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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「中立地開催にブライトンが反対」「豪州開催案が急浮上」プレミアリーグ再開プランの着地はいかに?

プレミアリーグの再開プランに、軋みが生じています。健康と安全が最優先とされているなかで、無観客試合という案には全クラブが賛成。強硬な反対意見が出ているのは、「中立地開催」です。「BBC」と「スカイスポーツ」が、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンのCEOポール・バーバ氏の主張を紹介しています。彼のクラブは、降格ゾーンと2ポイント差の16位。中断時のポジションのまま完了となるか、38節までの勝ち点で最終順位を決めるかで、クラブの運命が大きく変わる可能性があります。

「無観客に関しては、残りの試合を消化するために必要な措置であると理解している。しかし、シーズン終盤の重要な時期におけるニュートラル開催は、リーグ戦の公平性を完全に欠いてしまう。戦い慣れた環境でプレイできければ、明らかに不利だ」(ポール・バーバ)

ブライトンの残り試合を見てみると、ホームの5試合の相手はアーセナル、リヴァプール、マンチェスターの2チームとニューカッスル。地の利を活かしてもポイントを得るのが難しい強豪ばかりですが、アウェイの4試合はノリッジ、サウサンプトン、バーンリー、レスターと戦えるチームが揃っています。中立地開催は、ブライトンにとって不利にはならないのではないかと思えるのですが、彼が重視しているのは原則論なのかもしれません。

プレミアリーグの再開には、基本的なレギュレーションに対する全チームの承認が必要です。降格候補のCEOが、「フェアじゃないので今季の降格をゼロとする」という着地を引き出そうとしているなら、(良し悪しはともかく)交渉余地があるのですが、ピュアに正論を唱えているなら、非の打ちどころがないだけにやっかいです。再開プランの検討は、「ホーム&アウェイの無観客試合か、シーズンの中止」という二択になるのでしょうか。安全最優先で他国開催という案まで出ている状況で、従来通りの20都市開催に手を挙げるクラブは少ないでしょう。

他国開催案というのは、オーストラリアのパースに全クラブを集めるプランです。「ザ・サン」によると、当地在住のイギリス人エージェントのウィリアムズ氏が政府機関と交渉しており、プレミアリーグの複数クラブが賛同しているとのこと。「スカイスポーツ」の「サンデイサプリメント」では、「オーストラリアは、プレミアリーグのシーズン完了をホストする準備ができている」と伝えられています。厚生労働省の5月3日現在のレポートによると、イギリスが28000人以上の死亡者を出しているのに対して、オーストラリアは感染者が約6700、死亡者は93人。5月末からラグビー国内リーグの再開が決まっている国なら、より安全というわけです。

このアイデアを推すガリー・ネヴィルさんに対して、「ザ・タイムズ」のチーフスポーツ特派員のマット・ローレンさんは実現性に乏しいと主張。「最大の障害は、オーストラリア人の立場になればわかる。ヨーロッパで最悪の打撃を受けた国から2000人を引き受ける理由は?」と、現地のメリットが少ない案であると強調しています。

選手の移動が多いホーム&アウェイを強行すれば、主力の罹患による再中断や中止という最悪の事態を引き起こすリスクが高まり、安全を重視すればするほどリーグ戦のフェアネスから遠ざかる…。ローレンさんや、「ミラー」のフットボールライターであるダレン・ルイスさんがいうように、「今季プレミアリーグは降格ゼロと宣言するところからスタートしないと、話はまとまらない」のでしょうか。関係者全員が一致するのは、「プレミアリーグ2019-20シーズンがどんな形で着地となるのかが決まるまでに、もうしばらく議論を重ねる必要がある」ということだけのようです。


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