イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最後のシーズンは最高のシーズン。移籍が決まったグラニト・ジャカの新天地での活躍を祈ります。

エドゥTDとアルテタ監督のチーム強化を見ていると、新戦力については「学級委員長採用」を徹底しているように思えます。キャプテンというより、学級委員長。「闘将」「カリスマ」ではなく、「優等生」「前向き」といった表現が似合うタイプです。

チームと自身の成長を志向し、自発的に考えて努力を続け、周囲にいい影響をもたらす人材。結果的に、キャプテンの経験がある選手が多くなります。ウーデゴーア、ベン・ホワイト、ガブリエウ・マガリャンイス、冨安健洋、ジェズス、ジンチェンコ…。この夏はハマーズのキャプテン、デクラン・ライスが加わります。

その一方で、やんちゃ、破天荒、天才肌、職人気質といわれるような選手は、ほぼ絶滅しています。エジル、グエンドゥジ、オーバメヤン。ニコラ・ペペが、サカの代わりに右サイドに入ることはないでしょう。「不満」「衝突」という言葉が入る見出しが多いムバッペが、今のアーセナルに来たら大事件です。

そんななかで、グラニト・ジャカは両方の要素を併せ持つ稀有な存在でした。キャプテンの資質がある若い選手たちから慕われるスーパー学級委員長でありながら、ひとたびピッチに立つと、しばしばヒートアップ。アーセナルに入団してから、最初の4年はイエローカードが2ケタで、プレミアリーグとカラバオカップで通算5枚のレッドカードを喰らっています。

デクラン・ライスのディールがクラブ間合意と報じられたとき、ほどなくジャカの退団も決まるだろうと覚悟していました。「スカイスポーツ」がレヴァークーゼンに移籍決定と伝えたのは、その1日後です。移籍金は2140万ポンド(約39億円)。2年前、ローマと5年契約というゴシップが流れた際は、1540万ポンドでした。

30歳になってから移籍金を引き上げた2022-23シーズンは、アーセナルに入団してから最高の季節。3年半前にキャプテンマークを剥奪されたMFは、プレミアリーグ37試合7ゴール7アシストというキャリアハイの数字を残し、グーナーの称賛を得てチームを去ろうとしています。

ブンデスリーガで持てる力を出し切り、いつかスパイクを脱いだとき、多くのグーナーはこんな言葉で彼を懐かしむのではないでしょうか。「あのシーズンのジャカは、キャプテンのようだった」。ウルヴス戦の2ゴールで見せた笑顔が、今もなお頭の中でくっきりと像を結びます。アルテタ以前と以降をつないだ「闘将」を称え、新天地での活躍を祈りたいと思います。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す