偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドは中盤を強化できるのか。トッテナムは前線に新戦力を加えられるのか。プレミアリーグの移籍市場が締まるのは、現地時間の9月1日23時。「BBC」は、毎年恒例の特設サイト「トランスファー・デッドラインデーLIVE」を立ち上げ、すべての「DONE DEAL」をレポートしようとしています。

朝7時、最初の投稿はサイモン・ストーン記者。モハメド・サラー、ソフィアン・アムラバト、アンス・ファティ、ブレナン・ジョンソンなど、最後の1日における注目プレーヤーを紹介しています。「ブライトンにとって素晴らしい1日となる」といっているのは、バルサのアンス・ファティ獲得と、ヨーロッパリーグの組み合わせ抽選という2つのお楽しみがあるからです。

マンチェスター勢に関する最新ニュースが届いたのは朝9時。U21イングランド代表キャプテンのテイラー・ハーウッド・ベリスは、プレミアリーグ昇格時に2000万ポンドの買い取り義務が生じるレンタルでサウサンプトンへ。マンチェスター・ユナイテッドに入団したフェネルバフチェGKアルタイ・バインディルの移籍金は、430万ポンド（約7億9000万円）です。

「BBCラジオ5ライブ」に出演した「アスレティック」のデヴィッド・オーンスタイン記者は、「ソフィアン・アムラバトはレンタルになりそう。現在も交渉は継続中」といっています。9時30分に決定と報じられたのは、マン・シティからチェルシーに移籍のコール・パルマー。プレミアリーグ19戦ノーゴールの選手に、移籍金4000万ポンド（約74億円）とアドオン250万とは…。

アストン・ヴィラ戦の直前のプレスカンファレンスに臨んだクロップ監督は、「フラーフェンベルフについては何もいえない。サラーにオファーはない」とコメント。10時過ぎ、アーセナルのヌーノ・タヴァレスがノッティンガム・フォレストにローン移籍という情報が流れ、マン・シティのトミー・ドイルもウルヴスに買い取りオプション付きのローンと伝えられました。

ウルヴスのアナウンスがあったということは…。逆ルートの「DONE DEAL」が発表されたのは10時30分。マンチェスター・シティがマテウス・ヌネスを獲得しました。移籍金は5300万ポンド（約94億円）。25歳のドリブラーは、「史上最高の監督のひとりであるペップ・グアルディオラの下で、世界最高の選手たちと一緒に仕事をする機会は断われなかった」といっています。

12時を過ぎ、バルサのDFクレマン・ラングレがアストン・ヴィラへ。ブライトンのアンス・ファティ獲得が報じられたのは、13時20分でした。メッシの10番を受け継いだ20歳のアタッカーは、買い取りオプションなしのストレートローンで、ブライトンはレンタルフィーに加えて700万ポンド（約12億9000万円）のサラリーを支払うことになります。

「 これは、われわれ全員にとって素晴らしい契約だ。アンスは、われわれの新たな目標の達成に貢献し、われわれは彼にふさわしいレベルに戻る手助けができると確信している」（ロベルト・ゼ・デルビ）

クラブ史上初のヨーロッパリーグ出場を決めたクラブは、グループステージでアヤックス、マルセイユ、AEKアテネという難敵と当たることになりました。アメックススタジアムに集うサポーターたちにとって、ブルーとホワイトのストライプが欧州のクラブと対峙するステージは、生涯忘れられない思い出になるのではないでしょうか。

プレミアリーグのデッドラインデーは、前日までに合意に至ったディールが早い時間にアナウンスされ、当日の交渉でまとまった話は夕方以降に報道されるのが恒例です。午後のライブブログは、記者たちの雑談コーナー。「サラーに1億5000万ポンドのオファーがあるなら、サカにも1億2000万ポンドが届いているだろう」といったさまざまなファンタジーが飛び交っています。

ジョーク交じりの話のなかに、時折「イオビがフラムにいったらショッキング」「サンビ・ロコンガとホールディングは出ていくらしい」「フラムのMFパリーニャのバイエルン移籍は破談？」といったマジネタがはさまれています。トッテナムのニュースが入ったのは16時。タンガンガはアウクスブルグ、レギロンはマンチェスター・ユナイテッドへのローン移籍が決まりました。

「マンチェスター・ユナイテッドに貢献できると思う。このグループのために戦い、自分のクオリティを示す準備はできている。輝かしい歴史を持つクラブで力を発揮するチャンスを断ることはできない。監督と話して、何を求められているかわかった。チームが成功を収めるために自分の役割を果たしたい」（セルヒオ・レギロン）

17時をまわって、残り6時間。フラーフェンベルフとアムラバトに関する続報はありません。この稿は長くなりますので、「プレミアリーグのデッドラインデーLIVE【後編】」に続きます。