かったなと思っています。
    マルシャルの開花によりあまり触れられてはいませんがユナイテッドの攻撃陣のスカッドは正直トップ6のなかでも最下位だと思っています。

    もともと攻撃は選手のクオリティ任せなところがあるモウリーニョにとっては少ない人数でもなんとかできるクオリティを持つウィンガーは絶対必要な駒だと思います。

    リンガード、マタ、ラッシュフォードにもそれぞれ良さはありますが優勝を目指すなら正直物足りないと感じてしまいます。
    冬に右ウィングかトップ下で使える選手、次点でポグバの代わりを担えるセンターハーフは補強してほしいです。

  12. プレミアリーグ大好き! より:

    別チームのサポーターが曲がり通ります、失礼!
    今回のダービー、試合内容込みで前座感たっぷりだったマージーサイドダービー後に続けて観戦させてもらいました。

    試合の詳細については既にレポートされてるのでそこも拝読させてもらった上で本稿の方が興味深くコメントさせてもらいました。

    マージーサイドダービーは、両監督のビジョンがあまりにも眩しいコントラストを装って見て取れたので、その直後に観戦したことで何かしらのフィルターがあるまま観たという事実はありますが、この試合におけるモウリーニョのビジョンが見えなかったのが何とも残念でした。
    絶対にゴールを割らせない筋書きからの一発カウンターで勝負なのか、はたまたどつき合いを通り越した泥仕合に持ち込むのか。
    makotoさんが書かれた本稿の戦術論とはかけ離れてしまうのですが、そもそもモウリーニョは優勝請負人として名を馳せてるマネージャーなので、今回のダービーも手駒の中で『勝つ為の采配』を分かりやすく見せてほしかったです。
    これもまた結果論になってしまうのですが、最終的に『勝ちにこだわった』のはペップのシティーだったという、モウリーニョのお株を奪われたような結末に感じたのは僕だけでしょうか?
    それと、ここ数年モウリーニョの采配を見てて感じることが多いのは、中盤から前の編成の手詰まり感と言うか、持ち駒あれど使わず的な、用兵に関するバリエーションの少なさです。
    リソースがあるから尚更そう思うんです。
    あの試合を動かせる選手がいたとすれば、ズラタンではなくマタ以外に選択肢は無かったと思うんですよ。

    今回のダービーに関しては憎きといえど、少々この先のユナイテッドの行く末すら気になってしまう内容でした。

    ちなみに試合後のロッカールーム事件は、今回のダービーのオチとしてはなかなか楽しめました笑

    —–
    なぜか二重投稿が目立ちますな。サーバーの問題かしら。

  13. サッカー大好きっ子 より:

    更新お疲れ様です。
    セットプレー2発を不運と見るか、守備負担の増加が集中力の決壊を招いたと捉えるべきか…。ユナイデットは見ていて、もう少しポゼッションで体力回復すれば良いのにと思いました。選手交代についてはvooさんの考察に賛成です。マタ選手はスタートポジションを離れてプレーするのでシティの選手の足が動いてる時間での投入はリスク>メリットの判断により、あの時間での投入かと。
    ポグバ選手を加えてのアウェーでのリベンジに期待です!!

  14. プレミアリーグ大好き! より:

    結果論ではない云々は結果知ってから書いてるなら原理的にそれに全く影響されないことはありえないんでいらなかったかも。自信のない人の先回り正当化に見られかねなくもないし。分析そのものだけで語りその説得力で読者が自ずからこれは安易な結果論ではないと思わせるのがかっこいい。

    しかしシティでもユナイテッドでもない別のサポーターならその2チームより順位やら得点やら失点やら下のはずだけど、それで上のチームを行く末気にしてる場合なのかとかちょっとだけ茶々を入れたくなってしまいましたw

  15. タムコップ より:

    僕の投稿もなぜか二重に…。
    すみません、二つ目は削除していただければ…!

    序でにですが、「勝ちにこだわる」という言葉のそのものの捉え方ってのが、何気に難しいんだなあと皆さんの投稿を見ていて感じました。
    例えば僕の思う「勝ちにこだわる采配、戦術」は、とにかく得点することを大前提としたものです。
    人によっては、「点を取られないこと」をベースに考える方もいると思うんです。
    なので、先に投稿した中で「勝ちにこだわったのはペップ」という書き方をしたのは、僕が共感できた采配をしてたのはペップの方だった、ということでしたー!

  16. プレミアリーグ大好き! より:

    点の取り方ってのは、強固な守備を前提として相手の隙をついていくやり方、自分たちでボールを保持して回数そのものを増やしていくやり方と、そのほかにも色々あるわけです。
    先に出した例2つでは、モウリーニョが前者、ペップは後者といえるでしょう。
    どちらもやり方は違えど、結局は相手より多く点を取る、つまり勝ちにいってるのは間違いないですよね。
    ビハインドで守備ベースのやり方、勝負どころを待つやり方は、見てる方からすれば勝つ気がないように見られるかもしれませんが、結局のところモウリーニョの勝ち方はそれで、結果として今回はそれが上手くいかず負けたんだと思います。

    タムコップさんは共感できた采配をしたのはペップということを示してくれたので、勝ちにこだわったといえるのはペップだったと書いたことには理解ができます。
    管理人さんは、モウリーニョに対し、「モウリーニョの勝ち方でない勝ち方」を求めた上で勝者の資格はないと書くもんですから、なんだかおかしく見えてしまいます。先の指摘にあるものとはまた別のところでですが、予防線をはってるようなかんじですね。遠まわしにモウリーニョの戦術・戦略が嫌い、といってるようなかんじです。
    そこまでは思ってないかもしれませんが、モウリーニョのやり方は好みではない、とはっきりいうぐらいのほうが、各方面に対してすっきりさせることができると思います。

    長々と書いてしまいましたが、今後のユナイテッドについては、私はvooさんの最後の一文にすごく共感しました。何かで勝たないといけない、ということも含めて。

  17. This boy より:

    みなさま>
    ご意見ありがとうございます。前回の観戦記のコメント欄にて、モウリーニョ監督のそもそもの戦い方・コンセプトと、局面に応じた打ち手の話がごっちゃになったために論点がずれた感があったことを受けて「戦略」「戦術」を分けて書いたのですが、今回もそこが混戦しているところがあるように感じ、自らの表現の拙さを反省している次第でございます。

    あらためて書いたことをベースに整理すると、
    ・トータルではモウリーニョさんの「戦略」は妥当だったと思ってます。シーズンを通して築いてきたものを批判することはしておりませんし、今回の首位決戦においても、です。
    ・そのうえで、1-1のときに「別な選択肢はなかったかと問いたい」と書きました。選手交代もしくは戦い方のシフトチェンジ等、先に動くチャンスはあったと感じたからです。ここでひとつ、誤解があると思います。「モウリーニョ監督のスタイルではそれはやらない」と書かれている方がいますが、チェルシー戦、トッテナム戦、リヴァプール戦は早めに仕掛けています。私は、「モウリーニョ監督のスタイルは変えるべき」「現状のやり方は嫌いだ」といっているのではなく、「以前の戦術は、今回も有効に感じた」ということなのです。ベースの戦略と、個々の戦術を整理したのは、前者は納得ということをまず明確にしたかったからでもあります。そして、イーブンなら動かないという戦術も否定はしません。ただし、過去には先に揺さぶりをかけにいったこともあり、動いてもよかったのでは?と「問いたい」と思いました。
    ・私が「資格がなかったのではないか」と書いたのは、1-2とされてからの策が遅かった、すなわち「あの状況下で」2点を取れるような方法とは思えなかったからです。結果論ではなく、と書いたのは、「マルシアルをマタ」「ルカクをマタ、ラシュフォードを中へ」といいながら試合を観ていたこともあります。結果論なら、84分にビッグチャンスを創った2人は代えない方がよかったのでしょうね。そこを後付けでずらすのはアンフェアだなという思いもあり、そう書きました。

    「モウリーニョのスタイルは好みではないと書いた方がすっきりする」というご指摘に関しては、そっけなく返せば「好みではないとは思ってないのにそんなこと書けない」となりますが、そもそも上に書いたように「モウリーニョの勝ち方でない勝ち方を求める」ことをしていないというのが前提です。「リアクションサッカーという戦略=打ち手も先手は打たずに勝機を待つ」という、戦略と戦術をごっちゃにするようなイメージが、話をややこしくするのだと思います。モウリーニョさんが先に揺さぶりをかけたり、ゴールを狙いにいく姿を見てきたので、「マン・シティ戦もそっちのやり方もあったんじゃない?」と書いたということですね。いろいろなご意見、見方があり、それぞれ妥当だったりしますので、自説を押し通そうとは思っておりませんが、私自身にたいする誤解はないほうがすっきりするだろうと思い、そこに限定して付記する次第であります。

    —–
    ただボールを蹴って枠に入れるという単純な遊びなのにここまで戦術について議論ができるのですから、フットボールというのは本当に大したものです。
    何しろ自分の応援しているチームが「追う!走る!決める!」という単純なサッカーをしているもので、なおさら感心いたします。
    ペップもモウリーニョもトップクラスの監督であることには違いないので、これからの後半戦をどう逃げ切り、どう追いかけるのか、楽しみにしたいと思います。

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