偏愛的プレミアリーグ見聞録

「リーズはダニエル・ジェームズ獲得に近づいてる」。コメントしているのは、サイモン・ストーン記者。現地時間の朝7時、「BBC」の「トランスファー・デッドラインデーLIVE」は、マンチェスター・ユナイテッドの話題で占められています。締め切りは23時。戦力を強化したいプレミアリーグのクラブにとって、長くて短い1日が始まっています。

最初の「Done deal 」は8時。モイーズ・キーンのユーヴェ復帰が決まりました。18歳だった2018-19シーズンのセリエAで、13試合6ゴールという数字を残して将来を嘱望されたストライカーは、エヴァートンでは伸び悩んでしまいました。プレミアリーグ32試合2ゴール2アシスト。買い取りオプション付きの2年ローンで獲得したユーヴェは、年間300万ポンドを支払ったうえで、2023年に2400万ポンドで引き取る契約になっています。

9時過ぎにステートメントをUPしたのは、ウェストハムです。CSKAモスクワに所属するクロアチア代表FWニコラ・ヴラシッチ。2017-18シーズンにエヴァートンに加わったときは、公式戦2ゴールと力を出せずに終わりましたが、2度めのプレミアリーグチャレンジを成功させることができるでしょうか。23歳のヤングスターの加入によって、ジェス・リンガードはオールド・トラフォードに残留となりそうです。

「RONALDO IS COMING HOME」。9時33分、クリスティアーノ・ロナウドのマンチェスター・ユナイテッド移籍が正式に発表されました。1年のオプション付きの2年契約で、移籍金は1285万ポンド（約19億4000万円）。これをベースに685万ポンドのボーナスがあり、ユーヴェは最大で1970万ポンド（約29億8000万円）を手に入れられる可能性があります。メッシ、CR7、ルカク、アグエロ、グリーリッシュ、ジェイドン・サンチョが動いたトランスファーウインドウは、「激動の」という形容がぴったりです。

CR7の入団とほぼ同時に配信されたニュースに、思わず「何で今やねん！」とツッコミを入れてしまいました。リヴァプールが、ジョーダン・ヘンダーソンと新契約を締結したとアナウンス。キャプテンとはいえ、31歳のベテランに4年契約は異例です。イブラヒマ・コナテしか獲得していないクラブは、静かなデッドラインデーをサポーターに詫びるべく、話題づくりをしたのでしょうか。1日ずらせば、メディアの扱いはより大きくなったはずです。

午前中の最後のディールは、ブライトン。1540万ポンドで獲得したのは、ヘタフェの左SBマルク・ククレジャです。センターバックが多いこのチームは、ベン・ホワイトを売却してもダメージは大きくありません。アーセナルから得た5000万ポンドの一部で買った即戦力のフルバックは、いいお買い物だったのではないでしょうか。

13時15分にスウォンジーのコナー・ロバーツがバーンリーへ。16時15分、ダニエル・ジェームズが2500万ポンドでリーズに移籍すると報じられました。新たなニュースがない時間帯に、マンチェスター・ユナイテッドの背番号について語っていた記者たちは、「カバーニがウルグアイ代表で着けている21番が空いたので、クリスティアーノ・ロナウドは7番を譲り受けることになった」と確信したのではないかと思われます。

16時35分、アーセナルのリース・ネルソンがフェイエノールトにローン移籍。レアル・ベティスに貸し出されるといわれているベジェリンは、メディカルチェックを終えたようです。17時過ぎに、レスターのデニス・プラートがトリノにローンと伝えられました。デッドラインデーLIVEのタイムラインでは、「ハメス・ロドリゲスは高額なサラリーがネックとなり、時間切れの可能性が高い」という話がUPされています。

締め切りまで5時間となりました。ここから先は、「プレミアリーグ2021-22シーズン「BBC」のデッドラインデーLIVEレポート【後編】」にてお伝えします。