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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ハマーズとマン・ユナイテッドがクラブ間合意…苦しい季節を過ごしたハリー・マグワイアに思うこと。

昨日の記事で、「ウェストハムがマンチェスター・ユナイテッドのハリー・マグワイアに3000万ポンドでオファー。交渉は継続中」とお伝えしました。週給19万ポンド(年俸988万ポンド=約18億円)といわれる高額サラリーがネックになるのではないかと懸念していたのですが、両者は合意に到達したようです。

2019年の夏にレスターから加わった元キャプテンは、DFとしてプレミアリーグレコードの8000万ポンドの移籍金が話題になりました。当時は、モウリーニョの後を継いだスールシャールが、正式に指揮官に任命されたばかり。オタメンディとマンガラを売って獲りにいくといわれていたマン・シティに負けじと、レスターの要求額に近づいた結果がファン・ダイク超えでした。

これほど高い移籍金で入団しなければ、違う人生があったのかもしれません。初年度のプレミアリーグで38試合に出場したCBは、シーズン中にキャプテンマークを渡され、8000万ポンドに起因したプレッシャーはより重くなりました。彼が誹謗中傷に悩まされるようになったのは、ギリシャのミコノス島で逮捕騒動があった2020年の夏からです。

スールシャールが解任され、チームが6位に沈んだ2021-22シーズンは、マグワイアバッシングがピークに達した1年でした。イギリスのアラン・チューリング研究所と放送通信庁のレポートによると、このシーズンの誹謗中傷件数ランキング1位はクリスティナーノ・ロナウドで12520件。2022年4月に殺害予告を受けたマグワイアは、8954件で2位に入っています。

彼がいた4年を振り返ると、複雑な気分になります。緩慢なディフェンスやイージーなパスミスに怒りを覚えた瞬間も少なからずありながら、あれほどの非難に耐え続けたことに対するリスペクトも感じていました。3000万ポンドのCBなら、あるいはキャプテンがデ・ヘアだったら、もっと拍手を受けるシーンが増えていたのかもしれません。

テン・ハフが就任した昨季は、プレミアリーグの先発は8試合、ヨーロッパリーグは3試合。リサンドロ・マルティネス、ヴァラン、リンデロフだけでなく、ルーク・ショーより信頼度が低い5番手の評価でした。オフシーズンのキャプテンマークの返上はやむなしでしょう。ハマーズから話があると知ったとき、移籍したほうが幸せなのではないかと思いました。本人も、クラブも。

ファブリツィオ・ロマーノさんと「スカイスポーツ」によると、合意は口頭ながら移籍金の総額は確定しており、現在は契約の詳細を詰めているとのこと。ハマーズとマグワイアの契約については、近日中に話し合われる予定ですが、「スカイスポーツ」は問題ないといっています。当初の6年契約が残り2年になっていると考えると、3000万ポンドは妥当な額でしょう。

イングランド代表の57試合7ゴールという数字は、凡庸なCBではないと訴えています。ヨーロッパリーグに出場するイーストロンドンのクラブは、さまざまな批判を見返すための最適なステージになりえるのではないでしょうか。

ハル・シティでプレイしていた頃、3バックの右とは思えないオーバーラップが目に留まり、試合中にプロフィールを調べたことを思い出しました。あれから7年。苦しい季節を経て30歳になったベテランCBには、マンチェスター・ユナイテッドを離れた後、レスターで称賛されたジョニー・エヴァンスのようなキャリアを積んでいただければと願っています。


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