偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグ2020-21シーズンにわれわれが目撃するのは、昨季のラ・リーガで14試合1ゴール2アシストに終わった平凡なMFか、2014FIFAワールドカップのゴールデンブーツか。つい先ほど、コロンビアのスターのエヴァートン入団が発表されました。「BBC」によると、ハメス・ロドリゲスの移籍金は2000万ポンド（約28億円）。2年契約で、1年の延長オプションが付いているそうです。「I am really, really happy」。マドリードで過ごした冴えないシーズンを忘れ、新たな気持ちでプレミアリーグのピッチに立てるのがよほどうれしかったのか、19番のシャツを着たプレーメイカーは「big」「massive」を連発して喜びを表現しました。

「ここで素晴らしいことを成し遂げ、勝利を得るのを楽しみにしている。それは、誰もがめざすことだろう。改善するために、よくするために来たんだ。チームの勝利に貢献したい。いいフットボール、おもしろいフットボールがしたい」

「カルロと彼のテクニカルスタッフとともに、大きなことを成し遂げられると確信している。サインした大きな理由のひとつは、カルロ・アンチェロッティの存在だった。 彼とは、異なる2つのクラブで素晴らしい時間を過ごした。それは、ここに来る極めて重要な理由だ」

ビッグネームの1本釣りに成功したイタリア人指揮官も、中盤の補強に手応えを感じているようです。CBの前のスペースをカバーしてくれるアランと、前線を動かすコントロールタワーとなるハメスの29歳コンビは、名将にとってベストチョイスでしょう。2人合わせて4250万ポンドはバーゲン価格。さらにワトフォードのドゥクレまで押さえられれば、中盤のクオリティや得点力不足に悩むことはなくなるはずです。

「ハメスは誰もが知るファンタスティックなプレーヤー。ストライカーをアシストできる多大なクオリティと能力がある。彼は、クラブのプロジェクトとわれわれが改善に向かっているという事実に非常に興奮しているようだ。今回のサインに、とても盛り上がってくれていたので、私は説得するための時間を費やさなかった。彼は既に決めていたからね」

「ハメスやアランのようなプレーヤーは、われわれがよりよくなるために貢献してくれるし、われわれは彼らの改善を助けることができる。 こういったつながりが、チームの戦績を向上させるのだ」

アランの左右にハメス・ロドリゲスとドゥクレを配する4-3-3か、カルヴァート＝ルーウィンの背後にハメスを置く4-2-3-1か。攻守ともに課題を抱え、プレミアリーグ12位に沈んだエヴァートンは、ニューフェイスが持てる力を発揮すれば、ヨーロッパリーグ出場権争いに食い込めるでしょう。プレミアリーグ2020-21シーズンの開幕節は、いきなり敵地でトッテナムですが、マージーサイドの伏兵のアップセットが見られるかもしれません。ノースロンドンで開催される14日のゲームが、今から楽しみです。