2026.07.12 FIFAワールドカップ2026北中米大会FIFAワールドカップ
ミケル・メリノとセネ・ラメンス。2戦連続決勝ゴールと唯一のファンブルの残酷なコントラスト。
左足を痛めた絶対的守護神は、ハイドレーションブレイクに助けられてピッチに戻ったのですが、71分にシャツで涙を拭いながらベンチに向かいました。代わって入ったのは、セネ・ラメンス。アントワープからマンチェスター・ユナイテッドに移籍し、ゴールマウスに君臨した23歳のGKは、今やプレミアリーグ屈指のショットストッパーといっても大げさではないでしょう。
2025-26シーズンのGoals Prevented(xGに対する失点阻止)はプラス4.4で、ドンナルンマに次ぐリーグ2位。ワールドカップのピッチに立つのは、これが初めてです。両者ともに、枠にシュートを飛ばせない時間が続き、残り5分を切ってもスコアはイーブン。ポルトガル戦の91分に決勝ゴールをゲットしたミケル・メリノがダニ・オルモの後を継いだのは、86分でした。
2024年にレアル・ソシエダから移籍したバスク人は、アーセナルで8番を任せられるはずでした。移籍する直前のシーズンで、欧州5大リーグの最多となるデュエル326勝を記録しており、2センターの左か4-3-3のインサイドがベストポジションです。2025年2月のレスター戦で最前線にまわったのは、ストライカーが全滅したからですが、いきなり2ゴールで勝利の立役者になりました。
これがトリガーだったかのように、プレミアリーグとCLで5ゴールを叩き込んだミケル・メリノは、UEFAネーションズリーグのファイナルズで4戦2発、ワールドカップの欧州予選で6戦6発と確変に突入。この勢いをワールドカップに持ち込みたかったのですが、2026年1月に痛めた右足が疲労骨折と診断され、電動スクーターがなければ移動できない体になってしまいました。
「私には2つの選択肢があった。落ち込んで泣き崩れて消え去るか、頭を上げて前向きになり、与えられた時間を他の面を向上させるために使うかだ」。早期回復の原動力は、高いモチベーションとプロフェッショナリティでした。ぎりぎりでスペイン代表のメンバーに選出されたミケル・メリノは、初戦のカーボヴェルデ戦からすべての試合でピッチに立っています。
ロサンゼルスの激闘に話を戻しましょう。アーセナルのレフティが加わってから、サイドアタックを続けたスペインは、88分にククレジャ、ペドリ、クバルシと右に展開しました。前が空いているのを見たCBが渾身のミドル。ラメンスにとって、初めてのオンターゲットは予想外だったのかもしれません。ファンブルしてこぼれたボールに詰めたのは、ミケル・メリノでした。
ワールドカップのノックアウトラウンドで、途中出場の2戦連続ゴールは史上初の快挙です。ポルトガル戦の出場時間は5分、ベルギー戦は4分。劇的な連発に、戦術的な解釈は不要でしょう。「彼は常に、打てるチャンスを窺っていた」。このひとことで充分です。片や痛恨のミスでリードを許したラメンスは、97分のククレジャのロングシュートをキャッチして大会を終えました。
輝かしいシーズンの最後に悪夢のような結末を迎えたGKと、苦しい数ヵ月を経て復活を遂げたMFの残酷なコントラスト。一瞬の判断が天国と地獄の分かれ目になるフットボールの怖さを、思い知った一戦でした。マンチェスター・ユナイテッド戦で負傷したミケル・メリノは、チャンピオンズリーグのファイナルをベンチで見守った後、最大の目標に向かって前進し続けています。
今はまだ、ラメンスに届ける言葉は見当たりません。出番を得たときは、幸運をつかんだように思えたのですが…。2018年のワールドカップロシア大会でクリステアィアーノ・ロナウドのシュートをファンブルし、オールド・トラフォードに戻ってからフォームを崩したダヴィド・デ・ヘアとは違う道を歩んでほしいと願うのみです。
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