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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「夏に補強できなかったら…」現地メディアがプレミアリーグ20クラブの現状戦力分析!【ビッグ6・後篇】

「BBC」のクリス・コリンソンさんによる、プレミアリーグのクラブの戦力チェック。前篇では、若手と伸び盛りの選手の比率が高いリヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーを紹介させていただきました。後篇は、補強や入れ替えなしで次のシーズンに突入するのは難しいクラブを見ていきます。「Which Premier League squads need work in the transfer window?」と題された記事がクラブ別で掲載しているマトリクスは、年齢×出場時間比率で戦力構成を俯瞰できるようになっています。

30歳以上のレギュラーが多いクラブは、パンデミックの影響で補強予算が減額となれば、パフォーマンスを落とすリスクが高まります。ダヴィド・シルヴァが離脱予定のマンチェスター・シティは、フェルナンジーニョが35歳、アグエロとオタメンディは32歳。何かとお騒がせなカイル・ウォーカーも今月末には30歳で、今以上のパフォーマンスは望めないでしょう。次のシーズンにブレイクや巻き返しが期待できるのは、ラポルテ、ジョアン・カンセロ、ジンチェンコ、アンヘリーノ。中盤のクオリティUPを図るための人材はフィル・フォーデンとジンチェンコぐらいで、レロイ・サネがいなくなる可能性がある2列めとCBは明らかに補強が必要です。

アーセナルもまた、30代の主力が多いチームです。下り坂に入った感があるメスト・エジル、何かとミスが目立つパパスタソプーロスとダヴィド・ルイス。30歳になったオーバメヤンは絶対的な存在ですが、契約延長交渉が頓挫しており、スペインやプレミアリーグのライバルクラブに移籍するという噂が絶えません。2018年1月の入団以来、アーセナルがゲットした137ゴールのうち49ゴールを占めているエースがいなくなれば、アルテタ監督は抜本的な戦術変更を迫られるはずです。

「BBC」のマトリクスを見ると、「24歳以下×出場時間50%以下」の枠に10人がひしめき合っているのが目を引きます。ダニ・セバージョスはマドリードに帰るのか。ホールディングとキーラン・ティアニーはトップフォームを取り戻せるのか。メートランド=ナイルズ、エンケティア、ウィロック、ネルソン、スミス=ロウは強豪クラブにふさわしいレベルに到達するのか。マルティネッリとサカは、チェルシーのヤングスターたちのような大ブレイクを期待できるのか。2019-20シーズンに出場時間が50%を超えた若手はグエンドゥジだけでしたが、アルテタ監督が何人をレギュラークラスに引っ張れるかが、来季のポジションを決める重要な要素となりそうです。

「BBC」のアナリストが、「最も混乱しており、未解決の課題が多い」と評しているのは、ジョゼ・モウリーニョ率いるトッテナムです。最大のリスクは最終ライン。フェルトンゲンが離脱し、アルデルヴァイレルトは衰えが目立ち、セルジュ・オーリエのバックアッパーであるカイル・ウォーカー=ピータースは伸び悩んでいます。新戦力獲得が叶わなければ、タンガンガ、フォイス、ライアン・セセニョンらを育てながら戦うしかありません。ロリスとガッサニーガでまわしているGKも、モウリーニョ監督の悩みどころでしょう。

今季プレミアリーグで最多となる29人をピッチに送り出したチームは、中盤にも課題を抱えています。エンドンベレ、ジェドソン・フェルナンデス、ロ・チェルソ、ベルフワインは、プレミアリーグにフィットするための時間が必要です。ハリー・ケイン、ソン・フンミン、ルーカス・モウラ、デル・アリといった前線の主力がひとり欠ければ迫力を欠く布陣に、近年獲得した若いタレントをどう絡ませるかがCL出場権ゲットのためのキーポイントとなりそうです。完成度の高いスペシャリストを操って勝ってきたイメージが強いモウリーニョ監督は、原石の研磨、戦力の交通整理、戦術の見直しを同時進行でこなすことができるでしょうか。

夏に補強できなかったら…。「BBC」のレポートをフラットに受け取れば、リヴァプールが大本命で、セカンドグループはマンチェスター勢とチェルシー。ノースロンドン勢は、若手の抜擢がうまくいけばTOP4争い、試行錯誤が続けば再びレスターの後塵を拝することになりそうです。ブレンダン・ロジャース監督のチームは、24歳以下が10人、25歳~31歳のレギュラークラスは2人しかおらず、32歳以上が5人という「ベテラン&チルドレン混成軍団」です。ヴァーディー、ジョニー・エヴァンス、シュマイケルが今のパフォーマンスをキープできれば、引き続き上位を狙えるのではないかと思われます。以上、プレミアリーグの現状戦力分析、ビッグ6+1バージョンでした。スタジアムにサポーターが戻ってくるのは、来年以降になりそうですね…。


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