偏愛的プレミアリーグ見聞録

速い、チェルシー！舞台裏でロメウ・ルカク獲得について、インテルと話し合っていると報じられたのは7月22日。ドルトムントのアーリング・ブラウト・ハーランドや、バイエルンのレヴェンドフスキを狙っていると伝えられていたクラブが、7年前に手離したストライカーに照準を絞ったのは7月の終わりでした。

8500万ポンド（約130億円）にマルコス・アロンソを付けるというオファーを拒否されたのは、8月2日。そこから1週間も経たないうちに、クラブ間合意に辿り着いたようです。「BBC」のサイモン・ストーン記者は、9750万ポンド（約149億円）で2度めの契約を結ぶと伝えており、「スカイスポーツ」はチェルシーとインテルは合意済みといっています。

2011年から3シーズンを過ごしたチェルシーでは15試合ノーゴール。ローンで加入したエヴァートンでプレミアリーグ31試合15ゴールという数字を残すと、2014年の夏に2800万ポンドで完全移籍にスイッチしました。マージーサイドでは141試合のリーグ戦で68ゴール。売却は間違いだったと認めたチェルシーが復帰を画策するも、2017年に彼を獲得したのはマンチェスター・ユナイテッドでした。

ジョゼ・モウリーニョが指揮を執っていたクラブがエヴァートンに支払った7500万ポンドは、ポール・ポグバに次ぐプレミアリーグ史上2番めの高額です。2年後、レギュラーポジションの確保が怪しくなったベルギーのエースは、セリエAチャレンジを決断します。2019年の夏に動いた7400万ポンドは、インテルのクラブレコード。初年度のセリエAで36試合23ゴール2アシスト、2年めの昨季は36試合24ゴール10アシストと凄みを増したゴールゲッターは、自らの価値を9750万ポンドに引き上げました。

現在は、ルカクの移籍に関する書類をインテルの弁護士がチェックしています。これがオフィシャルな契約書として問題ないと認められれば、ルカクは即座にメディカルチェックを受け、5年契約にサインすることになります。カイ・ハヴェルツの7580万ポンドを大きく上回るクラブレコード。直前にマン・シティ入りが決まったジャック・グリーリッシュの1億ポンドに次ぐビッグディールです。

プレミアリーグのクラブが買った選手の移籍金ランキングで、TOP5のうち2つがルカク案件となっています。

ハイペースでゴールを量産しているアーリング・ブラウト・ハーランドは確かに魅力的ですが、確実に得点力を高めたいチェルシーにとっては、プレミアリーグもロンドンも知っているルカクはベストチョイスなのではないでしょうか。これは、やばい。カウンター、セットピース、DFを体で押さえて放つ強引なシュート、ワンタッチゴールと決める手段を選ばないレフティは、欧州王者をプレミアリーグの頂点にも導くかもしれません。