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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Brazil2014決勝:後篇】新世代のコンビが決めた完璧な一発!最強ドイツが、ついに南米を制す!

「【Brazil2014決勝:前篇】メッシも「最後のクローゼ」も決められず…悔しかったのはアルゼンチン!」より続きます。

延長が始まると、いきなり決定機をつかんだのはドイツ。ペナルティエリア左で前が空いたシュールレが、左足でシュートを放つも、GKロメロが正面でブロック。左右から突破口を開こうとするドイツに対して、アルゼンチンは裏にスルーパスを通そうとします。97分、左サイドからのクロスにドイツDFがかぶったところをパラシオが抜け、目の前にはGKノイアーだけ。パラシオのループシュートはノイアーを越えますが、落下点はゴールの左。本日3度めの決定機もシュートが枠にいきません。両者とも、攻め上がる力を失いつつあります。依然として0-0、ゲームはラスト15分です。

出来れば、120分で決着がついてほしい。そう願いながらの延長後半。ピッチにいる22人のなかに、PK戦をやりたい選手はいないでしょう。しかし、試合が始まってから1時間40分以上の時間が経っています。止まっている選手にパスを出すシーンはあっても、スペースに走り込む選手は少なく、効果的なフィードをできる選手もほとんどいません。メッシはピッチを歩き、体力があるはずのゲッツェはどこにいるかわかりません。アルゼンチンの中盤は間延びし、ドイツの最終ラインの押し上げも効きません。残り7分。このまま試合は終わり、PK戦に流れていく雰囲気が場を支配しています。

左サイドでシュールレがドリブルを始めたとき、特段危険は感じませんでした。しかし、シュールレは駆け引きを繰り返しながらするするとサイドを突破し、ゴール前にクロスが入ります。アルゼンチンDF陣は、左サイドで止まると見切っていたのか、誰も戻ってきておらず、ニアにいたゲッツェはフリー。クロスの弾道は完璧、トラップ、ボレー、ボールは右のサイドネットへ、ゴール!

22歳と23歳。交代で入った若い2人の攻撃が、113分間、誰もシュートを突き刺せなかったゴールネットを揺らしました。アルゼンチンに、反撃する気力はあるのでしょうか。118分、左からの大きなクロスに、何とメッシがフリーでヘディング。ドイツの守りも綻び始めています。このシュートがノイアーの頭上を越えると、やがて時計は120分を回ります。ドイツ最後の交代は、エジルに代えてメルテザッカー。プレミアリーグで必死に守る姿を観続けてきた彼が、決勝戦のピッチにいるのはうれしいですね。

追加タイムは2分。メッシが右からドリブルで斬り込むと、シュバインシュタイガーはたまらずファール。きっとこれが、最後のチャンスでしょう。倒れ込んだシュバインシュタイガーの治療が終わり、ゲームは再開。FKのキッカーは、もちろんメッシ。直接狙ったシュートが大きく枠を外れたとき、延長後半17分40秒の表示とともに、天を仰いだメッシが緩やかに笑みを浮かべたような気がしました。エースが、敗戦を覚悟した瞬間。時間はもう残っていません。

アルゼンチンの選手が左サイドから弱いロングパスを中に通し、シュバインシュタイガーに対するファールが宣告され、ボールが中央に戻された瞬間、大会最後の笛の音が響きました。ドイツ、優勝!南米開催における初めての欧州の勝利。決定的なチャンスは、アルゼンチンのほうが多かったでしょう。しかし、勝利の女神は開催国を完膚なきまでに叩いたチームに微笑みました。いや、アルゼンチンの選手たちには、世界一のGKノイアーの鬼気迫る立ち姿が、ことさらに大きく見えたのかもしれません。いずれにしても、優勝したドイツに納得しないサッカーファンはいないでしょう。

「アルゼンチン優勝」という私の予想は外れましたが、ドイツの優勝には心からの拍手を送りたいと思います。大会最優秀選手はノイアーにしてあげたかったですね。スペインが流れを作ったポゼッションサッカー、ティキタカの時代は過ぎ、バイエルン・ミュンヘンをベースとしたドイツのプレッシングと直線的な攻撃が、世界の最先端にあると宣言された大会なのかもしれません。プレミアリーグ、とりわけアーセナルとチェルシーサポーターのみなさん。自分たちのクラブの選手がワールドカップを掲げている姿を観ると、誇らしい気分になりませんか?ともあれ、ドイツのみなさん、おめでとうございます!

…アルゼンチンの中盤で戦い抜いたマスチェラーノの痛々しい表情に、「祭りの終わり」を強く意識させられました。あっという間でしたね。調子に乗って、ワールドカップだけで62本も記事を書いてしまいましたが、本日をもって、プレミアリーグを愛する日常に戻ることとしましょう。そうはいっても明日から数日は、ワールドカップの総括めいたお話と、何らかのテーマでベスト11の記事を書かせていただこうと思っております。よろしければ、またお立ち寄りください。

ワールドカップバージョン、1ヵ月半の間、おつきあいいただいてありがとうございました。おもしろいと思っていただいた方だけで結構です。よろしければ、下のランキングバナーをクリックしていただければうれしいです。みなさま、ワールドカップ観戦、おつかれさまでした!(マリオ・ゲッツェ 写真著作者/Michael Kranewitter)

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“【Brazil2014決勝:後篇】新世代のコンビが決めた完璧な一発!最強ドイツが、ついに南米を制す!” への6件のフィードバック

  1. ACOLE より:

    とりあえずドイツおめでとうございます!
    いやチェルシーファンとしては本当にシュールレが誇らしいです!
    全て途中出場ながら3得点1アシストはスーパーサブとしては立派な数字だと思います!
    来季はチェルシーで覚醒してくれると嬉しいです!

  2. アーセナル より:

    エジル意外と体力あるなあw
    アーセナルでもたのんます!

  3. makoto より:

    ACOLEさん>
    よpかったですね!シュールレ。

    アーセナルさん>
    抜くところをちゃんと抜くのがうまいんでしょうね。

  4. オーファーマネスル より:

    アルゼンチン優勝を予想していましたが、新しい世代が違いをつくりましたね
    ドイツは技術重視の育成と戦術が成功して、黄金時代になりますね。

  5. れれ より:

    管理人さん結構っていうかだいぶアーセナル好きになってきてません?笑
    アーセナルに三人も優勝経験者が(四人になって欲しい)誇らしいです(*^^*)
    エジルの有言実行ぶりには驚かされました。
    ほんとに来シーズン期待してます。まずは休んで~

  6. makoto より:

    オーファーマネスルさん>
    そうですね。ドイツは、次回も優勝候補でしょう。

    れれさん>
    相方が2泊4日でもロンドンに行ってしまうような強烈なグーナーなので、そもそもあまり悪く言えない、というのはあります(笑)

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