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指揮官退任のスパーズにまた一難…FIFAがファビオ・パラティチMDに30ヵ月の活動禁止を通告!

1-3から追いつかれたサウサンプトン戦の試合後会見で、選手たちを痛烈に非難したアントニオ・コンテ監督が退任。アシスタントのステリーニをヘッドコーチ代行に据えてリスタートしたトッテナムに、追い打ちをかけるような厳しいニュースが舞い込んできました。

マネージングディレクターを務めるファビオ・パラティチに、FIFAが30ヵ月の活動禁止処分を通告したというお話です。事の発端は、ユヴェントスの不正会計。2018年のクリスティアーノ・ロナウド獲得から、積極的な投資に打って出たイタリアの名門が、コロナ禍によって膨れ上がった赤字を操作した事件です。

2019-20シーズンからの2年で行われたとされる不正は、選手のサラリーカットに関わる会計処理と移籍金の水増しです。21-22シーズンに2億5430万ユーロという巨額の赤字を計上したことから、イタリア国家証券委員会、イタリア財務警察、監査法人デロイトの調査が入り、過去の不正が発覚したという経緯でした。

ユヴェントスに下されたペナルティは、勝ち点15の剥奪。不正に関与した面々も処分されました。アンドレア・アニエリ元会長とマウリツィオ・アリバベーネ元CEOは2年の活動禁止、フェデリコ・ケルビーニSDは1年4ヵ月、パヴェル・ネドヴェド元副会長は8ヵ月。SDだったファビオ・パラティチの2年半という重い処分は、当該事件の首謀者だったことを示しています。

この処分はイタリア国内に限定されており、プレミアリーグに参入していたパラティチMDに影響はなかったのですが、今回のFIFAの制裁が確定すれば、トッテナムでの活動も禁止となります。「報道を見て、FIFAに問い合わせた」というスパーズは、公式サイトに掲載したステートメントで、FIFAに説明を求めています。

「2023年3月29日に、FIFA懲戒委員会がFIGCの制裁を全世界に拡大する決定を下したと文書で回答があったのでお知らせします。委員会の審議は、関係者に対して事前通知せずに実施されたものです。われわれは、本件の詳細に加えて、FIGCの制裁との差異についてFIFAに明確化してほしいと要求しています」

1月に処分を受けたユーヴェは、4月に上訴する予定でした。当事者のパラティチMDもクラブも、FIFAがこのタイミングでペナルティをかぶせてくるという展開は想定外だったでしょう。とはいえ、ダニエル・レヴィ会長は、FIFAの処分は不可避だとわかっていたはずです。

最終的な着地はどうあれ、次の監督の選定を進めているクラブは、同じタイミングで新しいディレクターを招聘するのではないでしょうか。この件の短期的な影響は、契約満了の時期が近づいている選手が不安を募らせることです。強化を期待できる新体制を構築し、主力選手やサポーターを納得させたいクラブは、迅速に新体制を固めなければなりません。


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