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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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あまりにも眩しかった8ヵ月…ズラタン・イブラヒモヴィッチ、マンチェスター・ユナイテッド退団決定!

悲しい。残念です。プレミアリーグ全20クラブが発表した契約選手リストに、神の名前はありませんでした。マンチェスター・ユナイテッドのズラタン・イブラヒモヴィッチは、公式戦46試合28ゴール、プレミアリーグ28試合17ゴールという輝かしい数字を残してクラブを去ることになりました。あまりにも眩しかった季節を回想する前に、リストから外れた主な選手をチェックしておきましょう。

プレミアリーグ優勝チームからは、長年主将を務めたレジェンド、ジョン・テリー。若返りを図るマンチェスター・シティは、サバレタ、カバジェロ、ヘスス・ナバス、サニャ、クリシーと30代の選手5人を契約満了としています。アーセナルは、結局プレミアリーグでゴールがなかったヤヤ・サノゴ。エヴァートンは33歳のアルナ・コネを放出し、1月にセインツに加わったマルティン・カセレスは37節のミドルズブラ戦に顔を出しただけで終わりました。WBAから去ったのは、ストーク移籍が決まったダレン・フレッチャー。ウェストハムのアルベロアはプレミアリーグ出場3試合のみと期待外れでした。

ストークは41歳になったシェイ・ギブン、クリスタル・パレスはレドリー、フラミニ、フレイザー・キャンベル。悪童ジョーイ・バートンは10年にも及ぶサッカー賭博を咎められ、バーンリーで過ごしたシーズンを34節で終えることになりました。最下位で降格となったサンダーランドは、オシェイ、レスコット、ラーション、ピーナール、アニチェベと別れて再起を図ることになります。これらのなかには、昨季が最後のプレミアリーグになる選手もいるでしょう。ズラタン・イブラヒモヴィッチも、そのひとりになるはずです。

シーズンの始まりを告げるコミュニティシールドで83分に決勝ゴール。モウリーニョ監督の就任後、初のカップ戦タイトルとなったEFLカップファイナルでは、勝負を決めたゴールを含む2発。マンチェスター・ユナイテッドが出場したすべての大会でゴールを決めてくれたズラタンに、まずはタイトル獲得という極上の幸せに浸らせてくれたことを感謝したいと思います。4ゴールを決めたEFLカップは彼の大会であり、苦しかったプレミアリーグで最後まで希望を捨てずにいられたのも、1発で世界を変えられるエースの勝負強さのおかげです。

その功績は、勝負を賭けたピッチの上だけに留まりませんでした。「彼のサッカーに向き合う姿勢と人間力は最高だ」(アンデル・エレーラ)、「彼のメンタリティはチームにとって大きい。若手だけでなく、経験を積んできた選手も学べると思う」(マーカス・ラシュフォード)、「彼はジョークが好きでおもしろい人間だけど、ピッチでは勝者だね。チームで最も経験があるから、僕らは彼の言葉に耳を傾ける」(ポール・ポグバ)。練習に取り組む姿勢や、難しいゲームにおける振る舞い方など、マン・ユナイテッドの選手たちが影響を受けたことは多岐に渡ります。3つのタイトルと来季につながる自信は、ズラタンの存在なしでは得られなかった果実でした。

チェルシーの完成度にはかないません。守備の堅さはトッテナムが上。マンチェスター・シティとリヴァプールの攻撃力を、うらやましいと思ったことも何度もありました。ここ20年、アーセナルより魅力的なサッカーをしていると感じたことは1度もありません。それでも昨季は、マンチェスター・ユナイテッドの応援をしていて楽しかったです。サー・アレックス・ファーガソン去りし後、いちばん楽しかった。なかなか勝ちきれず、重苦しくなりがちだったチームに、スーパーゴールの爽快感と明るさをもたらしてくれたストライカーがいたから、どんなときでも週末の試合が待ち遠しかったのです。

クラブの判断を「非情」と煽るメディアがありましたが、私はそうは思いません。シーズンの半分しか出場できないとわかっている選手と、高額なサラリーを伴う契約は結べないというのは、多くのクラブが選びうるまっとうな経営判断だと思います。クラブの姿勢ではなく、彼が退団すること自体でもなく、こんな別れ方しかできなかったわれわれの運命が悲しいです。赤いユニフォームを着て、チャンピオンズリーグでスペインの選手たちを圧倒するズラタンが観たかった。来季、欧州で戦うわがチームを観ながら、苦しい展開になれば威風堂々とした9番の後ろ姿を思い出すに違いありません。

ブライアン・ロブソン、ゴードン・ストラカン、エリック・カントナ、ピーター・シュマイケル、ロイ・キーン、ライアン・ギグス、ポール・スコールズ、オーレ・グンナー・スールシャール、ルート・ファン・ニステルローイ、デヴィッド・ベッカム、クリスティアーノ・ロナウド、リオ・ファーディナンド、エドウィン・ファン・デル・サール、ウェイン・ルーニー。私のなかの、忘れえぬレジェンドたちのリストに、彼の名前を刻もうと思います。ありがとう、ゴッド。今はただ、感謝の言葉を捧げるとともに、復活を遂げたときのあなたらしい言葉を楽しみに待っていますとしかいえません。

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“あまりにも眩しかった8ヵ月…ズラタン・イブラヒモヴィッチ、マンチェスター・ユナイテッド退団決定!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ゴール1つでゲームの雰囲気を変えられるワールドクラスの選手です。プレミアで十分プレーできたので、怪我が癒えたらトップリーグに復活できると思います。ライバルチームの選手でしたが、ゴールを決めた後の畏怖堂々とした姿は好きでした。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    未練がましいかもしれませんが、契約終了後もリハビリはユナイテッドの施設でやり、復帰後の再契約をズラタン側が認めたという一部報道にすがりたいところです。

  3. yuto より:

    本当に素晴らしい選手であり、本物のプロフェッショナルであると再確認した一年間でした。
    私も1月に再契約の流れは十分にあり得ると考えています。というよりもまた、ユナイテッドのユニフォームに袖を通してオールドトラッフォードに戻ってくる姿を見たいですね。
    ’’He will always be Zlatan.’’ 昨日のSky sportsでのポグバの言葉ですが、この言葉が彼の生き様を象徴しているようで大好きです。

  4. イレブン より:

    プレミアリーグの1ファンとしては、彼がプレミアで観れないのは悲しいです。
    なので、私もズラタンが1月に戻ってくれることを願って過ごします。
    来季もプレミアが本当に楽しみですよ。

  5. のこ より:

    しかたがないとは思うものの、やはり残念です。素晴らしい選手だとは分かっていましたが、自分が応援するチームにきてくれたことで、神が神たる所以を改めて理解できた気がします。
    1月に再契約、期待したいですね。

  6. 肥高直樹 より:

    私は長年スパーズファンです。近年の躍進は本当楽しく拝見させて貰ってます。しかし、CLではなかなか良い成績が残せませんね。CLは昔のようなジャイアントキリングが、最近は観られずツマラナイなぁ〜と興味が薄れてきました。モナコのモリエンテスがマドリーをやっつけたり、リョンの躍進など、あっディポルティボラコルーニャのバレロンを中心にミランを撃破したり面白かったあー今はスペイン二強が強すぎつまらんです結果が見えてしまうので。確かにプレーヤーは超一流ですが。戦力が均等にならないとやっぱりつまらんですわー

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